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DCR-DVD403

DCR-DVD403

2005年04月05日 00時00分更新

文● 伊藤 裕也

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 DCR-DVD403はどの程度の実力なのか?――ということで、恩賜上野動物園でロケを試みた。

シューティングスタイルでホールドしやすく、右手だけでもラクラク操作可能
シューティングスタイルでホールドしやすく、右手だけでもラクラク操作可能だ。とはいえ、手ぶれを最小限に抑えたければ左手もきちんと使おう。

 まずDCR-DVD403を手にしたところ、大きすぎず小さすぎずでホールド感は良好だ。操作系はズームのコントロールを行なうスティックが小さく敏感に反応する点がやや気になったものの、操作自体には支障なく、撮影のオン・オフやズームコントロールは右手のみでも楽に実行できた。ホワイトバランスやプログラムAEの設定は液晶パネル上に表示されるメニューに直接指で触れて指定する方式。メニューは階層構造で大変わかりやすいものの、設定項目を呼び出す手順はやや面倒で、操作の際に若干手間取ってしまうこともある。そこでよく使う項目については、カスタマイズ機能によりトップメニューから直接アクセス可能だ。屋内から屋外に移動した場合など、ホワイトバランスやAEの変更はしばしば行なうだけに、こうした機能の存在は大いに助かる。

 ただ、フォーカスの調整までもがタッチパネルを用いたメニューから行なう点は、やや残念である。というのも、フォーカスは撮影しながらその設定を変えるため、液晶パネル上での変更は極めて難しいからだ。このクラスのカムコーダーは“とにかく気軽に使えること”が重要なのでマニュアルフォーカスの機能が弱いのはしかたないが、せめて小さなダイヤルでもあれば多少は違うのではなかろうか。



サルを撮影 ゲットしたサル画像
サル山を撮影。撮影した動画をキャプチャーしたもの。
サル山の頂上で微妙なポーズを取るサルの姿も、10倍ズームでばっちりゲット。

 さて、実際に動物園を歩いてみると、堀を挟んで遠くから眺めることしかできない動物や直接触れ合える動物など、動物との距離や高さは実にさまざま。

 例えばサル山のサルなどは、遠く離れた被写体の典型だ。サル山の山頂程度であれば、DCR-DVD403による光学最大10倍ズームの力でバッチリ記録できる。さすがに、運動会で広いグラウンドの反対側にいる子供をアップで撮影するようなシチュエーションでは厳しいが、そうした場合にはオプションのテレコンバージョンレンズを併用したい。一方、動物に触れられる広場にいるヤギやウサギなどは、近く低い被写体の典型といえる。小さな動物に近寄って撮影するとなるとカメラの高さが気になるところだが、それはローアングル撮影で対応可能だ。液晶パネルの横にズーム・撮影のオン・オフに関するボタンが配置されているため、ローアングル撮影はもちろん、カムコーダーを高く掲げて操作するような状況でもしっかり操作できる。

ヤギを撮影 ゲットしたヤギ画像
今度はヤギを撮影。撮影した動画をキャプチャーしたもの。
液晶パネル横にあるボタンを使うことで、ローアングル撮影や高い位置からの撮影にも容易に対応可能だ。

 ところで、ソニーのハンディカムシリーズには面白い撮影機能として“ナイトショット”がある。これは要するに赤外線撮影モードで、使用すると暗い場所での撮影が可能になる。フラッシュ禁止の場所でも、バッチリ被写体を撮影できるワケだ。

ナイトショット画像
光の量が少ないところでもナイトショット機能を使えばこのとおり(特殊な環境の展示室の場合は、撮影が許されているか確認する必要がある)。

 バッテリーは標準の「NP-FP70」をフル充電した状態で使用したところ、撮影できる状態で園内を2時間ほど歩き実際に映像を30分ほどDVDメディアに記録しても余裕があった。メディアに常にアクセスする状態でも2時間近くは動作したので、バッテリーに関しては予備と合わせてふたつもあれば、日帰り旅行程度の撮影には十分といえよう。

 問題はそれよりむしろ、DVDメディアに記録できる時間だ。なにしろメディアが8cmなので長時間の録画に対応できないのは理解できるにしても、HQモードで20分はさすがに短すぎる。両面メディアを使えば1枚で40分ほどになるものの、両面メディアは片面を使い切ったところで一旦DVDドライブからメディアを取り出し、手で裏返す必要がある。メディアの交換にかかる手間としては、片面メディア×2とほぼ同じだ。いずれにしても撮影時には常に予備のDVDメディアを数枚用意する必要があるだろう。ちなみに、DVDカムコーダーではDVDディスクに記録するという構造上、両面メディアの表裏を間違えてすでに記録済みのメディアを誤ってセットしても、DVカムコーダーなどのように映像を上書きするようなミスには繋がらない。そういった意味ではメディアが増えることによる不安はないが、撮影時に混乱しないためにもメディアのケースにはこまめにメモをするなどしておきたい。

静止画の作例1 静止画の作例1
2016×1512ドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズしたもの。左の元絵の部分をトリミングしたもの。
静止画の作例2 静止画の作例2
2016×1512ドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズしたもの。左の元絵の部分をトリミングしたもの。
最近すっかりおなじみの静止画撮影機能についても最大で2016×1512ドットでの撮影に対応するなど抜かりはない。静止画撮影においても光学ズーム10倍は有効だ。

映像をより良く“魅せる”ためのアイテムいろいろ

 撮影時に映像品質を低下させる一番の原因は、なんといっても“手ぶれ”。そのため多くのカムコーダーには手ぶれ補正機能が搭載されているが、残念ながらその機能にも限界がある。そこで検討したいのが三脚の使用だ。三脚はビデオ撮影の必須アイテムとも言ってもいいアイテムで、使いこなせるようになれば映像品質が数段アップする。ちなみに三脚は、ビデオ撮影に対応したものを選択するのがポイント。一般的にビデオ撮影用の三脚はパン(水平方向の移動)やチルト(垂直方向の移動)といった動作を滑らかに行えるよう工夫されているからだ。

 また、よりよい映像作りを目指すなら音についてもこだわろう。一般的にカムコーダー内蔵のマイクはカムコーダー周辺の音をバランスよく拾うようになっているのだが、例えば、離れた被写体を撮影するケースではこれが仇となり被写体からの音が周囲のノイズにかき消されてしまい、拾うことができない。そうした状況でもズーム倍率によって指向性を変えられるガンズームマイクなら、被写体のいる方向からの音のみを狙うことが可能だ。また、カムコーダー内蔵のマイクにはカムコーダー本体の動作音を拾いやすく、風に対するノイズに弱いなどの弱点がある。DCR-DVD403は標準で5.1chサラウンドに対応する内蔵マイクを搭載することで音声の記録にもチカラを入れているが、純粋に音質面で考えるとやはり外付けマイクが有利だ。

三脚 4chステレオマイクロホン「ECM-HQP1」
根本的に手ぶれを抑えたいなら三脚しかない。写真の「VCT-D680RM」はパンハンドルからズームや撮影のオン・オフをコントロールできるため扱いやすい。5.1chでのサラウンド記録に対応するオプションの4chステレオマイクロホン「ECM-HQP1」。ちなみにマイクを覆う柔らかいファーは“ウインドスクリーン”と呼ばれるもので、風によるノイズを低減する効果がある。マイクを使用する際には欠かせないアイテムだ。
三脚とステレオマイクロホンを使ってサイを撮影 ゲットしたサイ画像
三脚とステレオマイクロホンを使ってサイを撮影。撮影した動画をキャプチャーしたもの。
三脚を用意して手ぶれを防ごう。

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