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秋葉原が絶大な吸引力に!――石原都知事が“秋葉原ダイビル”のオープニングセレモニーで

2005年03月31日 23時37分更新

文● 美和

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 エヌ・ティ・ティ都市開発(株)、ダイビル(株)、鹿島建設(株)の3社は31日、JR秋葉原駅前の“秋葉原クロスフィールド”のうち、“秋葉原ダイビル”のオープニングセレモニーを、同ビル2階にある“秋葉原コンベンションホール”で開催した。“秋葉原クロスフィールド”は今回竣工した“秋葉原ダイビル”と、来年竣工する予定となっている“秋葉原 UDX”の2つのビルで構成。産学連携機能を有する施設として建設されたもので、国立法人 東京大学大学院情報理工学系研究科やぷらっとホーム(株)など18の産学機関が入居する予定となっている。今回のセレモニーには、東京都知事の石原慎太郎氏や、内閣府特命担当大臣(科学技術政策、食品安全)情報通信技術(IT)担当の棚橋泰文氏など9名が出席した。

テープカット
“秋葉原ダイビル”のテープカットの様子

 セレモニーの開始にあたりダイビル(株)の代表取締役 広瀬忠邦氏は「東京都が発表している“東京構想2000”では、秋葉原がIT関連産業の世界的拠点として位置づけられており、この“秋葉原クロスフィールド”がその中核をなす。産学連携機能を集約しており、IT関連の研究や情報発信を期待している」と挨拶した。また内閣府特命担当大臣(科学技術政策、食品安全)情報通信技術(IT)担当の棚橋泰文氏は、“クロスフィールド”の持つ産学連携について「日本は大学と産業界の連携による成果を生み出すという点が弱い。この部分を“強化したい”という思いで政策を行なっている。秋葉原が日本の発展の礎となるように期待する」と述べた。

広瀬忠邦氏 棚橋泰文氏
ダイビル(株)の代表取締役 広瀬忠邦氏。「産学連携機能を集約しており、IT関連の研究や情報発信を期待している」と語った内閣府特命担当大臣(科学技術政策、食品安全)情報通信技術(IT)担当の棚橋泰文氏。“クロスフィールド”で行なわれる産学連携お成果に期待するとしている

 一方、東京都知事の石原慎太郎氏は独自の理論を展開し、場内を沸かせた。まず「アメリカでいちばんパテントを申請しているのは日本。アメリカは日本の十数倍以上のパテントを申請しているが、日本はそのアメリカのパテントをアメリカ以上にうまく運用している。われわれの国は、産業に関わるこういったポテンシャルをうまく活用しなければならない」と説明。その上で、「私は中国は嫌い。これは中国人が嫌いというのではなく、政権が嫌いということだが、経済が乱開発に近い形で膨張しており、そのうち限界点に達して破滅する。中国は大量生産のシステムはあるが、日本が持つ開発力はない。技術的なポテンシャリティは経済の上流の部分にあたり、それを持ち続けなければならない。基軸たり得るのはIT産業であり、すでに存在する秋葉原だと思う。秋葉原の今後に、日本の国家社会の興隆の鍵がある。秋葉原が絶大な吸引力となって、ITといういちばん新しい技術体系で日本独自のものを開発していくところに非常に期待している」と語った。
 また、日本が自国の技術力のすばらしさに気づいていないということにも言及。氏はクリントン政権時に日本に派遣された使節団を引き合いに出し「“PS2”が発売されたとき、アメリカ政府は子供のおもちゃにそういった高性能なチップを使ったことに、驚きと同時に不安を持った。こういうものが平気で中国に売り飛ばされたりすると困るということで日本に牽制しにきた。日本人は自分の持っている価値を相対的に知らない。われわれの持っている力というのは、日本人自身よりも、日本をwatchしている超大国のほうがはるかに正確に認識している」と語った。

石原慎太郎氏 北原照久氏
東京都知事の石原慎太郎氏。独自の理論を展開し、場内を沸かせたオープニングイベントとして“北原照久コレクション展”が4月1日から開催されるため、北原照久氏も招待されていた
展示物 クロフィーくん
北原照久氏のコレクションなどが展示されている“秋葉原UDX”の仮囲いに“秋葉原クロスフィールド”のイメージキャラクタ“クロフィーくん”が描かれている
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