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Mac mini

必要最小限の機能が凝縮した超コンパクトマシン

2005年03月12日 21時30分更新

文● 岸本真二郎

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以下簡単に特徴をまとめてみた。

■動作音が静か

Mac mini本体の小ささに加えて、注目したいのが動作音の小ささである。さすがにファンレスとまではいかなかったようだが(ちなみにG4 CubeはG4-450MHzでファンレスであった)、動作音は非常に小さい。これには、底面全体に貼られたラバーの効果もあるのだろう。逆にDVD-ROMアクセス時などの光学ドライブのアクセス音が気になる。また、Macintoshユーザーにはご存じのMacの起動音だが、これがややうるさく感じる。本体内のモノラルスピーカから発せられることもあってか音質的にはあまり上品な感じがしない。この起動音は背面のヘッドフォンコネクタにケーブルを接続していても鳴ってしまう。

■ソフトウェアはApple Works、iLife '05が付属

Mac miniのパッケージには、本体の他に電源アダプタ、電源ケーブル、DVI-VGAアダプタ、OS X 10.3.7インストールディスク(Apple Hardware Testを含む)、OS 9インストールディスク、さらに単体でも販売されている『iLife '05』のインストールDVD、マニュアル類、そしてお約束のAppleのロゴマークのステッカーが付属する。OS 9は事前にインストールされておらず、必要に応じてユーザーがインストールする。HDDにプリインストールされているシステム(OS X 10.3.7、評価機ではすでに10.3.8にアップデートされていたが)には、ゲームが2種類と、ワープロ、表計算、ドローイングなとが利用できる統合ソフトのApple Works 6が含まれる(これらについてはそれぞれのメディアは付属しない)。OS Xにはメールソフト、Webブラウザ(Safari)も含まれるので、とりあえずこのままでインターネット接続を含む一般的な使用に困ることはないだろう。

一方、iLife '05はプリインストールされておらず、ユーザーがインストールする。iLife '05の詳細についてはここで詳細について紹介できないが、iLife '05には、デジカメで撮影した画像の修正や管理を行う“iPhoto 5”、HDVに対応したビデオ編集ソフトの“iMovie HD”、HDV(高解像度ビデオ)にも対応するDVD作成ソフトの “iDVD”、最大8トラックを同時に処理するマルチトラッキングレコーディングが可能な作曲ソフトの“GarageBand 2”、そしてこれはもう説明の必要はないと思われるが“iTunes 4.7.1”が含まれている。HDV対応については、Mac miniに搭載可能なHDDの容量(40GBもしくは80GB)とオプションで選択できる光学ドライブとの関係もあり、積極的にiLife '05を利用するようなら購入時にオプション選択を慎重に行いたい。

■USBキーボード/マウスの接続

Macword Expoでの発表では、“BYODKM(Bring Your Own Display, Keyboard, Mouse)”ということで、手持ちのディスプレイ、キーボード、マウスはユーザが使っているものを利用する(できる)というコンセプトである。ディスプレイ(800x600ピクセルから2304x1728ピクセルまで広範囲の解像度をサポートしている)、マウス(USB接続のマウスの多くはWindowsとMacをサポートしている)はともかく、日本の多くのユーザーが使っている日本語(JIS配列)のキーボードについては注意が必要である。

・日本語キーボードを利用する際の注意点

マイクロソフト(株)や(株)ロジクールの販売するUSB接続のキーボードや、(株)PFUの販売する『Happy Hacking Keyboard Lite』など、Macintosh用のキーボードドライバーが付属するタイプのキーボードでは特に問題は起きないが、ドライバーのないUSBキーボードや、PS/2インターフェイスのキーボードを PS/2-USB変換アダプタを使って接続すると、“@”“¥”といった記号を入力する際に、キートップの刻印と実際に入力される記号が異なるという不都合が生じる。これはMac miniというよりもOS Xの問題なのだが、OS Xがキーボードを認識する際に、未知のキーボードに対しては英語キーボードと認識するためである。たとえば英語キーボードで記号を入力するには、“@”は“シフト+2”を、“&”は“シフト+7”キーといった具合になるのだが、これと同様のキー入力が必要になる。アルファベットを入力する分には問題はないのだが、URLやメールアドレスを入力するのに苦労する。

Microsoftが提供するキーボードドライバ。記号入力の問題を解決するほか、拡張キーをOS Xのアプリケーションに割り当てることもできる
Microsoftが提供するキーボードドライバ。記号入力の問題を解決するほか、拡張キーをOS Xのアプリケーションに割り当てることもできる

この問題を回避する方法はいくつかある。ひとつは、有償のソフトウェアを利用するもので、トリニティワークス(有)が提供する『WinK for OS X』を用いると、光学メディアのイジェクトや、ボリュームの調整など日本語キーボードでMacintosh純正のキーボードに近い機能が実現できる。またフリーウェアとして入手できるツールもある。OS Xに対応するキーボードレイアウトファイルを配布しているもので、これらはUkeleleというフリーウェアで作成したものが多い。OS XではXMLで記述したキーボードのレイアウトファイルを用意することで、設定に応じたキーレイアウトが実現できる(http://developer.apple.com/ja/technotes/tn2056.html)。さらにこれとは別に旧機種向けのキーボードドライバーを、アップルのサイトからダウンロードして使うこともできる。これは古いバージョンのMac OS用の「Apple キーボード II JIS」を使用するための機能拡張モジュールである(旧式のキーボードスーツケース。ここでダウンロードしたバイナリに含まれるキーボードリソースファイルの拡張子を変更することでJISキーボードが利用できるようになる)。

こういったツールを利用することでJISキーボードのでの記号入力が可能になるのだが、Macintoshをメインに利用するようなら、後述する拡張キーの問題も含めて、やはりMac用のキーボードを用意した方が無難である。特にカナ入力を行おうとしている場合は注意したい。

・コマンドキー、オプションキーの表記を覚えないと…

また、基本的なことだがWindowsとMacintoshのキーボードでは、拡張キーの名称が異なる。Macの“Option”キーはWindowsの“Windows”キーに、Macintoshの“コマンド”キーはWindowsの“Alt”キーに対応している。特にコマンドキーは、Macintoshではショートカットキーの組み合わせで使用する場合が多いので、キートップの文字(というか記号)を頭に入れておく必要がある。アプリケーションのマニュアルでは、ショートカットキーの表記にコントロールキーは鉛筆、シフトキーは上矢印などで表記する場合が多いのでこれを知っておかないと苦労する。

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