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――“アプリケーション改革”に向けて1社あたり5万ドルの投資を実施

日本IBM、統合アプリケーションサーバー“iSeries eServer”の強化施策を発表

2005年03月07日 17時46分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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マーク・シアラー氏
米IBMのシステムズ&テクノロジー・グループ eServer iSeries担当ゼネラル・マネージャーのマーク・シアラー氏

日本アイ・ビー・エム(株)(日本IBM)は7日、東京・箱崎の同社オフィス(箱崎事業所)にプレス関係者を集め、統合アプリケーションサーバー“iSeries eServer(アイシリーズ イーサーバー)”に関する2005年の強化施策を発表した。これは、米IBM(International Business Machines)社が2月25日(現地時間)に発表した施策“iSeries 新パートナープログラム”を受けて、日本での具体的な実施案件を説明するもの。発表会には日本IBMのiSeries事業部長の野々下信也氏、米IBMのシステムズ&テクノロジー・グループ eServer iSeries担当ゼネラル・マネージャーのマーク・シアラー(Mark L.Shearer)氏が出席し、米国で発表されたワールドワイドの施策と、日本での重点施策などを説明した。

最初にシアラー氏が、「世界中の顧客は、ITインフラをなるべく簡素なものにしたいと願っている。最近10年の間にインフラの改善・改良を行なってきて、いまやコストの多くが維持管理にかかっているのが現状。顧客はIT管理のコストを引き下げて、中核事業の成長により多くの投資をしたがっている」と、IBMが抱える顧客の状況分析を示した。



“IBM Charter for iSeries Innovation”
“IBM Charter for iSeries Innovation”

その上で、

  • iSeriesのブランドイメージを向上させ、IT業界での認知を広める
  • 現在の中小企業の顧客はビジネスパートナーを介してiSeriesを購入している。そこでビジネスパートナーの事業を底上げ・強化する、スキルを身につけてもらう
  • iSeriesのソリューションポートフォリオ(統合環境としての資産価値)を強化・拡張し、これまでに開発・利用されているアプリケーションの近代化、最新プラットフォームへの対応・移行を促す

という3つの柱を軸に、iSeriesの拡販に努めると話した。それを裏付けるように、米IBMでは2月25日に、“IBM Charter for iSeries Innovation(IBMのiSeries改革に取り組む憲章)”と題する、

  1. アプリケーションイノベーション
  2. ツールイノベーション
  3. iSeriesイノベーション

という3つの改革目標を発表している。“アプリケーションイノベーション”とは、iSeriesを利用したアプリケーションを開発・提供するISV(ソフトウェア開発企業)に対して、技術者の無料サポートや新プラットフォームへの移植支援、機材の無償貸し出しなど、ISV1社あたり5万ドル(約525万円)相当の投資を実施する。また、Linux関連アプリケーションの開発支援プログラム“Chiphopper(チップホッパー)”も発表しており、オープンプラットフォームへの移行を促進するという。これにより、「現在は数百単位のiSeries向けアプリケーション提供企業が、将来的には数千単位に拡大するだろう」と期待感を表明した。

“アプリケーションイノベーション”の解説 “ツールイノベーション”の解説 “iSeriesイノベーション”の解説
“アプリケーションイノベーション”の解説“ツールイノベーション”の解説“iSeriesイノベーション”の解説

“ツールイノベーション”は、ISVが開発に用いるツール群を、旧来の開発言語である“RPG(Report Program Generator)”からより汎用的で移植性の高いCOBOL/Java/.NETなどに移行することを促す施策。60以上の開発ツールを提供するほか、移植作業の助言などサポート体制も提供するという。

“iSeriesイノベーション”とは、技術コンサルティングやコミュニティーの構築などを通じて、iSeries本体の次期製品開発に向けたヒアリングをISVや顧客に積極的に行ない、意見を製品開発に反映するというもの。これらを“憲章”として発表したのは、「IBMが長期的なコミットメント(積極的な関与)を約束するものであり、製品開発にとどまらずソリューションに対しても積極的な投資を行ない、顧客のビジネスの問題解決を図っていく」と意気込みを示した。

野々下信也氏
日本IBMのiSeries事業部長の野々下信也氏

続いて、野々下氏が日本の状況について、「日本はブロードバンドインフラの急速な普及により、安価な高速回線が企業間にもいきわたって、独特の変化が生じている」と切り出した。さらに「特に大企業と中小企業で動きが異なり、大企業は独自システム/大規模サーバーの運用/高い信頼性/TCO削減などを求め、中小企業は実績ある汎用パッケージによる低価格化とTCO削減を求めている。そこで、日本IBMとしては、大企業には従来物理的/役割的に分散していたサーバーの統合や他社機からの置き換えを、中小企業にはソリューション提案を行なってきた」と同社のこれまでの役割を示した。



日本IBMが分析するサーバー市場の動向
日本IBMが分析するサーバー市場の動向

その上で、2005年度の施策として、

  • グローバルでの“新パートナー戦略”に伴い、ソリューションビジネスの拡大を狙う
  • 他社機の置き換えをさらに拡大する

という2つを説明した。

2005年のiSeries拡販に向けた具体的な施策 他社機の置き換えを拡充する施策
2005年のiSeries拡販に向けた具体的な施策他社機の置き換えを拡充する施策

前者は、4月1日に20人規模からスタートする“支援プログラム”を箱崎事業所に設立し、これまで“AS/400(iSeries eServerの前身にあたるサーバー製品)”向けに開発されたアプリケーションのオープン化、Java対応を支援する。さらに、開発から提供・サポートまでを関係企業との協業で実現する“エコシステム”の拡大(現在の4社/4ソリューションを年内20ソリューションに拡大)を目指すという。

後者は、2004年に発表した“統合システム移行センター”内に“iSeriesイノベーション・ラボ”を同じく箱崎事業所内に開設(4月の稼働開始を目指す)、営業支援や技術支援を行なっていくと話した。

“アプリケーションイノベーション”の解説 工作機械製造販売会社におけるサーバー統合の事例と効果
東映アニメーションへの導入事例と効果工作機械製造販売会社におけるサーバー統合の事例と効果

このほか、iSeriesの実績・導入事例として、

  • 東映アニメーション(株)が、アニメコンテンツを利用した関連製品販売の管理機能をiSeries+ERP(Enterprise Resource Planning、経営資源利用計画)パッケージで実現して、従来の人手による収益配分から自動計算/会計システムに移行してリアルタイム処理とコスト削減を実現したこと
  • 1月に行なわれた“全豪オープンテニス”では、iSeriesの負荷に応じて自動的に割り当てるCPUを増減する“自己最適化システム”により、試合中のさまざまなデータのリアルタイム計算と、試合展開によって大きく増減するウェブサーバーへのトラフィック(接続要求)を同時に処理したこと

などを紹介した。

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