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【続報】NTTドコモ、PHS事業から撤退へ――事業移管後6年間で3800億円の赤字、今後はFOMAへの乗り換えを推進

2005年02月28日 20時09分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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[記者] PHSの速度向上のためには、投資額がどれくらいになると見積もっていたのか?
[NTTドコモ 代表取締役社長 中村維夫氏] どこまでやるかによって大きく変わる。まず2012年に“第3世代電話との干渉問題(総務省が現在検討している、携帯電話用周波数割り当ての変更に伴う移行問題)”が出てくるが、これをすべてクリアしようとすると4000~5000億円の再投資が必要になる。
[記者] フルブラウザー搭載の端末で代替できるという話が出たが、NTTドコモとしても手がけていくという意向があるのか?
[中村氏] その分野でやっていくつもり(搭載端末の開発を検討している)。
[記者] (PHSからFOMA/PDCに乗り換える)特典の内容について、方向性だけでも教えてほしい。
記者の質問に答える中村維夫氏
記者の質問に答える中村維夫氏
[中村氏] まず、基本的に現在PHSを利用いただいているお客様には引き続きご利用いただける。終期(サービス終了時期)は別途ご連絡差し上げる。ただ、現時点でドコモの携帯電話に契約変更をご希望のお客様には、“継続利用期間”が各種割引の根拠になっているので、これを継続・通算して計算するようにしたい。新規契約の事務手数料は無料化する。端末の優遇策については検討中だが、実施するつもりでいる。
[記者] 特典はPHSからFOMAへの乗り換えだけ?
[中村氏] (PDCとFOMAを含む)ドコモの携帯電話全体を考えている。
[記者] 企業で使っているユーザーも多いかと思うが、企業向けの代替手段を用意する予定は?
[中村氏] 現在企業向けでは6万ユーザー、60万回線をお使いいただいている。このお客様も大変重要と考えており、基本的には“PASSAGE DUPLE(パッセージ・デュプレ)”というFOMAと無線LANのデュアル端末で代替していただくつもりだが、予算措置やシステムの関係など、法人のお客様の移行を踏まえて、順次システムを終焉していく。またデータ系でいうと、FOMAの新しい料金プランを作っているので、こうしたものに順次移行していただくと考えている。その期間が、今の時点で2年かかると考えている。
[記者] 売却という手段ではなく、撤退にした理由は?
[中村氏] 当然ながら売却もひとつの手段として検討した。しかし、法人で使われているお客様がいるほか、個人でもデータ通信などに利用されている。売却となると、いろいろなサービスが停止される恐れがある。これは、ドコモの責任としてうまくないと考えた。また、直ちに売却となると、一時的に出る金も大きな額が想定される。それよりも、段階的に顧客を携帯電話に誘導するほうが、ドコモ全体として得策だろうと考えた。この2つの理由から、売却せずに時間をかけてサービス停止という道を選んだ。
[記者] 社員の配置転換などは?
[中村氏] PHSはこのところずっと新しいサービスの提供は行なっていない。そのため投資も抑えて来ている。事務的な処理に関わっている人数も絞りこんでやっているので、即人員的に動きがあるとはいえない。すぐにサービス停止するわけではないが、今後はお客様対応などに人手が必要になる可能性はあるので、その点(今すぐに人員を減らす、配置転換すること)は考えていない。
[記者] 現在競合他社のウィルコムがそこそこユーザーを抱えている。@FreeDを開始した頃にユーザー数の下げ止まりという時期もあったかと思う。また(@FreeDで実現している)完全定額のニーズも一定のものがあると思う。これはFOMAに誘導するなかで対応していくつもりなのか?


データ通信や音声通話に今も活躍中のPHS端末
[中村氏] ウィルコムさんが存続されて、我々が撤退するその大きな理由はユーザー数だと思う。私どもは135万、ウィルコムさんは300万くらいだと思う。そのボリュームが違うこと。もうひとつは、(モバイルにおける)定額制のデータ通信の分野がものすごく縮小している。先ほど申した代替手段(ADSLや無線LANなど)が出て来ているので、かなり苦しい。少しビジネスモデルを変えないとやっていけないだろう。そういった場合、私どもは2つ(PHSとFOMA)を追うのではなく、経営資源を一本化してFOMAのほうを充実していきたい、という観点。
(定額制の)代替手段については、ひとつはFOMAのiモードにおける定額プランの提供、それからインターネット接続を行なう新しいデータ通信のプランも作ったので、これがお客様にどのように受け入れられるかを見極めて、考えていきたい
[記者] PHSの最盛期にはどれくらいの契約があったのか?
[NTTドコモ担当者] ドコモでいうと2002年3月に192万、NTTパーソナル時代を含めると1997年9月の212万人が最大で、現在(2月27日時点)は135万となっている。
[中村氏] いったんはデータ通信で持ち直したんだが、その後はまた落ち込んでいる。
[記者] PHS事業の損益はどれくらい出ていて、赤字はどれくらい続いていたのか?
[中村氏] 私どもが(事業を)引き取ってから、今年度を入れない6年間で3800億円。今回の損失が610億円。合計で約4400億円の損失を出している。これは毎年赤字だった。(赤字の幅を)ずっと減らしてきたのだが、今年度単年でいうと250億円の赤字になる。


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