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マイクロソフト、電子政府・電子自治体への取り組みに関するプレスセミナーを開催

2005年02月24日 23時37分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は24日、都内オフィスにて月例のプレスセミナーを開催し、同社の電子政府や電子自治体に対する取り組みについて、同社執行役公共インダストリー統括本部長の大井川和彦氏が説明を行なった。大井川氏は同社以前は経済産業省に在籍し、2年前から同社に移り、2004年7月から現部門で政府・自治体向けの取り組みを行なっている。

執行役公共インダストリー統括本部長の大井川和彦氏

“e-Japan戦略”の経過
大井川氏によると、2004年10月の調査での自治体におけるサーバープラットフォームの稼働台数はWindowsプラットフォームが74%を占め、“電子自治体という単語からイメージする信頼されるメーカー”の第4位に同社が入っているといい(2004年の調査結果。2003年は第5位)、政府・自治体向けの市場にも同社が深く浸透している状況を紹介した。一方、日本の政府・自治体の状況については、2001年1月に施行された“高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)”に基づく“e-Japan戦略”により、最先端のIT国家としての発展を続けているというが、その一方で、デジタル家電分野などでも見られた国際競争力の低下や、国債残高606兆9000億円、地方債残高204兆円という深刻な財政難、少子高齢化といった問題を抱えており、これらの問題を踏まえて今後どのように“e-Japan戦略”を進めていくのかという点も重要な課題だとした。



電子政府・電子自治体を実現する意義

大井川氏は、電子政府・電子自治体の意義と達成すべき目標として、行政サービスの改善と向上、高い生産性の確保と効率化、コストの削減の3点を挙げている。しかし現状では、住民サービスの向上や地域の活性化はまだまだ進んでおらず、ITの有効活用したことによる行政のパフォーマンスを正しく評価することが不足し、十分な低コスト化や投資対効果が得られていないのではないかと指摘し、このような状況の背景には、レガシーマイグレーションがなかなか進展しないIT調達の硬直化、調達、利用の両面における行政側のITリテラシーの未成熟、セキュリティー問題といった課題があるとしている。

同社では、これらの課題を解決するための方向性と、同社としての具体的な取り組みや提案を以下のように示した。

より開かれた調達の実現
“COTS”(Commercial off-the-shelf。“棚から取ってすぐ使える”の意)の推進
サービス志向アーキテクチャー(SOA)の推進
相互接続性を確保した“オープンスタンダード”の提供
ITリテラシー向上支援
システム調達担当者向けの実効的な仕様書作成に必要な知識習得の支援
職員全般に対する、業務における生産性向上に向けた支援
安全な情報基盤の整備
ソフトウェア開発企業としての責任ある対応(製品やテクノロジーの開発における積極的な投資、内閣官房や総務省、経済産業省、警察庁といった関係省庁とのパートナーシップの強化、教育や啓発活動の展開)

オープンスタンダードへの対応の必要性と意義。オープン化によりIT調達の硬直化を解消することのメリットを説明している
大井川氏によると、日本の政府・自治体は、欧米に比べてメインフレームの比率が高く、複雑にカスタマイズされたクローズなシステムが多く、導入ソフトウェアや業者の変更が困難で、開かれた調達の妨げになっている。“COTS”の推進は、このようなクローズなシステムから、オープンで柔軟なシステムへの移行を意図したものだという。また、オープンスタンダードへの対応についても補足し、「オープンスタンダードとはオープンソースとはイコールではない」として、開かれたシステムが利用できるのであれば、ソースがオープンかどうかは大きな問題ではないと述べた。

同社は安全な情報基盤の整備においては政府・自治体との連携を強調しているが、大井川氏はその一環として、マイクロソフトのグローバルな取り組みである政府向けのセキュリティープログラム“Government Security Program”を紹介した。これは、マイクロソフトと各国政府との関係構築のためのフレームワークのひとつで、各国政府におけるWindowsプラットフォームに対する信頼の向上のため、ソースコードや技術情報を開示、提供するというもの。現在、オーストラリア、中国、台湾、イギリス、イタリア、スペイン、ロシア、エジプト、チリ、北大西洋条約機構など40の国や地域、団体が参加しており、日本政府にも参加を呼びかけており、意見交換が進んでいるという。



自治体との協力体制の例として紹介された鳴門市とのプロジェクト。IT管理コストの大幅に削減すると同時に、サービスの向上やIT化の推進を図るものだというITに関する国際的な社会貢献もマイクロソフト全社の取り組みのひとつ。スライドは、アジア各国政府・自治体関係者や国際機関、学術関係者などが参加して、各国におけるIT政策や電子政府に関する取り組み、セキュリティー問題、教育などに関する議論が交わされた“GLF-Asia”(Government Leaders Forum Asia)が紹介された

またこのほかにも、政府・自治体を対象としたパートナーエコシステムの確立や、地域産業振興に向けた官民連携、標準化団体・協議会活動への参加、社会的課題解決に向けた協力、人的交流機会の提供と拡大といった取り組みを通じて、政府や自治体との関係の強化に努めるとし、ソフトウェア企業としての責任ある立場でのパートナーシップ作りと、オープンで柔軟なシステムを提供することによる貢献を果たしていきたいと述べている。

大井川氏は自身の省庁勤務時の経験から、IT活用の進んだマイクロソフトと、IT活用が未発達な省庁との“仕事の密度”の違いを取り上げ、一般の職員のITリテラシーの向上により、省庁業務の大幅な効率化は可能だとの見解を示した。また、政府や自治体、省庁などでは、効率化やシステムの見直しなどによるコストの削減が、評価に直結せずに来期予算の単純なカットにつながってしまう点にも、レガシーマイグレーションの進展やIT積極活用の遅れにつながっているとして、予算や人事制度の抜本的な改革の必要性も指摘している。

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