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新世代オンボードデバイスの実力

新世代オンボードデバイスの実力

2005年02月24日 00時00分更新

文● 鈴木 雅暢

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PCI Express x1対PCI
ギガビットLAN性能比較

 ここでは、PCI Express x1接続のギガビットLANコントローラが、PCI接続のコントローラとどのくらい性能差があるのかを検証してみたい。ご存じのとおり、ギガビットLANの帯域は1000Mbps(=125MB/秒)。PCIバスの帯域でもこれだけを使う場合にはなんとか間に合う。上りと下り同時の全二重通信なら250MB/秒の帯域が必要となるが、個人用途ではあまりそういう場面はないだろう。

MarvellのPCI Express x1対応ギガビットLANコントローラ「88E8053」
写真1 P5GD2 Premiumがオンボード搭載するMarvellのPCI Express x1対応ギガビットLANコントローラ「88E8053」。PCI接続の「88E8001」も搭載する。

 そこで、今回はちょっと特殊な条件を設定してみた。テストに利用したのはPCI Express x1とPCI接続両方のギガビットLANコントローラをオンボード搭載する「P5GD2 Premium」。PCI接続のRAIDコントローラを使ってRAID 0アレイを構築。ギガビットLAN接続したネットワーク上の共有フォルダからそのRAID 0へファイルを転送し、かかった時間を計測するというもの。PCI接続ギガビットLANコントローラでは、RAIDアレイとPCIバスの帯域をとりあってしまい、性能低下が予想される。

 結果は下のベンチ結果のとおり。PCI Express x1接続のほうが25%も良い結果が出た。「PCI接続の条件が悪すぎる」というなかれ。mPGA478やAthlon 64のプラットフォームでは、RAIDもギガビットLANコントローラもPCIで接続しているマザーボードは実際に多い。また、PCIバスを使うのはRAIDコントローラだけではない。IEEE 1394、TVチューナカードなどさまざまなデバイスが使用するので、運用レベルではもっと悪い条件になることも考えられる。特殊なケースとはいえ、決して非現実的な悪条件ではないのである。このように「バスへの負荷が増しても性能が低下しない」というのが、PCI Expressによる広帯域の一番のメリットといえる。

●ギガビットLAN ベンチマークテスト結果

ギガビットLAN ベンチマークテスト結果
ギガビットLAN上の共有フォルダから約6.5GBのファイルをコピーするのにかかった時間。PCIバスの不可が低い場合はPCI Express x1のメリットはほとんどないが、RAIDでPCIバスを使うとPCI接続のコントローラでは極端に性能が低下した。

●テスト環境

CPU
Pentium 4 540(3.20GHz)
メモリ
PC4300 DIMM×(512MB)
マザーボード
P5GD2 Premium
グラフィックス
Extreme AX600XT/TD(RADEON X600XT)
HDD
MaXLineIII 250GB、Barracuda SATA V(RAID 0)
OS
Windows XP(SP1)

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