日本HP、Opteron搭載サーバー&ワークステーションを拡充――PCI Express x16の2スロットでSLI対応『HP xw9300 Workstation』も!!
2005年02月17日 18時13分更新
日本ヒューレット・パッカード(株)は17日、東京・赤坂見附のホテルニューオータニで記者発表会を開催し、64bit CPU“AMD Opteronプロセッサ”搭載のサーバー“HP ProLiant(プロライアント)”シリーズおよびワークステーション製品群を拡充すると発表した。今回発表された製品は次のとおり。
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『HP ProLiant BL25p』 | 『HP ProLiant BL35p』 |
- 『HP ProLiant BL25p』
- デュアルプロセッサー対応ブレードサーバー
- Opteron 252-2.6GHzまたは同 250-2.4GHzを最大2基搭載可能/PC3200対応ECC DDR SDRAMを最大16GB搭載可能/デュアルチャネルUltra320 SCSI対応(ホットプラグ対応HDDベイ2基装備)/PCI Express接続の10/100/1000BASE-T準拠Gigabit Ethernet×4搭載
- 46万2000円から/3月中旬出荷予定
- 『HP ProLiant BL35p』
- デュアルプロセッサー対応高密度ブレードサーバー
- Opteron 250-2.4GHzを最大2基搭載可能/PC3200対応ECC DDR SDRAMを最大8GB搭載可能/デュアルチャネルUltraATA/100対応(HDDベイ2基装備)/PCI Express接続のGigabit Ethernet×2搭載
- 34万6500円から/3月上旬出荷予定
- 『HP ProLiant DL385』
- デュアルプロセッサー対応2Uラックマウントサーバー
- Opteron 252-2.6GHzまたは同 250-2.4GHzを最大2基搭載可能/PC3200対応ECC DDR SDRAMを最大16GB搭載可能/デュアルチャネルUltra320 SCSI対応(ホットプラグ対応HDDベイ6基装備)/PCI Express接続のGigabit Ethernet×4搭載
- 43万500円から/3月下旬出荷予定
- 『HP ProLiant DL585』
- 4プロセッサー対応4Uラックマウントサーバー
- Opteron 852-2.6GHz/同 850-2.4GHz/同 848-2.2GHz/同 844-1.8GHzを2基または4基搭載可能/PC3200対応ECC DDR SDRAMを最大32GB搭載可能(Opteron 852モデルの場合)/デュアルチャネルWide Ultra3 SCSI対応(ホットプラグ対応HDDベイ4基装備)/PCI Express接続のGigabit Ethernet×4搭載
- 210万円/3月中旬出荷予定
- 『HP xw9300 Worlstation』
- デュアルプロセッサー対応ワークステーション
- Opteron 250-2.4GHzを最大2基搭載可能/PC3200対応ECC DDR SDRAMを最大16GB搭載可能/デュアルチャネルUltra320 SCSIもしくはシリアルATA II対応(排他利用、HDDベイ5基装備)/オンボードGigabit Ethernet×4搭載
- 44万9400円から/3月上旬出荷予定
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執行役員エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部長の松本芳武氏 |
発表会には、執行役員エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部長の松本芳武氏、エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長の上原 宏氏、パーソナルシステムズ事業統括ワークステーション本部長の井上公夫氏、および日本エイ・エム・ディ(株)(日本AMD)の取締役の吉沢俊介氏らが出席し、サーバー/ワークステーションにおけるOpteron製品拡充の狙いなどを説明した。
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HPのエンタープライズ製品戦略 | Opteron搭載モデルの位置づけ。時期は未定としながら、デュアルコアプロセッサーの投入予定も発表された |
最初に松本氏が、「先週は大変なニュース(米ヒューレット・パッカード社のカーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)会長の辞任)があって、ご興味があるところではないかと思いますが」と切り出し、HP全社(ワールドワイド)の業績推移を報告した。それによると、第1四半期(2004年11月~2005年1月)の業績は過去最高の数字を上げたとして、売上は215億ドル(約2兆2790億円)で、昨年同時期と比べて10%増となる。x86サーバーの分野においても昨年同期比で19%の成長を記録したと述べて、業績の好調ぶりをアピールした。
さらに、1月11日の戦略説明会での発言のうち「64bit IAサーバーへのシフト」を具現化するべく今回Opteron製品の拡充を図ったと、新製品投入の狙いを説明した。
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エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長の上原 宏氏 |
発表されたサーバー製品群のうち、ブレードサーバー“HP ProLiant BLシリーズ”にOpteronが搭載されるのは今回が初めてで、上原氏は「これから飛躍的にマーケットの拡大が見込まれるブレードサーバーにOpteronを採用した意義は大きい」と強い期待感を示した。Opteronを採用する具体的なメリットとして、同氏は
- 既存の32bit環境をそのまま利用できる
- HyperTransportによる高速スループット(リンクあたり最高毎秒8GB、1CPUあたり最大毎秒24GBの広バンド幅)
- CPUの低消費電力&低発熱
- 4CPU以上のシステムで32bitと64bit環境の同時利用が可能
などを挙げた。
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顧客ニーズとHPの取り組み | Opteron搭載モデルを拡充する意義とブレードサーバーの推移(予測) | Opteron搭載サーバーを選択する顧客側のメリット |
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ブレードサーバー、HP ProLiant BL35pの製品概要 | ラックマウントサーバー、HP ProLiant DL385の製品概要 |
サーバー製品群と同時に発表された、ミドルタワー筐体のOpteron搭載ワークステーション『HP xw9300 Workstation』については、井上氏が「今ある製品の中で最高のCPUを標準モデルとして提供する。使われる顧客、販売されるパートナーともに“わくわく”してもらえる尖った製品になる」と自信を見せつつ紹介した。
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パーソナルシステムズ事業統括ワークステーション本部長の井上公夫氏 | Opteron搭載ワークステーション『HP xw9300 Workstation』の内部 |
xw9300 Workstationは、Windows XP Professional搭載のグラフィックス用途向けワークステーションのハイエンドモデルで、メインターゲットは最新仕様のマシンをいち早く求めるユーザーで、具体的には
- 資源探査(大規模地層データの可視化など)
- CAE(大規模解析、解析結果の可視化)
- 科学技術計算(各種研究結果のビジュアライズ)
- ソフトウェア開発(コンパイル)
- 3Dアニメーション(高速レンダリング)
などを挙げた。このほかにも新たな市場の獲得を目指したい、と説明する。
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HP xw9300 Workstationの位置づけ | HP xw9300 Workstationのターゲットユーザー |
チップセットに米エヌビディア(NVIDIA)社のnForce Professional+AMD 8131を採用し、Opteron搭載のワークステーションとしては珍しくグラフィックスカード接続用の拡張スロットにPCI Express x16を2基搭載する。同社ではこれを「業界初(2005年2月16日、同社調べ)のデュアルグラフィックス環境を実現」として、5月上旬にはNVIDIAのグラフィックスカードを2枚並列動作して1つの画面表示を行なう“SLI(Scalable Link Interface)”対応オプションも提供すると発表した。
グラフィックスアクセラレーターカードはオプションで、以下の4製品が提供される。いずれも表示解像度はアナログRGB出力時が2048×1536ドット/フルカラー、DVI出力時は1600×1200ドット/フルカラー(2画面同時表示対応)。
- “プロフェッショナル2Dグラフィックス”
- NVIDIA Quadro NVS 280(DDR SDRAM64MB)
- PCI Express x16接続/アナログRGB×2(オプションでDVI出力対応)
- “プロフェッショナル3Dエントリグラフィックス”
- NVIDIA Quadro FX 540(DDR SDRAM128MB)
- PCI Express x16接続/アナログRGB×1+DVI×1+HDTV出力(独自コネクタ、変換ケーブルが別途必要)
- “プロフェッショナル3Dミッドレンジグラフィックス”
- NVIDIA Quadro FX 1400(DDR SDRAM128MB)
- PCI Express x16接続/DVI×2
- “プロフェッショナル3Dハイエンドグラフィックス”
- NVIDIA Quadro FX 3400(DDR II SDRAM256MB)
- PCI Express x16接続/DVI×2
HDD用インターフェースはオンボードにUltra320 SCSIとシリアルATA IIを搭載し、いずれか一方(排他使用)に、5台(シリアルATA IIでは4台)までのHDDを接続(内蔵)して最大1.5GBを搭載可能。
メモリーはPC3200対応ECC DDR SDRAM(8スロット)を最大16GBまで搭載可能。拡張スロットはPCI Express x16×2のほか、PCI Express x1(133MHz)×1、同(100MHz)×2、PCI×1。インターフェースはUSB 2.0×6/シリアル/パラレル/IEEE 1394×2/PS/2×2/オーディオ入出力など。本体サイズと重量は、幅210×奥行き525×高さ449mm/約19kg。消費電力は最大700W。
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日本AMDの取締役の吉沢俊介氏 |
なお、Opteron製品の発表に駆けつけた日本AMDの吉沢氏は、「昨年8月にデュアルコアの発表を行なったときも、(現在米国ボストンで開催されている)“Linux World”で展示しているデモも、HPの製品を利用させていただいた。今日の時点ではデュアルコア搭載製品がいつ出せるとはいえませんが、着実にチューニングを進めている。今後もHPと協力しながら顧客の望む製品を開発し、競合他社と競争しながらイノベーションしていきたい」とコメントを寄せた。
