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電波監理審議会、ソフトバンクBBの携帯電話事業に800MHzを免許しない方針

2005年02月10日 22時51分更新

文● 永島和夫

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総務省は9日、電波監理審議会がソフトバンクBB(株)が携帯電話事業のために免許申請していた800MHz帯について免許しないことが適当という答申をしたと発表した。ソフトバンクBBが2004年の12月6日に総務省に800MHz帯で携帯電話事業を行なうための免許申請を行なっており、申請を受け取った総務省が電波監理審議会に諮問していた。審議会からの答申を受け取った総務省は、関東総合通信局が“所定の手続きを行なう”としており、免許申請が却下される見込み。

周波数の空きがないことが却下の理由

総務書によれば、今回の申請は、技術基準に達していること、周波数の割り当てが可能なこと、“総務省令で定める無線局の開設の根本的基準に合致すること”に合致しているかを審査した。“総務省令で定める無線局の開設の根本的基準に合致すること”とは、適切な計画があることや、すでにある無線局の運用などに支障を与えないことなどを指す。

審議会が免許しないことが適当と答申した理由については、周波数の空きがないことで「周波数の割り当てが可能なこと」について合致せず、そのため必要な周波数を全国規模(申請の地域)で使用できる見込みがなく「電気通信事業の実施について適切な計画を有している」という基準に達していないとしている。

ソフトバンクBBが申請した周波数は、現在、エヌ・ティ・ティ・ドコモグループとKDDI(株)および沖縄セルラー電話(株)の“au”が使っているため、周波数の空きはない。しかし、海外諸国との干渉や相互利用のために総務省は「800MHz帯におけるIMT-2000周波数の割当方針」を打ち出し、2004年から検討会を開催し、再編を検討していた。ソフトバンクBBはこの再編に絡んで周波数を獲得すべく免許申請を行なっていた。

800MHz帯の再編方針でまずソフトバンクBBを締め出し

総務省では、一般からの意見募集(2004年8月6日~9月6日)や学識経験者などからなる検討会をたびたび開催していた。一般からの意見募集では、ソフトバンクBBは同社のADSLユーザーなどに総務省への意見提出を呼びかけ、その効果もあって、再編方針について一般からの意見は3万2851件にものぼった。また、 そのうちの大半を占める3万2151件が“総務省案に反対、ソフトバンクBB等の参入を認めるべきとする意見”となった

しかし総務省は、電気通信事業者であるソフトバンクBBが自社のユーザーに意見を呼びかける内容を電子メールで送ったことに対して「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」に違反すると行政指導を行なった。さらに“携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会”では、ソフトバンクBB以外の携帯電話への新規参入事業者からも、800MHz帯をNTTドコモやau以外に割り当てることは非現実的との指摘もあがり、8日に発表された検討会の“意見の要旨”という報告書では、対立する意見については両論が併記された。今回の審議会の結論は、この報告書が公表された翌日に公表されたのだが、NTTドコモやauに割り当てるという原案(総務省が2004年8月6日に発表した“800MHz帯におけるIMT-2000周波数の割当方針案”)どおりの形となった。

ソフトバンクBBからコメントはなし

なお、免許申請が却下される方針を受けてソフトバンクBBは、コメントを発表しておらず、「今のところ発表する予定はない」(広報部)という。



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