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ベンチマークテストで確認――DDR2

ベンチマークテストで確認――DDR2

2005年02月14日 00時00分更新

文● 鈴木 雅暢

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レイテンシに関する誤解
4-4-4でも遅くはない

 「DDR2はDDRに比べてレイテンシが増大しているから遅い」という指摘をたまに見かけるが、それは多くの場合正しくない。スペックを見てみると、DDR400がCL=3(3-3-3)、対してDDR2-533はCL=4(4-4-4)となっている。この数字だけ見れば「遅い」と感じるかもしれないが、レイテンシの数字はクロックを示しているもので、実時間ではない。単純に数字が大きくなっているからといって「レイテンシが遅い」というのは間違いで、 200MHz動作のDDR400の1クロックとDDR2-533の1クロックでは時間が違う。

バッファローのDDR2-533搭載モジュール「D2/533-256MB」 チップはMicron製でレイテンシは4-4-4-12
写真1 バッファローのDDR2-533搭載モジュール「D2/533-256MB」。チップはMicron製でレイテンシは4-4-4-12。DDR2-533は帯域が4266MB/秒のためモジュールとしては「PC4300」とするメーカーが多いが、同社は「PC4200」としている。安心の6年保証。Intelのバリデーションも取得している。

 DDR400の1クロックあたりのサイクルタイムは1秒÷200000000Hz=5ns。DDR2-533は、1秒÷266666666Hz≒3.75ns。つまり、DDR400の3-3-3-8は15-15-15(ns)、DDR2-533の4-4-4も15-15-15(ns)と同じで、CPUがメモリアクセスを行なったとき、最初のデータが出力されてくるまでの時間はDDRとDDR2とでは変わらない。

アイ・オー・データ機器のDDR2-533搭載(PC4300)モジュール「DX533-256M」 SAMSUNGチップを搭載しており、レイテンシは4-4-4-11と低レイテンシ
写真2 アイ・オー・データ機器のDDR2-533搭載(PC4300)モジュール「DX533-256M」。SAMSUNGチップを搭載しており、レイテンシは4-4-4-11と低レイテンシ。同一の本体で利用する限り、無期限で保証される。こちらも厳しい信頼性、互換性テストをクリアし、Intelのバリデーションを取得している。

 もっとも、tRAS(ACTコマンドを出したあとデータを書き戻すプリチャージコマンドを送るまでの待ち時間)を含めると3-3-3-8、4-4-4-12となる。DDR400の8は40ns、DDR2-533の12は45nsと、tRASに関してだけはDDR400の1クロックぶん遅いので、同一バンクに対するアクセスが続く場合にはDDR2のほうが若干遅くなる。また、DDRはライトレイテンシが1固定、DDR2は「CASレイテンシ-1(CL=4なら3)」と6ns以上遅くなっている。リードに比べ重要度は格段に低いが、DDR2のほうが遅いのは事実だ。

 ただ、DDR2には、コマンドバス/データバスを効率化するPosted CASというフィーチャーが導入されている。これは異なるバンクや異なる行アドレスへのアクセスが連続した場合に、行アドレスを指定するACTコマンドと列アドレスを指定するリード/ライトコマンドの競合を防ぐもの。tRASやライトレイテンシの遅さを十分にカバーできるフィーチャーといえる。

●表1 DDR400とDDR2-533の仕様比較
DDR2-533DDR400
DRAMコアクロック133MHz200MHz
外部バスクロック266MHz200MHz
データ転送スピード533MHz400MHz
プリフェッチ4bit2bit
コア電圧1.8V2.5V
I/O電圧1.8V2.5V
その他ODT、OCD、Posted CAS――

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