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NEC、ミドルウェア製品群“VALUMOウェア”のグリッドコンピューティング技術への対応を強化――2005年度には自社基幹業務システムをグリッド化予定

2005年02月02日 22時26分更新

文● 編集部 内田泰仁

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日本電気(株)(NEC)は2日、プラットフォームテクノロジー“VALUMO(バルモ)”のミドルウェア製品群“VALUMOウェア”において、基幹系などの業務システムにグリッドコンピューティング技術を適用する“ビジネスグリッドコンピューティング”への対応を強化を進めるとともに、同社の営業情報システム“BEAT(ビート)”について、2005年度を目標にグリッドコンピューティングへの対応を実施する予定だと発表した。

“VALUMOウェア”の概要と位置付け

“VALUMOウェア”は、“ビジネスを止めない”“コストを下げる”“ビジネスを広げる”という“3つの顧客価値”を実現するとしたプラットフォームテクノロジー“VALUMO”の中核を担うミドルウェア製品群を体系化したもの。製品は、業務構築運用基盤“DiosaGlobe”、サービス構築基盤“ActiveGlobe”、システム構築基盤“SystemGlobe”、統合システム運用管理“WebSAM”の4系統に大きく分類される。

執行役員常務の伊久美功一氏グリッドコンピューティングへのNECの取り組みとビジネスグリッドコンピューティング市場の成長予測

この日行なわれた記者説明会で発表内容の概要を解説した同社執行役員常務の伊久美功一氏は、国内のグリッドコンピューティング関連(ハード/ソフト/サービス)市場規模は、現在自動車/バイオ・製薬/金融などを中心に市場が立ち上がってきており、2004年には約200億円規模のものが、2006年には約1000億円弱、2008年には約5000億円へと急速に拡大すると予測していると述べている。同社ではこのような市場の動きを踏まえ、経済産業省の“ビジネスグリッドコンピューティングプロジェクト”に2003年7月から参加、2004年に入ると、システムの自律仮想化を行なう製品の強化(3月)、専門組織“グリッド推進センター”(9月)、マツダ(株)との共同実証実験の開始(前述の経済産業省のプロジェクトの一環)、といった取り組みをここまで行なってきたという。

ビジネスグリッドコンピューティング導入の効果IT基盤の将来の方向性

同社では、現在複雑化・断片化してしまっているインフラをビジネスグリッドコンピューティングにより最適化し、分散したITリソースを仮想化して多様な業務への自律的な最適に再配分することで変化に柔軟に対応する実行運用環境を提供していくとし、企業のデータセンター内のグリッド化を進める“センター内グリッド”、さらに広範囲を対象とした“広域グリッド”の2種類のグリッドコンピューティング環境の実現に取り組んでいくという。

“センター内グリッド”実現に向けた取り組み“広域グリッド”実現に向けた取り組みビジネスグリッドコンピューティング構築のためのパッケージ製品
この日発表されたNECの具体的な3点の取り組み

この日は、これらの実現に向けた具体的な取り組みとして大きく3点を発表している。

ビジネスグリッドコンピューティング対応運用管理ソフトの発売
“VALUMOウェア”のラインナップにビジネスグリッドコンピューティング向け自律運用管理ソフト『WebSAM ASManager Ver2.0』を追加し、同日付けで発売。システムの日々の処理性能データを蓄積して自動生成した標準値と現在値を比較し、自律的にシステムの負荷や異変を検知、空いているサーバーリソースに処理を振り分けるなどの対応を自律的に行なう、“センター内グリッド”を実現する製品。出荷開始は5月末。価格は137万円(税別)から。
広域グリッド実現に向けた運用管理ソフトの発売
災害時の業務継続性や、遠隔地にあるシステム間での負荷分散などの実現に向け、企業内で広域に分散しているデータセンター間や複数企業のデータセンター間でのITリソースの融通を可能とする運用管理ソフト『WebSAM GlobalGridOrganizer』を2005年度第3四半期をめどに発売。経済産業省のビジネスグリッドコンピューティングプロジェクトにおける成果を活用して開発される、“広域グリッド”の実現を目指した製品。
ビジネスグリッドコンピューティング環境構築セットパッケージの発売
ビジネスグリッドコンピューティング環境の効率的な構築に向け、システムモデルに応じたハードウェアおよびソフトウェアのセットパッケージ“ビジネスグリッド構築スイート”を順次発売。第1弾として、データセンター内の異なるシステム間でサーバーを共有する『サーバ共有モデル』を同日に発売する。また、災害などでシステムが被災した際、遠隔地の環境でシステムを継続運用する『災害広域対策モデル』を2005年度第4四半期に発売する。『サーバ共有モデル』の出荷開始は7月予定で、パッケージ価格は1490万円(税別)。

“ビジネスグリッド構築スイート”の1つ、『サーバ共有モデル』の構成図同じく『災害広域対策モデル』の構成図
同社の営業情報システム“BEAT”を利用したデモの概要(画面左)と構成図。同社では“BEAT”のグリッド化を2005年度に実施予定

これに加えて、“VALUMOウェア”製品群を用いて同社内の営業情報システム“BEAT”のグリッドコンピューティング対応化を2005年度に実施する予定だという。“BEAT”は、24時間365日稼動と利用者数1万人以上を前提とした同社内でも最大規模の基幹業務システム。現在の運用状況では、基幹系サブシステムが月末に、検索系サブシステムが月初にそれぞれ負荷が集中する傾向にあり、グリッド化によるITリソースの効率的な割り当てと自律運用機能の導入によりサーバー台数の削減と管理要員の削減を図り、最終的にはシステム運用コストの20%削減を目指していくという。なおこの日の説明会では、同社のデータセンター内に設けられたテスト環境において、負荷増大に自律対応してリソースの再割り当てを行なうテストの模様が公開された。

グリッド推進センター長の石倉直人氏標準化に向けた取り組み

製品の説明を行なったグリッド推進センター長の石倉直人氏は、ビジネスグリッドコンピューティング技術の適用により「サーバー台数が数10台規模以上のシステムにおいて、運用コストの削減や台数の削減などといった投資効果が期待できる」と述べ、ターゲットとする市場として、サーバー規模数10台~100台程度の大規模企業システム、数100台規模の企業内データセンター、1000台以上のサービスプロバイダーなどを挙げている。また同社では、グリッドコンピューティングの実現と普及に向け、標準化活動にも積極的に貢献していきたいとしている。

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