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モリサワ、携帯端末に適した軽量アウトラインフォント『KeiType』を発表――富士通製携帯電話『FOMA F901iC』に採用

2005年02月02日 19時55分更新

文● 編集部 小西利明

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『KeiType』でテキスト表示を行なう『FOMA F901iC』
『KeiType』でテキスト表示を行なう『FOMA F901iC』
KeiTypeの利点について語る(株)モリサワの代表取締役会長兼社長の森澤嘉昭氏
KeiTypeの利点について語る(株)モリサワの代表取締役会長兼社長の森澤嘉昭氏

(株)モリサワは2日、携帯電話など小型のディスプレーを使用する組み込み機器向けのアウトラインフォント『KeiType(ケイタイプ)』を開発したと発表した。同フォントは(株)富士通研究所と共同開発したフォント高速展開ソフト技術と組み合わせて、昨年12月24日に発売された(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの携帯電話『FOMA F901iC』(製造は(株)富士通)に採用されている。

アウトラインフォントはパソコンでの文字表示から商業印刷まで幅広く用いられているが、1書体当たりのデータ量が大きく(Windows XPのMSゴシックの場合、7.88MB)、そのままでは搭載メモリー量の限られる携帯電話などの組み込み機器に使用するのは難しい。そこでモリサワではフォントのデータ量を削減するため、携帯端末の表示解像度に最適化し、文字の輪郭(アウトライン)を形作るデータ記述を見直すことで、データ量を縮小したKeiTypeを開発した。F901iCに搭載されているKeiTypeのフォントの場合、“新ゴR”と呼ばれるゴシック調のフォントで、データ量は1書体で約800KB程度という。フォントのラスタライザー(アウトラインフォントをビットマップの画像データに変換するソフトウェア)は、64~100KB程度とのこと。フォント自体とラスタライザーは同社が行ない、F901iCへの実装を富士通研究所側が担当した。富士通研究所では、100文字を約0.3秒で表示可能としている。

フォントデータの削減は、従来のアウトラインフォントが単一の関数(ベジェ曲線など)で輪郭を記述していた点を見直し、輪郭を構成する線分ごとに、楕円弧や直線などを使い分けて最適化することで実現している。また紙の印刷物などと比べて解像度の低い液晶パネルでも美しい表示をアウトラインフォントで実現するために、フォントの周囲にアンチエイリアシングを施すことで、文字の見やすさ(可読性)を損なわずにデータ量を削減しているという。実際にデモンストレーションで携帯電話やPDA画面に表示されている文字を見たが、非常に輪郭が滑らかで、ピクセルの目立つ既存の携帯電話用フォントとはまったく違う印象を受ける。フォントサイズの拡大縮小も容易なので、たとえば高齢者や弱視者向けに美しい表示のまま文字表示を拡大することも可能になる。またKeiTypeは字形により文字幅の異なるプロポーショナルフォントでもあるため、パソコンや印刷物のような見やすく美しい文字組みも可能である。



実際にF901iCでKeiTypeによる文字表示を行なっている様子。アプリケーション側が対応していないのか、文字組みは固定ピッチのままだが、文字表示は実に美しく読みやすい
(株)シャープのPDA、ザウルスでKeiTypeを使って電子ブックを表示するデモ。縦横どちらの表示にも対応している。文字の輪郭の滑らかさがお分かりになるだろうか

同社では現在15種類のフォントをKeiType向けに作成している。リリースでフォント名が挙げられているのは、“新ゴM”や“新丸ゴL”、“リュウミン R-KL”や“太ミンA101”など12種類。同社では従来のアウトラインフォントからフォーマット変換でKeiType用フォントを作成できるため、同社の多くのフォントをKeiType向けに提供可能としている。また現在は1書体で800KB程度のデータ量があるが、将来的にはこれを半分の400KB程度に縮小することで、同容量で2書体の搭載を可能にしたいという。

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