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【「なつゲー」レビュー Vol.4】スターソルジャー

【「なつゲー」レビュー Vol.4】スターソルジャー

2005年02月10日 10時45分更新

文● 文・内田 幸二/イラスト・戸塚 伎一

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【「なつゲー」レビュー Vol.4】スターソルジャー

ハドソン/NTTコミュニケーションズ

スターソルジャー

 1980年代のファミコン初期、ゲームの花形といえば間違いなく“シューティングゲーム”だった。その中でも、最初のビッグ・インパクトといえばナムコの『ゼビウス』だろう。当時小学生だった私も、数ヵ月の間小遣いを貯めて貯めて、弟とお金を折半して買ったのを覚えている。我が家に来た3本目のファミコンソフトだった。『ゼビウス』に始まった“シューティングゲーム・ブーム”は、当時のボクのような若年層をも巻き込んでの大フィーバーとなった。『ゼビウス』のヒットは、大人的視点でみれば“世界が作り込まれている”とか、“哲学的なゲーム”とか、“戦略性のある”とか、当時から言われてはいたが、子供にとっては“でっかいキャラクターが登場する、カッコいいシューティング”そのものだったのだ。そして、『ゼビウス』は、一段高いレベルのゲームをアーケードからファミコンに持ち込んだ名移植ゲームの先駆けでもあった。

シーン1
(C)1986,2004 HUDSON SOFT

 その後は『スターフォース』(ハドソン)、『ツインビー』『グラディウス』(いずれもコナミ)と、立て続けにシューティングゲームが登場。これらはすべてアーケード版の移植だ。しかも、どれも大ヒットを記録したタイトルだった。ヒットして当然というところ。また、『グラディウス』くらいになるとファミコンとアーケードゲームのスペックの違いからくる内容(特にグラフィックス)の差が、目立ってきた。移植のレベルが、カニ味からカニ風味くらいに落差が露呈しまってきたのだ。そして、ゲーマーの間にも風味感の印象が強まってくるにつけ、今度は移植によるレベルダウンを感じさせない、ファミコンならでは“味”が必要になってきた。そんな、シューティングゲームとして最初に個性的な“ファミコン味”を確立したのが『スターソルジャー』なのである。



シーン2
ボーナスポイントをしっかり取って、ハイスコアを目指せ!!

 1986年に登場した『スターソルジャー』は、ハドソンが移植した『スターフォース』の流れを組むファミコンオリジナルの作品である。当時のファミコンを振り返るとき、キーワードには“裏技”“デカキャラ”“名人”などが挙げられる。デカキャラや裏技は、『ゼビウス』が持ち込んだもの。4面の“アンドアジェネシス”を最初に見たときはタマゲタし、隠れキャラのソルの話を最初に聞いたときは“ハッ”と虚を突かれたのを今も覚えている。それを聞いたのは、小学校の下駄箱前だった。自分の小学生時代で一番驚いた瞬間かもしれない。そして、その裏技とデカキャラはファミコンのトレンドとなっていく。

超連射で撃破すべし
(当時)少年たちのにっくき“顔”、ラザロ。合体前に中に入り込んで超連射で撃破すべし

 だが、『ツインビー』にしろ『グラディウス』しろ、アーケードに並ぶような、デカキャラは登場せず不完全なものだった。その点、『スターソルジャー』は違った。巨大ボスである“スターブレイン”は、め~ちゃ~く~ちゃ~デカかったのだ。そのサイズは、画面を埋め尽くすほどの大きさで、自分の逃げ場はほとんどないと思えた。また、『スターソルジャー』には、ハイスコアを狙いたくなるような“仕込み”を随所に施してあり、クリアだけでなく得点をも競って遊べるように作られていた。その高度なテクニックを要する名作シューティングゲームは、華麗なプレイを披露する伝説のゲームプレイヤー“高橋名人”を、必然的に生み出すことになる。いまやゲームが上手いといっても「ふ~ん、そう」程度の反応だが、当時はアイドル級のモテぶりだった。その勢いは、CDデビュー、アニメ化、映画主演とその後の活躍ぶりだけでも、想像に難くないだろう。




シーン3

 『スターソルジャー』の大ヒットを大人的視点で分析すれば、“技術面”(デカキャラ)、“サービス精神”(ハイスコア重視で繰り返し遊べるゲーム性)、“話題づくり”(名人の登場)と、当時最高のファミコン味をごちゃまんと提供した“お子さまランチ的なゲーム”の集大成だったからとも言える。その味わいは、今遊ぶと洋食屋の定食のように懐かしささえ感じるかもしれない。だが、風味自体は決して落ちていない。当時の名人ブームを知る方は、ゲームスタート時のサウンドをぜひ聴いてほしい。高橋名人というヒーローに憧れたあの日の“タイムカプセル”が脳内で開かれるハズ。ファミコン世代にとって『スターソルジャー』は、そんなゲームだ。ビバ16連射!

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