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日本AMD、2005年の事業戦略説明会を開催――64bit環境の本格化などにより「2005年はビッグ・イヤー」に

2005年01月27日 23時34分更新

文● 編集部 内田泰仁

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日本エイ・エム・ディ(株)は27日、都内で記者説明会を開催し、2005年の製品や事業展開戦略についての説明を行なった。この中で同社は、64bitプラットフォームの拡大やモバイル市場での製品ラインナップ強化などを進めるとともに、具体的な搭載製品例や事例などを示した展開を推し進めていくとした。

代表取締役社長の堺和夫氏

最初に登壇した代表取締役社長の堺和夫氏は、まず2004年の同社の取り組みを振り返り、“Customer-Centric Innovation”(顧客第一の技術革新)を進め「(同社製品と競合他社の製品を比較して)どちらがよいかをお客様に選んでいただく」ことにより、パートナー、OEMメーカーの協力を得て、HPC分野を皮切りに、“AMD Opteronプロセッサ”が好調にシェアを伸ばしていると述べた。

同氏は“AMD Opteronプロセッサ”を中心としたプロセッサーの投入のほか、2004年中の特に注目すべき製品/技術のハイライトとして、以下のトピックスを挙げた。

  • マルチコアプロセッサー実現に向けたマイルストーンを公開、同時にサーバー/ワークステーション用デュアルコア製品を2005年半ば、クライアントパソコン用を2005年後半に投入予定と発表。デュアルコアの“AMD Opteronプロセッサ”のデモンストレーションも実施
  • 日本市場で特にニーズの高いモバイル・コンピューティング分野の研究開発体制の強化を狙い、“AMD JEL(ジャパン・エンジニアリング・ラボ)”を開設
  • 2015年までに世界人口の50%にインターネット接続とコンピューター利用を提供することを目指すスローガン“50×15”(フィフティー・バイ・フィフテーン)を発表。低価格なインターネット接続専用端末をインド、メキシコ、カリブ海諸国に提供開始
  • 製造体制の強化(シンガポールのチャータード・セミコンダクター・マニュファクチュアリング社と協業、ドイツ・ドレスデンの量産工場“AMD Fab 36”の製造設備構築)
  • 同社内に実証実験用クラスタリング・システム“AMD アジア・クラスタ・ラボ”を開設し、“AMD Opteronプロセッサ”ベースの大規模サーバー・クラスターのテスト環境を顧客やパートナーに提供

2005年については、「2005年は(AMDにとって)ビッグ・イヤー」と位置付けているといい、AMD64アーキテクチャーやマルチコアプロセッサーの投入によるテクノロジー面でのリーダーシップの発揮、エンタープライズビジネスの強化、パートナー協業の更なる推進、競合他社との競争を通じた市場の活性化をテーマとするとした。特にエンタープライズビジネスの面においては、パートナーやOEMへの働きかけが中心だった従来の取り組みに加えて、「エンタープライズ(の顧客)に私自身が出向いて“AMD Opteronプロセッサ”の訴求を」と述べ、実際に同社製品が搭載されている製品を利用する顧客に対してもアプローチしていくとした。また、堺氏に続いて登壇した取締役の吉沢俊介氏もこの点に触れ、「(同社製品が)どのように使われているのか、(同社製品を使うことによって)どのようなメリットが出ているのかをもっとPRしていく」と述べている。

取締役の吉沢俊介氏

吉沢氏は、前述のコメントのほか、米Advanced Micro Devices(AMD)社の第4四半期および通期決算の概要について報告した。主なポイントは以下のとおり。

  • 2004年第4四半期の売り上げは12億600万ドル(約1256億円)、純損失は3000万ドル(約30億1000万円、債務返済による特損4900万ドル(約50億円)を含む)
  • 2004年通年の売り上げは50億ドル(約5020億円)、純利益は9100万ドル(約100億円)。売り上げは2003年比約42%増で、黒字に転換
  • 売り上げのうち、プロセッサーなどを扱うコンピュテーション製品グループが約25億ドル(約2600億円)、メモリーグループが約23億ドル(約2400億円)を占める。前者は前年比29%増
  • 第4四半期の研究開発費は2億5300万ドル(約260億6000万円、第3四半期から9%増)、設備投資は4億7000万ドル(約484億円、第3四半期から15%増)
  • 第4四半期のAMD64アーキテクチャー搭載プロセッサーの出荷数(ユニットベース)は、第3四半期に比べ70%増加。これに伴い、第4四半期の売り上げのうち約50%をコンピュテーション製品グループが占める

ドイツ・ドレスデンにあるAMDの最新鋭量産工場。新しい“AMD Fab 36”ではプロセスルール65nm以下の次世代テクノロジーにプロセッサーの製造も視野に入れるという
2005年については、前述の“AMD Fab 36”のスタートアップに向けて2億ドル(約206億円)を充てるなど、2004年以上に研究開発費は上昇する予定だという。また、設備投資については約15億ドル(約1550億円)を予定しているといい、“AMD Fab 36”の製造設備建造のほか、フラッシュメモリーやプロセッサー製造のバックエンドの強化を計画しているという。



お詫びと訂正:掲載当初、上記ドレスデン工場の写真として誤った画像が表示されておりました。ここにお詫びし、訂正いたします。(2004年1月28日)
CPGフィールド・マーケティング部部長の秋山一雄氏2005年のプロセッサー・ロードマップ

同社のデュアルコア・プロセッサーの構造
次に登壇したCPGフィールド・マーケティング部部長の秋山一雄氏は、2005年のプロセッサー製品戦略についてを説明した。2005年の大きなトピックとしては、マルチコア製品の投入と全ラインナップの90nmプロセスルールへの移行を挙げた。秋山氏はプレゼンテーションの、「日本のマーケットでは半数を占めることになると予測」しているというモバイルパソコン向け64bitプロセッサー“AMD Turion 64モバイル・テクノロジ”、デュアルコアの“AMD Opteronプロセッサ”を大きく取り上げ、日本市場におけるキー製品と位置付けている。また、64bit版のWindows XPのリリースが近づき、RC1(Release Candidate 1、販売候補の第1バージョン)の配布が行なわれていることにも触れ、2005年は64bitプラットフォームが真に本格化する年であるとした。



“AMD Turion 64モバイル・テクノロジ”の概要同社のモバイル向けプロセッサーのラインナップと特徴の違い

組み込み用途プロセッサーの最新ラインナップ
また、同社プロセッサー製品のもうひとつの柱と位置付けている組み込み用途プロセッサーについては吉沢氏が概要を説明。2004年は搭載製品の“デザイン”を示す時期で具体的な製品を紹介できなかったが、「2004年後半から今年にかけては実際の事例、製品が見せられる」ように状況が整ってきたと述べ、すでに市場に登場している製品も紹介された。現在このカテゴリーの製品としては、x86系の“AMD Geode(ジオード)”シリーズ、MIPS系の“AMD Alchemy(アルケミー)”シリーズがラインナップされており、両シリーズの最新製品『AMD Geode NXプロセッサ』と『AMD Alchemy Au1200プロセッサ』では、前者はファンレスパソコンやローコスト・サーバーなど、後者はポータブル・メディア・プレーヤーや携帯デジタルTVなどの携帯デバイスをターゲットとしているという。



同社の組み込み用途プロセッサーを採用した製品の例。吉沢氏は「実際に目にしている製品が実はAMDのプロセッサーを搭載、ということも」と述べている

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