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総務省、第7回“携帯電話周波数の利用拡大に関する検討会”を開催――「議論の進め方がフェアじゃない!」孫 正義氏

2005年01月25日 23時37分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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総務省は25日、第7回“携帯電話周波数の利用拡大に関する検討会”を開催した。携帯電話事業における競争の促進と周波数の有効活用の観点から、携帯電話用周波数の利用のあり方について検討を行なうことを目的としたもの。

携帯電話周波数の利用拡大に関する検討会より
携帯電話周波数の利用拡大に関する検討会より

検討会は昨年10月21日に第1回が開催され、事務局(総務省)、中央大学理工学部教授の土居範久氏ら学識経験者などを中心とする10名の検討会構成員によって検討が行なわれる。過去には、既存の携帯電話通信事業者や新規参入を目指す事業者から代表取者が意見陳述人として参加したこともあった。これまでに“周波数割当ての対象とする事業者および周波数について”“事業者に割当てる周波数の幅および周波数割当ての方法について”“周波数割当てを受ける事業者の要件および選定基準について”などに関して、意見陳述や検討が行なわれた。

検討会は、第8回(2月3日開催予定)で終了する予定。第7回では事務局によって、第8回で事務局が提出する検討会の報告書の骨子が発表された。それによると、ソフトバンクBB(株)が昨年10月総務省に対して無線局免許申請をした800MHz帯の周波数については「2012年7月までに800MHz帯再編を確実に実施すること」とし、今回は割当ての対象とならない見通しが示された。

WRC-2000(世界無線通信会議。周波数の国際的な分配などに関する検討が行なわれる)において携帯電話用周波数に追加分配された1.7GHz帯(FDD方式)の周波数については、周波数移行が順調に進むことを前提に、電波干渉を軽減するためのガードバンドの必要量などを検討した結果、2006年4月以降、

全国での使用
最大15MHz×2(上り/下り)=30MHz
東名阪での使用
最大20MHz×2(上り/下り)=40MHz

――の周波数幅の確保が可能になる見込みという。1.7GHz帯での新規参入を希望している企業は、ソフトバンクBB(ただし800MHzを基本バンドとし、1.7GHzは補助バンドという考え)とイー・アクセス(株)の2社。検討会構成員の(株)野村総合研究所の村上輝康氏、(株)日本経済新聞社の関口和一氏は、これを2社に平等に分配するだけではなく、1社は全国での使用が10MHz(上り/下り)+東名阪での使用が10MHz(同)、もう1社は全国での使用が5MHz(同)+東名阪での使用が10MHz(同)のように、投資意欲などを考慮して差をつけて割当てる方法もあるとした。

なお、事務局が今回会合のために作成した資料は、近日中にウェブサイトに掲載される予定。

徹底的に既存事業者と競争する――ソフトバンク孫氏

検討会終了後、いち傍聴人として参加したソフトバンク・グループ代表の孫 正義氏が、総務省の廊下で、報道陣のインタビューに応じた(検討会の進行中、すべての傍聴人の発言は禁止されているため)。

ソフトバンク・グループ代表の孫 正義氏
ソフトバンク・グループ代表の孫 正義氏

孫氏は、新規参入事業者がコメントを出せる機会が設けられないという議論の進め方に対して「憤りを感じる」とインタビューの中で繰り返し主張した。前述の構成員による1.7GHz帯の割当て案についても、「事務局は、事務局の腹にある案に有利な資料を用意して、総務省が100%選んだ構成員に事務局が用意した資料で説明をしていけば、(構成員は)いつのまにかそっちの方に説得されがちになるだろう。そのプロセス自体がアンフェアだと。なぜ、我々の意見をその場で言わせてもらえないんだ。なぜ(事務局は検討会で)総務省が100%選んだ構成員を淡々と説得していくのか。議論のプロセス自体が非常におかしいと。構成員は(携帯電話事業を)本業でやっている方ではないのだから、表面的な説明と資料で表面的な理解をすると、ついついそれが正しいように勘違いしてしまう」と、強く不満を表わした。

800MHz帯の免許が付与されなかった場合、「800MHz帯に対しては、我々は(無線局免許)申請を行なっているわけだから、申請行為自体が却下されるということであれば、“訴訟の自由”にもなりうる」と、訴訟などのアクションを検討していることを明らかにした。また、同社は政府が2006年度導入の方針を示している“番号ポータビリティー”の開始とともに携帯電話サービスを開始することを目標としているが、「番号ポータビリティの導入が“終わり”ではない。それが“始まり”なので、仮に議論が1~2ヵ月長引いて遅れたとしても、フェアな結論が出されることを願っている」とした。

1.7GHz帯は、800MHz帯と比べて電波の透過率が低いので、孫氏は1.7GHz帯だけでの事業開始は「考えたくない」という。それでも1.7GHzだけで事業を開始せざるを得ない状況になった場合には、既存事業者と徹底的に利用者獲得競争を行なう構えだ。「ブランドイメージで、“ビルの中で信号が受けやすいから、800MHzを持っているドコモやKDDIのほうが有利だ”なんていうことになれば、使う方は気持ちが悪いのではないか? 我々は設備投資を徹底的に行なって、基地局の数を徹底的に増やし、ビルの中でも限りなく電波が浸透する努力を徹底して行なう。結果的には、電波の受信状況は(既存事業者と比べて)まったくイコールだ、ベターだというぐらいまでしないと我々は気がすまない。(そうしないと)品質の悪いものだと受け止められかねないのだから」

そのうえで孫氏は、既存事業者と新規参入事業者の「設備投資のハンディキャップ」を埋める何らかの施策が必要だと示した。「そうする(1.7GHz帯で事業を行なうとする)と、新規参入事業者と既存事業者の設備投資の金額の差が歴然としたものになる。せめてその差は、携帯電話の電波利用料で還元すると。800MHz帯は電波利用量の金額をあげる、1.7GHz帯は金額を下げるかあるいは取らないと、設備投資のハンディキャップの差を埋めるべきだと思う」と主張した。

なお、ツーカーグループを買収するという一部の報道については「ウワサなのでコメントできない」とした。「我々は何らかの形で、遅かれ早かれ、携帯電話事業に必ず本気で参入する。本気で価格競争も技術競争もしかける。利用者の数でKDDI/ドコモを抜きたい。本気でやりたいからこんなに怒っているんだ」

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