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【FC EXPO 2005レポート Vol.2】GMの次世代自動車“SEQUEL”における燃料電池への取り組み――初日基調講演より

2005年01月19日 15時10分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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GMの燃料電池事業担当ディレクターのジョン・ベリーサ氏
GMの燃料電池事業担当ディレクターのジョン・ベリーサ氏

“第1回国際燃料電池展(FC EXPO 2005)”の初日には、米ゼネラル・モータース(General Motors)社、大阪ガス(株)、韓国サムスンSDI(Samsung SDI)社がそれぞれの事業分野における燃料電池への取り組みや戦略についての基調講演を行なった。ここでは最初に登壇したGMの燃料電池事業担当ディレクターのジョン・ベリーサ(Jon Bereisa)氏の講演内容をレポートする。



GMの最初の燃料電池自動車“AUTONOMY” 第2世代の燃料電池自動車“HY・WIRE”
GMの最初の燃料電池自動車“AUTONOMY”第2世代の燃料電池自動車“HY・WIRE”

自動車分野における燃料電池への取り組みについて講演したベリーサ氏は、「世界人口の88%が自分の自動車を持たず、今後60%の急速な成長がアジアをはじめとした9つの地域で起こると予想されている」と切り出し、日本や欧米など自動車の普及が行き届いた地域ではなく、アジアなどの経済活性化が進む新興地域での自動車需要の急激な拡大が環境などに大きな影響を及ぼす懸念を示した。

GMの最初の燃料電池自動車“AUTONOMY” SEQUELのベース部分の構造
第3世代の燃料電池自動車“SEQUEL”SEQUELのベース部分の構造

そこで、GMでは3年前から、エンジン(内燃機関)を持つ現在の形ではなく、現在の技術を使ってゼロから自動車を開発したらどうなるかを検討してきた。最初のコンセプトモデルは、スケートボードのような駆動部に客室を載せた“AUTONOMY(オートノミー)”と呼ばれるもので、駆動部にはエンジンを持たず、シャーシの大部分が燃料電池のタンクになり、4つのタイヤにモーターを備えるというものだった。これをより具現化したのが“HY・WIRE(ハイ・ワイヤー)”と呼ばれるもので、ステアリングホイール(ハンドル)やアクセル/ブレーキなどは電気信号によってコンピューター制御する(バイワイヤー)ため、ハンドル位置を左右入れ替えたり座席を自由な位置にアレンジできる居住性のよさを実現した。しかし、これもまだコンセプトモデルの具現化に過ぎなかった。

ベース部分のモーターの配置 SEQUELの正面。ライトの下に大きな穴が見える 空気取り入れ孔と冷却構造
ベース部分のモーターの配置SEQUELの正面。ライトの下に大きな穴が見える空気取り入れ孔と冷却構造

そして、同社が先週発表したのが第3世代となる次世代燃料電池自動車“SEQUEL(シークエル)”で、これは実用化を前提に設計・開発したものだという。AUTONOMYやHY・WIREと同様、スケートボード風のベースユニットと客室を組み合わせた設計で、前輪を動かすモーターを前方中央に、後輪はタイヤに駆動部を内蔵しており、3つのモーターで四輪駆動を実現する。前方と広報のライト下部には冷却用の大きな空気取り入れ口(エアインテーク)を設け、70MPa(メガパスカル)という圧力で8kgの水素を蓄積できる。前輪のモーターでは74kW、後輪は各50kWの出力で、合計110kWの推進力、最高時速150km/h、走行距離300マイル(約489km)を達成できるとしている。また、車体はアルミ素材で軽量化を図り、衝突安全設計にも配慮するなどより実用的な構造になっていると説明した。この会場は実機は展示されなかったが、今後各種の自動車ショーに出展する予定だとしている。

SEQUELの電気回路の構造 駆動部をはじめ、エアコンやナビゲーションシステムなどをモジュールとして管理・制御する“バイワイヤー”システム
SEQUELの電気回路の構造駆動部をはじめ、エアコンやナビゲーションシステムなどをモジュールとして管理・制御する“バイワイヤー”システム
SEQUELのステアリング SEQUELの多機能制御システム SEQUELのフロアはフラットで対面構造にも変更できるという
SEQUELの内部

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