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日本HP、ブレードサーバーソリューション“HP BladeSystem”に関する記者説明会を開催――シェア30%を目指し展開を強化

2005年01月18日 10時55分更新

文● 編集部 内田泰仁

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日本ヒューレット・パッカード(株)は17日、2004年12月に新ブランドとして発表したブレードサーバーのハードウェア/ソフトウェア/サービスソリューション“HP BladeSystem”に関する記者説明会を開催し、ブレードサーバー事業の戦略や製品についての説明を行なった。

エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部、インダストリー スタンダード サーバ製品本部本部長の上原宏氏同社サーバー製品群の特徴と優位性

x86サーバー全般およびブレードサーバー事業の2004年から2005年の動きについて解説した、エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部、インダストリー スタンダード サーバ製品本部本部長の上原宏氏は、同社における2004年のx86サーバーの国内販売台数について、毎月120~150%、通年で135%の成長を遂げ、厳しい競争が続く中でも確実に台数ベースでのシェアを堅調に拡大し、現在は3位となる17.3%を獲得していると述べた。

2003年および2004年の同社のx86サーバーの出荷台数の推移。具体的な台数や金額については非公表国内ブレードサーバー市場の推移

“アダプティブ・エンタープライズ戦略”に基づく製品設計の指針
しかし同氏は、x86サーバー市場全体の成長にも陰りが見えてきているともしており、同社では、そのような中でも引き続き高い成長が見込まれるブレードサーバー分野での取り組みを強化、「2005年のx86サーバーエンタープライズビジネスでは、“HP BladeSystem”を最重点製品と位置付ける」とした。同社の分析によると、ブレードサーバー導入にあたって“密度重視”よりも“機能重視”を挙げるユーザーが増加する傾向にあるといい、2003年以降の同社エンタープライズビジネスにおける基本戦略“アダプティブ・エンタープライズ戦略”(※1)に基づき、“HP BladeSystem”によって「環境の変化に強い、柔軟性と俊敏性に優れた機動力のあるシステム」を提供していくと述べた。また、ブレードサーバー市場における同社のシェアは、2004年第3四半期時点で22.6%の第2位につけており、2005年はシェア30%を目標とするとしている。

※1 サービスの提供を継続したまま、ビジネス環境の変化に即座に対応できるシステムを、より少ない総所有コストで実現するITインフラの構築をサポートする、という戦略



エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部、インダストリー スタンダード サーバ製品本部のビジネスプランニング部部長の橘一徳氏“HP BladeSystem”の基本コンセプト

エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部、インダストリー スタンダード サーバ製品本部のビジネスプランニング部部長の橘一徳氏は、“HP BladeSystem”の概要について説明。基本的なコンセプトを「モジュール化されたハード、ソフトのコンポーネントが仮想環境で稼動し、かつそれらをひとつのコンソールから管理できるシステム」だと述べ、システムを構成する重要キーワードとして、以下の4点を挙げた。

モジュール化
必要な機能を必要なときに柔軟に拡張可能
統合管理環境
多数のサーバー、多様な仮想OSによる複雑なシステムを効率的に管理
仮想化
最新のハードで多様なOSの稼動が可能。システム稼働率の向上とIT投資効果の最大化を実現
自動化
IT部門の業務効率を改善し、IT運用ではなくIT戦略を立案する部門へと強化

“HP BladeSystem”の構成“HP BladeSystem”のハードウェア/ソフトウェア部分の詳細。“HP System Insight Manager”により全体を統合管理する

“HP BladeSystem”の実際の構成は、

  • ブレードサーバーのハードウェア部(ブレード、ラックや電源、スイッチ、ストレージなど)
  • 統合管理ソフト“HP System Insight Manager”や、Microsoft VirtualServerおよびVMware GSX/ESXによって提供される仮想化ソリューションなどのソフトウェア部
  • 導入システム、テクニカルサポートサービス、ユーザー教育サービス、らっキングサービス、従量課金型ファイナンスサービス(詳細を2月に発表予定)などのサービス

で、“ハードウェア+ソフトウェア+サービス”の3要素から成り立っている。

“HP BladeSystem”のマーケティングプラン
主なターゲットは、システム統合/コンソリデーション、広範なエンタープライズアプリケーションへの対応、プロプライエタリー環境(メインフレームやUNIX)からLinuxへのマイグレーション、HPCの4つ。同社では今月以降、テレビCFや新聞/雑誌広告、トレーニングプログラム、各種イベント/キャンペーンなど、“HP BladeSystem”の積極展開を本格化していくとしている。



エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部、インダストリー スタンダード サーバ製品本部プロダクトマーケティング部部長の正田三四郎氏エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部、インダストリー スタンダード サーバ製品本部プロダクトマーケティング部の池亀正和氏

続いて登壇したエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部、インダストリー スタンダード サーバ製品本部プロダクトマーケティング部部長の正田三四郎氏と、同じくプロダクトマーケティング部の池亀正和氏は、デモンストレーションを交えつつ“HP BladeSystem”のソフトウェア部分について解説し、管理の核となる“HP System Insight Manager”のロードマップやリリース済み/近日リリース予定の拡張機能などを紹介した。“HP System Insight Manager”は、ストレージ管理機能の強化などが図られる新バージョン“5.0”のリリースが今年上半期中に計画されているといい、同じく上半期中には、サーバー導入ツール『Rapid Deploymentパック 2.0』や、基本的なインフラ設定や管理を自動化する『Automation Controllerパック for HP Blades』といったプラグインモジュールを提供予定。さらに将来的には、ハードウェアをソフトウェア的に結合する技術および製品を発表していくとしている。

“HP System Insight Manager”の主要な機能“HP System Insight Manager”のロードマップ
提供中の“HP System Insight Manager”の機能とプラグインモジュール
2005年上半期中にリリース予定のプラグインモジュール

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