このページの本文へ

アイ・オー・データ機器、同社TVチューナーカードのフラッグシップモデル『GV-MVP/GX』などを発表

2005年01月13日 02時53分更新

文● 編集部 内田泰仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)アイ・オー・データ機器は12日、エンターテインメント製品群に関する2005年上期の事業方針および新製品の記者説明会を開催し、カナダViXS Systems社製のMPEGエンコーダーチップ『XCodeII』を搭載した同社TVチューナーカード製品のフラッグシップモデル『GV-MVP/GX』、エントリー向けTVチューナーカード『GV-MVP/RX2E』、ネットワークメディアプレーヤー“AVeL LinkPlayer”(アベル・リンクプレーヤー)の新モデル『AVLP2/G』の3製品を発表した。

取締役エンターテインメントユニット担当の土田拓氏

説明会の冒頭に挨拶を行なった、同社取締役エンターテインメントユニット担当の土田拓氏は、2004年下期の同部門の業績について「厳しい状況」としつつも、パソコン(またはネットワーク接続したHDD)にTV番組を蓄積するというスタイルの一般化と、それらの蓄積したコンテンツを大画面のテレビで見るというスタイルの普及の始まり、ネットワークメディアプレーヤー市場で“AVeL LinkPlayer”シリーズがシェア6割を獲得していることなどから、「(パソコンで録画/蓄積し、テレビで見るというスタイルは)市場に受け入れられつつある」と述べ、パソコンとAV機器の連携による新しいライフスタイル創出を目指す“AVeL”ブランドでの製品展開を継続的に強化していくとした。

また、2005年の映像関連機器を中心としたホームAV機器市場は「激動の年、新しい年を迎える」との見通しを述べ、注目すべきトピックとして、家庭内ネットワークに接続されたビデオサーバー/クライアントの増加、それに伴うホームネットワークのオープン化や接続の簡易化の必要性の高まり、ネットワーク上に蓄積したデータをパソコンやモバイルデバイスに持ち出して視聴するスタイルの普及、コンテンツビジネスの進化や放送のデジタル化、などを挙げた。同社ではこれらのトピックに対応するべく、“AVeL”ブランドの製品において、どのようなデジタルコンテンツでも視聴できる製品や、リビングで視聴していたコンテンツをシームレスに“外出中にも”見られる製品などのリリースを進めていくとした。また、これらの製品展開では、インテル(株)などをはじめとしたデバイス/コンテンツメーカーなど、他社とのコラボレーションも必要があるとし、国内外メーカーとの積極的な協力関係の構築を図っていくとした。

『GV-MVP/GX』

この日発表された製品のうち『GV-MVP/GX』は、同社TVチューナーカード製品のフラッグシップとなるモデル。MPEGエンコーダーには、独自のアルゴリズム設計による高画質MPEGキャプチャーとハードウェアトランスコード(ビットレート変換および再エンコード)を実現したというカナダViXS Systems社『XCodeII』を採用し、低ビットレート録画時や激しいシーンチェンジ時の画質の向上、ソフトウェアエンコードと比較すると6倍以上という高速MPEGトランスコード機能を持つ。このほかの高画質化機能としては、、ゴーストリデューサーや3Dノイズリダクション、3D Y/C分離回路、フレームシンクロナイザー、画質補正機能を装備する。TVチューナーはアナログ地上波用チューナーを1基搭載。本製品を最大6枚まで同一パソコン内に搭載でき、複数搭載した場合には搭載枚数分の多チャンネル録画が可能となる。

『GV-MVP/GX』(画面左)と他社製TVチューナーカード(画面右)の画質の違い。画像はいずれもMPEG-2形式/ビットレート1Mbpsの動画ファイルを再生し、その再生映像のスクリーンショットをJPEG形式で保存したもの。『GV-MVP/GX』では、低ビットレートでもブロックノイズの発生が抑えられているのがよくわかる

MPEG-2形式での録画解像度は、Full D1(720×480ドット)/Half D1(352×480ドット)/SIF 525(352×240)、ビデオビットレートは1Mbps~15Mbps(VBRおよびCBRに対応)および25Mbps、オーディオビットレートは192/224/256/320kbps。カードサイズは約幅167.64×高さ106.68mm(スロットカバー及び突起部含まず)。

付属ソフトは、HDD容量の自動確保機能(容量が不足したら録画した古い番組から自動的に削除していく)付きのキーワード自動録画や多チャンネル同時録画、電子番組表“ADAMS-EPG+”およびインターネット配信の電子番組表“iEPG”への対応、遠隔録画予約サービスソフト『reserMail』と連携した携帯電話からの録画予約などの機能を備えた同社独自のTV/ビデオコントロールソフト『I-O DATA mAgicTV5』、ビデオトランスコードソフト『I-O DATA GVencoder』、DVDオーサリングソフト『PowerProducer 3 for I-O DATA』など。対応OSは、Windows XP/2000(SP3以降)。価格は2万5300円で、1月末に出荷開始の予定。

発表会に同席したViXS Systemsの社長兼最高経営責任者のサリー・ダブ(Sally Daub)氏(写真左)と、副社長のブライアン・バーンズ(Brian Burns)氏
『XCodeII』の主な機能『XCodeII』と他のエンコーダーチップの違い
『GV-MVP/RX2E』

『GV-MVP/RX2E』は、2004年11月に発表された『GV-MVP/RX2』の廉価版にあたる、同社TVチューナーカードラインナップのエントリーモデルで、製品の説明を行なったエンターテインメントユニットプロダクトリーダーの加藤光兼氏は「より低価格でmAgicTV5の高機能を利用できる製品」としている。『GV-MVP/RX2』と同じく、米コネクサント・システムズ(Conexant Systems)社製のハードウェアMPEGエンコーダー『CX23416』を搭載するほか、3Dノイズリダクションとフレームシンクロナイザーの2種類の高画質化機能を持つが、『GV-MVP/RX2』には搭載されていたゴーストリデューサー、3D Y/C分離回路は持たない。TVチューナーはアナログ地上波用チューナーを1基搭載し、『GV-MVP/GX』や『GV-MVP/RX2』と同様に、1パソコン内に最大6枚まで本製品を搭載することにより、多チャンネル録画を行なうことが可能。

MPEG-2形式での録画解像度は、Full D1(720×480ドット)/Half D1(352×480ドット)、ビデオビットレートは2Mbps~15Mbps(Full D1)または1Mbps~7Mbps(Half D1)、オーディオビットレートは192/224/256/320/384kbps。カードサイズは約幅119.91×高さ106.68mm(スロットカバー及び突起部含まず)。

付属ソフトは、TV/ビデオコントロールソフト『I-O DATA mAgicTV5』、DVDオーサリングソフト『PowerProducer 3 for I-O DATA』など。対応OSは、Windows XP/2000(SP3以降)。価格は1万1500円で、1月末に出荷開始の予定。

エンターテインメントユニットプロダクトリーダーの加藤光兼氏GV-MPGシリーズ各製品の位置付けTVチューナーデバイス市場の推移と同社シェア、およびこの日発表された製品の販売目標
“AVeL LinkPlayer”『AVLP2/G』

“AVeL LinkPlayer”『AVLP2/G』は、同シリーズの既存製品『AVLP2/DVDG』『AVLP2/DVDLJ』に続く製品で、DVDプレーヤー機能を省略したコンパクトタイプのデザインが特徴。本体サイズはシリーズ中最小の幅35.5×奥行き160.3×高さ203mm/約472gで、縦置き/横置きの両方に対応する。

デジタルコンテンツファイルの再生に利用するメディアプロセッサーに米Sigma Designs社『EM8620L』を採用し、MPEG-1/MPEG-2/AVI(映像圧縮CODECにDivXまたはXviDを利用したもの)/Windiws Media Video 9/Windiws Media Video HD形式の動画ファイル、MP3/Windows Media Audio(WMA9Proは非対応)/WAVE/Ogg Vorbis/AAC形式の音声ファイル、JPEG/BMP/GIF/PNG形式の画像ファイルの再生が可能。

通信機能は10/100BASE-TXのEthernetとIEEE 802.11b/g準拠の無線LANの2種類。インターフェース類は、USB 2.0×1(USB Mass Storage Class対応デバイスの接続が可能)、D端子×1(1080i/720p/480p/480i)、DVI-I×1、コンポジット映像出力端子×1、S映像出力端子×1、アナログ音声出力×1、光デジタル音声出力×1、同軸デジタル音声出力×1。

付属ソフトは、コンテンツ管理サーバーアプリケーション『AVeL Link Server』、“I-O DATA mAgicTV”シリーズとの連携やオートトランスコードなどの機能を提供するサーバーアプリケーション『AVeL Link Advanced Server』、コンテンツ管理ソフト『MediaSink』。対応OSはWindows 98 SE/Me/2000/XP、Mac OS X 10.3。価格は2万6400円で、1月末に出荷開始の予定。

エンターテインメントユニットプロダクトリーダーの増田憲泰氏ネットワークメディアプレーヤー市場と同社シェアの推移

製品の説明を行なったエンターテインメントユニットプロダクトリーダーの増田憲泰氏は、市場の約8割のパソコンがTV機能を装備していることや、大画面テレビの普及などの映像を見る環境の変化、“録りためてから見る”という映像ライフスタイルの変化といった市場背景の変化に加え、家電メーカーがネットワークメディアプレーヤー市場に参入してきたことによるユーザー層の拡大と認知度向上により、2005年にはさらに成長が期待されるカテゴリーであるとし、「(競争が激化する中でも)シェア1位を獲得していく」と目標を述べた。

エンターテインメントユニットプロダクトリーダーの車古洋樹氏ハンズフリー製品の展開における同社の“強み”

また、この日は新製品の発表はなかったものの、携帯電話向けのハンズフリー製品の紹介も行なわれた。説明を行なったエンターテインメントユニットプロダクトリーダーの車古(しゃこ)洋樹氏は、パソコン周辺機器や携帯電話周辺機器の製品開発で培ったノウハウ(通信、インターフェース技術など)や、サードパーティーメーカーとしての立場を生かした機動性の高さを生かし、さらには自動車/カーナビゲーションシステム/携帯電話端末/携帯電話事業者などとのメーカーアライアンスも考慮したビジネス展開を行なっていくと述べた。

ハンズフリー製品の現行ラインナップ2005年に展開予定の製品。Bluetooth対応製品が中心となる

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン