“アップルストア銀座”で10日、ギターデュオ“Acousphere(アコ―スフィア)”のフリーライブ“Music Night Gibson Showcase Acousphere”が行なわれた。これはアップルコンピュータとギターメーカーとして著名な“Gibson”とのコラボイベント。入場無料ということも手伝って、多数の人が2人のギターが奏でる曲に聴き入っていた。
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奥沢茂幸氏(左)と清水敏貴氏(右)によるギターデュオがAcousphere。東京都がストリートミュージシャンなどへ向けてライセンスを発行している“ヘブンアーティスト”でもある |
Acousphereは、ともに1971年生まれの清水敏貴氏と奥沢茂幸氏によるギターデュオ。1998年から本格的に活動を開始し、都内のライブハウスやストリートのパフォーマンスを次々と披露。現在、6タイトルのCDをリリースしている実力派だ。彼らの曲作りにはアップルのマシンも活躍しており、アコースティックなGibsonのギターとMacの取り合わせは、ミュージックシーンの新時代を予感させてくれる。
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アップルストア銀座2F展示スペースで15時から行われたAcousphereのフリーライブのようす。建物の構造上、下のフロアのようすがわかる |
ライブ演奏は15時と19時からの2回。洋楽の定番ナンバーから、2人のオリジナルまでをミックス。ストア内の2F展示スペースで行われた15時の演奏のあと、2人に話を聞いてみた。
―― “アップルストア銀座”2Fでライブ演奏をしてみていかがでした?
【奥沢】今までストリートライブなどで、“見上げる”演奏はよくやっていたのですが、アップルストアのように下からも見えると面白いですね(笑)。
【清水】ストリートはテンションが勝負なのですが、アップルストア銀座のような室内だと、音の響き方などにも気づかされます。
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19時から行われた演奏の後半でスクリーン上に飛び出したビジュアル映像。Acousphereの手により、iBook G4を使って制作されている |
―― アップルのマシンは実際に曲作りに役立ちますか?
【奥沢】はい。主にレコーディングで使っています。アナログのギターはデジタルに向いていないと思われがちですが、実は相性はいいんですよ。もし、自分の出している音がズレているときでも、デジタルなら音を目で見て確認できますよね。僕は“groove”って言っていますが、人間のみが感じることのできるこのセンス、たとえ1秒でも音がズレるとどうにもしっくりこないんですよ。そういう意味でもコンピュータの役割は大きいですね。
―― 具体的に使っているマシンは?
【清水】iBook G4やPower Bookを使っています。
―― 使用するソフトは?
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演奏で使われたAcousphereのマシン(iBook G4)。曲を奏でたり、ビジュアル映像を出したりと大活躍だった |
【奥沢】ふだんは(株)スタインバーグ・ジャパンの“Cubase”というソフトを使っていますね。
―― 今年の目標は?
【清水】路上ライブは常にフルパワーで。そして、全国を巡っていきたいですね。今年は北海道を皮切りに演奏をしていきます。3月13日には“アップルストア名古屋栄”でもライブをやります。
【奥沢】名古屋は初めてなので楽しみですね。
19時からはストア内3Fにあるシアターでの演奏となったが、ここにも多数の人が来場。入場は15分前の18時45分にもかかわらず、18時を過ぎたあたりから人が集まり出すという混雑も見られた。
後半に演奏された“デジタル・ラヴ”という曲では、AcousphereがiBook G4で制作したビジュアル映像もスクリーンに。中心に置かれたアップルマークから、さまざまな色や模様が映し出されていくという視覚的なパフォーマンスと、ギターの旋律で観客も“groove”できたのではないだろうか。
