EMCジャパン(株)は9日、低価格なネットワーク・ストレージ『EMC CLARiX AX100』を、シーティーシー・エスピー(株)(CTCSP)を通じて販売すると発表した。同製品は、デル(株)から『Dell|EMC AX100』として5月から販売されているが、EMC単独ブランドでの国内販売は今回が初めて。
『EMC CLARiX AX100』 |
『EMC CLARiX AX100』に標準搭載されるソフトウェアの構成 |
EMCジャパンの従来の製品販売体制(左)と、ローエンド市場に特化した『EMC CLARiX AX100』における販売体制(右)の違い |
同製品はこれまで、同社とデルとの協業(OEM供給)により『Dell|EMC AX100』として販売されているが、今回EMCブランドの製品としても販売されることとなった。従来、同社の“EMC CLARiX”シリーズはミッドレンジ以上の市場を狙った製品が中心で、同社によるローエンド市場への取り組みはデルとの協業による販売が主となっていた。今回の『EMC CLARiX AX100』の販売では、CTCSPを日本国内のディストリビューターとし、ローエンド・ストレージ製品の販売に必要となってくる、多くの台数を短期間で納入するための在庫システムと、日本全国をカバーできる販売店の確保を実現、従来展開してきた販売パートナーおよび直販による販売チャネルではなく、ローエンド製品の販売に適したチャネルを構築したという。
EMCジャパンのコマーシャル・ビジネス事業部事業部長代行の松本圭裕氏 | ローエンド・ネットワーク・ストレージ市場のシェア。今回が単独ブランドでの初参入となるEMCは含まれていない。各社がシェアを分け合っている“乱立”状態にあるという |
この日行なわれた記者説明会で販売戦略の概要を解説したEMCジャパンのコマーシャル・ビジネス事業部事業部長代行の松本圭裕氏は、日本国内のストレージ市場では、サーバーなどのシステムに直接接続するDAS(Direct Attached Storage)の需要は、2008年にかけて11.9%のマイナス成長になり、その一方、NAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)といった外付けネットワーク・ストレージ市場はプラス成長(SANについては年間平均14.7%の成長予測)が続くという予測を紹介。このことから同社では、今後はローエンド・ネットワーク・ストレージ市場での展開も強化していくとしており、新しい販売体制が取られる『EMC CLARiX AX100』では、2005年6月末までに月100台ペースでの販売を目指していくとしている。
CTCSP代表取締役社長の岩本康人氏 | EMCジャパン-CTCSPによる販売体制。CTCSPの販売パートナーを通じて全国に展開していくという |
また、CTCSP代表取締役社長の岩本康人氏は、CTCSP側の販売戦略、販売体制などを説明。同社では今回、社内に『EMC CLARiX AX100』販売のための組織体制を構築し、スムーズな販売を行なうための流通在庫保持、同社の販売パートナーによる日本全国を網羅する流通網の構築と選任の営業/SEスタッフによる販売パートナー各社の支援、全国対応の保守サービス体制の提供、EMCジャパンと共同の販売促進/マーケティング活動の展開、といった取り組みを行なっていくと述べた。