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JMC、日本テレコム、日本ユニシスの3社、BSIのITサービスマネージメント規格“BS15000-1:2002”の認証を取得――日本企業としては初

2004年12月08日 18時30分更新

文● 編集部 内田泰仁

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ビーエスアイジャパン(株)は8日、(株)ジェイエムシー、日本テレコム(株)、日本ユニシス(株)の3社について、英国規格協会(British Standard Institute、BSI)の定めるITサービスマネージメント規格“BS15000-1:2002”の認証登録を12月1日付けで行なったと発表した。ビーエスアイジャパンによると、今回の認証登録により3社は、各社が提供するITサービスが、信頼性や安全性などの側面において、厳格な標準規格に適合していると第3者により評価/証明されたことになるとしている。

記者会見にて認定証を手に記念撮影に応じる4社の代表者。左から、ビーエスアイジャパン代表取締役社長の吉村正道氏、ジェイエムシー代表取締役社長の香月誠一氏、日本テレコム上席執行役員・総務本部CSR推進室長の三宅忠男氏、日本ユニシス代表取締役専務執行役員の梶川昭一氏

“BS15000-1:2002”は、顧客ニーズに応じたITサービスの提供や、ITサービスの継続的な提供と適正な価格でのサービス提供を実現や、ITサービス提供のための体系的なアプローチなど示したITサービスマネージメントの標準規格として、BSIにより発行された規格。企業などの組織が、効果的かつ効率的に管理されたITサービスを実施するためのフレームワークと評価仕様が盛り込まれており、ITサービス運用の最適慣行(ベストプラクティス)として英国商務局が定義した“IT Infrastructure Library”(通称ITIL)でのプロセスアプローチとの整合を取り、かつ補完し合う仕様となっているという。すでに認証登録が行なわれている企業は、英国に4社、韓国に2社、インドに1社あるというが、日本での認証は今回発表された3社が最初となる。なお、同種の規格としては、国際標準化機構(International Organization For Standardization、ISO)の“ISO 9001”があるが、“BS15000-1:2002”はより“IT”に特化している点が異なる。

“BS15000-1:2002”の特徴とメリット。ITサービス品質の向上、適正な価格での提供、サービスの継続的改善が可能な体系的アプローチ、などが挙げられている
ジェイエムシーの代表取締役社長、香月誠一氏

同日に開催された4社合同の記者会見では、新たに認証登録された3社から取得の経緯や今後の展開についての説明が行なわれた。ジェイエムシーでは、教育情報化向けトータルサポートサービス“JETSS(ジェッツ)”が“BS15000-1:2002”を取得。ジェイエムシーの代表取締役社長の香月誠一氏によると、これにより、教育機関が求めるITサービスの品質を公的な基準に基づいて明確にし、より高い品質と安全性を持ったサービスの提供が可能になるとしている。今後は、“JETSS”以外の製品や関連する保守およびサポートサービスでも、今回の取得に伴って蓄積したノウハウを生かし、ITサービスマネージメント構築支援コンサルティングサービスとして顧客に新しい付加価値を提供していくという。

日本テレコムの上席執行役員で総務本部CSR推進室長、三宅忠男氏

日本テレコムは、法人向けのサービス部門である“法人お客様センター”の情報通信サービスにおける対応業務が“BS15000-1:2002”を取得。同社上席執行役員で総務本部CSR推進室長の三宅忠男氏によると、同社は従来、同社の独自基準による情報管理およびサービス品質管理を実施してきたというが、ITサービス/システム全体を包括的に網羅できる品質制度保障の必要性から、「スタンダードかつグローバルな基準」(三宅氏)の導入を検討、今回の認証取得に至ったという。同社では、“BS15000-1:2002”に基づく高度なITサービスマネージメントシステムを確立、維持し、通信事業者としての社会的責任を果たしつつ事業展開を図っていくとしている。

日本ユニシスの代表取締役専務執行役員、梶川昭一氏

日本ユニシスの代表取締役専務執行役員の梶川昭一氏によると、同社は現在、ハードウェアを中心とした事業から、サービス/ソフトウェアを中心とした事業へと軸足を移しており、この中でも特に、アウトソーシングビジネスの成長が大きいという(同氏によると、アウトソーシングビジネスは現在全売り上げの約13%を占め、今後は25%を目指して事業強化を進めるとしている)。同社では、このアウトソーシングビジネスにおけるITサービスマネージメントにおいて“BS15000-1:2002”を取得、このことにより、同ビジネスが世界的な標準規格から見ても遜色のないサービスレベルに達し、さらに高い品質のサービス提供に向けた仕組みが確立したとしている。同社では今後、すべてのITサービスにおいて“BS15000-1:2002”を活用した顧客満足度の高いサービスの提供に努めていくという。

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