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ソースネクスト、パソコンソフト市場拡大に向けた製品戦略を発表――製品数1000タイトルを目指して、ゲームや漫画などにも製品ジャンルを拡大

2004年12月01日 21時48分更新

文● 編集部 小西利明

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大きな紙パッケージの製品とスリムパッケージの製品を手に、スリムパッケージ化の取り組みについて語るソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏
大きな紙パッケージの製品とスリムパッケージの製品を手に、スリムパッケージ化の取り組みについて語るソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏

ソースネクスト(株)は1日、事業戦略説明会を開催し、パソコンソフト市場拡大を目指してゲームや漫画など新ジャンルを製品に取り込むことを発表した。これにより2006年度には、製品数1000タイトルを目指す。同社は2003年より、“パソコンソフトのコモディティ化戦略”を掲げて、製品の価格を1980円と非常に低価格に設定したほか、販売チャンネルをパソコンショップや家電量販店以外にも拡大したり、DVDパッケージサイズにスリム化した製品パッケージを幅広く投入するなどの施策によって、急速に販売本数を拡大している。説明会に登壇した同社代表取締役社長の松田憲幸氏は、これらによって同社は、個人向けパソコンソフト市場シェア(販売本数)の26%を占めて、1位になったと語った。またスリムパッケージ化は今後も促進し、2004年時点では25%だったスリムパッケージのみの製品が、2005年には90%に拡大。大柄の紙パッケージは廃止される見通しだ。また個人向け市場だけでなく法人向け市場でも好調である。たとえばPDF作成ソフト『いきなりPDF』が500社以上に導入されるなど、法人事業参入後の4ヵ月間で750社以上に製品が導入されたという。

大胆な低価格化と販路の拡大などにより、同社の製品は販売本数ベースで個人市場シェア1位となった(Gfkマーケティングジャパン調べ、同社講演資料より引用)。ただし金額ベースでは3位に止まる 同社の製品は現在、大半がDVDビデオパッケージと同じサイズのスリムパッケージに移行しつつあり、2005年にはほとんどがスリムパッケージに切り替わる(同社講演資料より引用)
大胆な低価格化と販路の拡大などにより、同社の製品は販売本数ベースで個人市場シェア1位となった(Gfkマーケティングジャパン調べ、同社講演資料より引用)。ただし金額ベースでは3位に止まる同社の製品は現在、大半がDVDビデオパッケージと同じサイズのスリムパッケージに移行しつつあり、2005年にはほとんどがスリムパッケージに切り替わる(同社講演資料より引用)

そして今後は、ツール(ユーティリティー)やエデュケーションソフト(教育ソフト)が主体であったこれまでの製品群を拡充するだけでなく、コモディティ化戦略を一層推し進め、「パソコンで動くものは、全部パソコンソフトである」(松田氏)との定義に立って、ゲームソフトやデジタル漫画ソフトを新ジャンルとしてラインナップしていくことが発表された。

デジタル漫画ソフトの分野では、(株)イーブックイニシアティブジャパンと事業提携を行ない、電子書籍販売サイト“eBook Japan”で販売されている名作漫画を“ソースネクストセレクションコミックス”として販売する。第1弾のラインナップは、『北斗の拳(1~6巻)』『シティーハンター(1~6巻)』『キャッツ・アイ(1~6巻)』『包丁人味平 カレー戦争編』『恐怖新聞(1~6巻)』『鬼太郎大全集(1~5巻)』の6作品となっている。価格はいずれも1980円。販売されるソフトウェアには専用リーダーソフトと漫画各巻のプリペイドキーが含まれ、漫画本体は初回利用時にeBook Japanからダウンロードする仕組みをとる。対応OSはWindows XP/2000(SP2以降)/Me、発売は17日。

ソースネクストから販売されるデジタル漫画ソフト『北斗の拳(1~6巻)』。eBook Japanで販売される電子書籍の中でも、漫画は圧倒的に人気があるとのこと。専用リーダーは縦画面表示にも対応する (c)原作 武論尊・漫画 原哲夫/Coamix
複数の書籍を購入すると、専用リーダーの画面では、あたかも本棚のように並ぶ
複数の書籍を購入すると、専用リーダーの画面では、あたかも本棚のように並ぶ

ゲームソフトは、国内パソコンゲーム市場でNo.1のシェアを誇る(株)コーエーとの協業により、コーエーの過去の人気ゲームソフトを1980円の低価格で販売する。従来も同社は価格980円の低価格ゲームソフトを販売していたが、コーエーとの協業によりラインナップを大きく強化する。第1弾として発表されたタイトルは、『信長の野望 嵐世紀』『三國志VII』『Winning Post5』『大航海時代IV』(いずれもWindows用)の4本である(対応OS等の詳細については、リンク先を参照のこと)。

17日よりソースネクストから販売される、コーエーのWindows用ゲームソフト。いずれも価格は1980円
17日よりソースネクストから販売される、コーエーのWindows用ゲームソフト。いずれも価格は1980円

またツールやエデュケーションのジャンルでも、2つの新製品が発表された。まず1つは、人気のいきなりPDFに米マクロメディア社の電子文書ファイルフォーマット“FlashPaper”形式の文書ファイル作成機能を加えた『いきなりPDF FLASHPAPER』(価格1980円)である。Microsoft WordやMicrosoft Excel、Adobe Photoshop CSなどのプラグインとして動作し、PDF形式やFlashPaper形式での文書書き出しを可能とする。FlashPaper形式の文書ファイルは、Flash Player 6以上がインストールされたウェブブラウザー上で表示できるので、事実上現在使われているほとんどのパソコン上で表示できることになる。対応OSはWindows XP/2000、発売は17日。

Word文書や画像ファイルを簡単にPDF形式やFlashPaper形式で書き出せる『いきなりPDF FLASHPAPER』。FlashPaperはウェブページの中で表示させることも可能

エデュケーションソフトに位置づけられる『ズバリ年金早わかり』(1980円)は、(株)東京スター銀行の監修により開発された年金シミュレーションソフトである。年金に対する関心の高まりを受けて開発したもので、加入している年金の種類や加入期間、平均月収などを入力すると、将来受け取れる年金の支給開始年齢や金額が分かる。また年金や資産運用についての知識を解説するムービーや、関連する用語集なども収録されている。対応OSはWindows XP/2000/Me/98/98 SE、発売は23日。

将来受け取れる年金額のシミュレーションや、資産運用のノウハウが得られる『ズバリ年金早わかり』。銀行と提携したキャンペーンという興味深い試みも行なわれる

さらに同ソフトの販売に合わせて東京スター銀行では、製品購入者に対して“外貨預金金利上乗せキャンペーン”を行なうという、非常に興味深い試みも発表された。製品購入者が東京スター銀行にてドルまたはユーロによる外貨定期預金を保有していると、店頭表示金利に1%上乗せされるという。さらに外貨定期預金を作成した場合は、円での定期預金も金利が0.5%上乗せされるという。キャンペーン期間は2007年12月28日15時まで。(キャンペーンについての詳細は、同ソフトのウェブサイトを参照のこと)。

説明会の最後に松田氏は、パソコンソフト以外の国内コンテンツ市場は、漫画や音楽、ビデオなどを合わせれば2兆円以上の市場があるとした。そのうえで同社の今後の目標として、ゲームや漫画以外のコンテンツも取り込んで製品ジャンルを拡大することで、2006年には国内個人向けパソコンソフト市場の販売金額ベースでも1位を目指すと締めくくった。

ソースネクスト松田氏と、新製品に協力した企業の代表の方々。左から東京スター銀行 代表執行役CEO タッド・バッジ(Todd Budge)氏、イーブックイニシアティブジャパン代表取締役 鈴木雄介氏、ソースネクスト 代表取締役社長 松田憲幸氏、マクロメディア 代表取締役 井上基氏
ソースネクスト松田氏と、新製品に協力した企業の代表。左から東京スター銀行 代表執行役CEO タッド・バッジ(Todd Budge)氏、イーブックイニシアティブジャパン代表取締役 鈴木雄介氏、ソースネクスト 代表取締役社長 松田憲幸氏、マクロメディア 代表取締役 井上基氏

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