■撮影者のスキル不足を補う
「DiMAGE Z3」は、光学12倍のズームレンズと有効画素数が400万画素のCCDを搭載するデジタルカメラだ。800万画素のCCDと上級者向けの撮影機能を備える「A」シリーズの、普及モデルに当たる。
「DiMAGE Z3」 |
本体のサイズ/重さが幅108.5×奥行き83.5×高さ80mm/335gと、高倍率モデルとしてはコンパクトだ。ボディーはプラスチック製だが、質感の高い塗装が施されている。またグリップのほか本体左面に滑り止め効果の高いゴムが張られており、ホールディングしやすい。操作系はシンプルにまとめられているため、初心者でも操作に迷うことはないだろう(写真1)。
写真1 シーンの選択や露出モードの変更は、本体上面の「撮影モードダイヤル」で行う。本体背面のボタン類は電源ボタンと十字キーを除いて3つのみと、非常にシンプルだ。ボタン類に書かれたアイコンや液晶モニターに表示される文字が大きいため、操作を間違えにくい |
本製品の最大の特徴は、Zシリーズの製品として初めてAシリーズと同じCCDシフト方式(※1)の手ぶれ補正機能を実現した点だ。同機能には、シャッター速度2~3段ぶんの効果がある。特に三脚を使わずに望遠側での撮影を行う場合や、室内などの暗い場所でストロボをたかずに写真を撮る場合に有効だ(写真2)。
写真2 絞りをF5.6、シャッター速度を100分の1秒に設定し、十分な光量が得られない室内で撮影を行ったところ、手ぶれのない画像を得られた。手ぶれ補正機能を備えるため、12倍のズームレンズやマクロモードを有効利用できる |
撮影機能についてはマニュアルフォーカスを備えるものの、オートフォーカス機能の充実に注力している。従来から引き続き5点測距のワイドオートフォーカスと、被写体の動きを予測して追従するコンティニュアスフォーカスを備える。また各フォーカスポイントの色情報を解析して、人物をどのフォーカスポイントで捉えているかを検出する機能が追加された。そのため被写体となる人物が画面の中央にない場合でも、ピントの中ぬけを防止できる。レスポンスは広角側で約0.15秒、望遠側で約0.2秒と高速だ。またシャッタータイムラグが短く、2.5コマ/秒での連写が可能なため、シャッターチャンスを逃しにくい。
充実した動画機能も、同シリーズの従来からの特徴だ。VGAサイズの音声付き画像を、30コマ/秒のフレームレートでメディアの容量が許す限り撮影できる。なお高倍率ズーム(※2)や手ぶれ補正機能は、動画撮影でも利用可能だ。
※2 高倍率ズーム 動画撮影中にズーム音が録音されてしまうことを防ぐ「サイレントカム機構」を備える。画質は、400万画素クラスの機種として標準的と言える。原色系の色は、実際よりも鮮やかに再現される。エッジの強調は控えめで、シャープネスはそれほど高くない。画像全体に若干のざらつきがあるものの、A4サイズでプリントしなければ気にならない程度だ。階調の幅は、シャドー側に比べてハイライト側がやや狭い。
本製品の手ぶれ補正機能は、撮影者のテクニック不足を十分に補ってくれる。Zシリーズはカメラの知識やスキルが乏しいユーザーをメインターゲットに据えている製品だ。このような機種に手ぶれ補正機能が搭載された意義は大きい。
DiMAGE Z3の主なスペック | |
本体サイズ | 幅108.5×奥行き83.5×高さ80mm(突起部を除く) |
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本体重量 | 335g(バッテリー、メディアを除く) |
有効画素数 | 400万画素 |
CCDのサイズ | 1/2.5型 |
最大記録解像度 | 2272×1704ドット |
ズーム | 光学12倍/デジタル4倍 |
焦点距離 | 35~420mm相当(35mmフィルム換算) |
絞り値 | F2.8~F4.5 |
シャッター速度 | 1/1000~15秒 |
撮影距離 | 60cm~無限遠(スーパーマクロモード時 1~100cm) |
記録形式 | 静止画 JPEG/動画 Motion JPEG |
記録メディア | SDカード/マルチメディアカード |
対応機種 | USBポート搭載機種 |
対応システム | Mac OS X v10.1.3以降/Mac OS 9.0以降 |