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NECとNECエレクトロニクス、グローバル向け2.5G/3G両対応携帯電話向けLSIの共同開発を発表

2004年11月22日 23時26分更新

文● 編集部 内田泰仁

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日本電気(株)(NEC)とNECエレクトロニクス(株)は22日、両者の協業関係を強化し、グローバル市場向け第3世代(3G)携帯電話端末の通信用LSIを共同で開発すると発表した。両者の協業による新LSIは、海外で広く普及している通称“2.5世代通信方式”(“GSM”“GPRS”“EDGE”の3種類)と、“第3世代通信方式”となる“W-CDMA”のデュアルモードに対応し、このLSIを搭載した携帯電話は2006年度下期完成を予定しているという。

日本電気(株)執行役員の大谷進氏NECエレクトロニクス(株)副社長の橋本浩一氏
協業の概要を説明したNECおよびNECエレクトロニクスの登壇者

今回の両社の協業強化は、3G携帯電話端末で広いシェアを持つNECと、国内向け日本国内向けの3G携帯電話用LSIで広いシェアを持つNECエレクトロニクスとが、グローバル市場での競争力のある製品開発を推進していくことを意図するもの。両社の通信およびデバイスの総合力を集約することにより、今後の3G携帯電話技術に対応した端末の開発の高速化とタイムリーな市場投入とを実現していくとしている。また、NECエレクトロニクスでは、今回の協業により開発した製品を外部の携帯電話メーカーにも販売して行く方針で、これにより、グローバル市場向けデュアルモード通信LSI分野での業界標準の獲得を目指していくという。

協業の狙いと今後の展開共同開発する通信用LSIの構成

この協業における両社の役割は、主に以下のとおり。

NEC
国内向けのW-CDMA方式端末で培った最先端コア技術や、選考開発で蓄積したノウハウ、新サービスへの対応力を生かした、LSI仕様の策定とLSI完成後の装置評価を担当
NECエレクトロニクス
国内向けシングルチップ3G通信LSIでの実績、垂直統合型デバイスメーカーならではの技術力と信頼性、ソフトウェアを含めたソリューション提案力を生かした、LSIのシステム設計/開発/製造

製品ロードマップNECエレクトロニクスによる共同開発LSIの外販の狙い

両社ではこの協業において、海外で主流の“2.5世代通信方式”のGSM/GPRS/EDGEを取り込んだデュアルモードLSIの開発と、現行の3G通信方式の5倍以上の通信速度を実現可能だとされている次世代高速データ通信方式“HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)”や、携帯電話端末による地上デジタル放送受信など、今後進展する高機能化への対応を強化し、海外市場での3G携帯電話端末の進化にもマッチしたプラットフォームの開発を進めていく。

また、今回発表されたW-CDMAおよびGSM/GPRS/EDGEのデュアルモード対応のLSIの開発に続いて将来的には、NECエレクトロニクスが9月に発表したアプリケーションプロセッサー『MP211』と新LSIの連携や、通信用LSIへのアプリケーションプロセッサーの統合といった展開を計画しているという。

NECではこれまで、海外向け携帯電話端末の通信用LSIには、海外製メーカーのものを利用。一方のNECエレクトロニクスは、これまでGSM/GPRS/EDGE対応製品の展開は行なっておらず、今回の協業に向けて、海外メーカーとの技術提携を行なったという(提携先は未公表)。また、NECでは今回の協業によって端末開発期間の短縮とともに開発コストの圧縮も見込めるとし、NECエレクトロニクスでは、NECに加えて他社にもLSIを販売することによる生産量増加から来るチップ単価低下のメリットも得られるとしている。

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