高輝度液晶と高画質TV機能を備えたビデパソノート「Qosmio E10/1KCDE」。 |
あえてdynabookの名を冠さず
東芝渾身のAVノート
ASCII24「東芝、AV機能を特化したノートパソコンの新ブランド“Qosmio”を発表――第1弾として“dynabook Qosmio E10”シリーズ3機種を8月6日に発売」ニュース。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
去る7月22日に東芝は、TV録画機能付きのAVノートPC「Qosmio」シリーズ3機種を発表、8月前半より順次出荷を開始している。ラインナップには、Pentium M 715とIEEE 802.11b/gワイヤレスLANを搭載する「E10/1KLDEW」、Celeron M 330を搭載する「E10/1KCDE」、同じCPUで高画質化機能が簡略化された「E10/1JCDT」が用意されている。今回はE10/1KCDEを紹介しよう。
「東芝のノート」と言えば「dynabook」とくるくらい、dynabookは東芝の看板ブランドとして定着している。しかし東芝が満を持して投入するQosmioには、dynabookの名はない。高い知名度のブランド名を使わず、あえてまったく新しい製品群としてQosmioを投入した点にも、この製品にかける東芝の意気込みが伝わってくる。
AV機器のTV表示をノートPCに
写真1 E10/1KCDEの右側面。左からボリュームダイアル、オーディオ出力、マイク入力、DVDドライブ、USBが並ぶ。 | 写真2 左側面。右からPCカード、i.LINK、ブリッジメディアスロット、USB。本機は試作機で、ワイヤレスLANは製品にはついていない。 |
「AV技術とPC技術の融合」をコンセプトに掲げるQosmioは、特にノートPCでのTV・DVDの表示品質にこだわった製品となっている。高画質化のポイントは液晶パネル、TVチューナ、そして「QosmioEngine」と呼ばれる独自の高画質化回路にある。
液晶パネルには最高輝度600cd/m2という非常に明るいパネルを採用している。これは14~15型の液晶TVと比べても明るく、ノートPCでは随一。実際テスト中に輝度を最高にしてTVを表示していると、通りがかる人が口々に「明るい」「きれい」と賞賛するほどだ。明るいだけでなくコントラスト、視野角ともに良好で、TVを鑑賞するのに十分な画質を持つ。またTVチューナは3次元Y/C分離やゴーストリダクション、タイムベースコレクタといった高画質化の機能を備えた小型のものを、本体に内蔵している。
写真3 背面。右から3つめの端子はD1/D2映像出力端子。PCでD映像出力を備えるものは非常に珍しい。これも高画質への自信の現われか。 |
高画質化のためのもう1つのポイントであるQosmioEngineは、GPUから液晶への出力系統の間に配置されるビデオプロセッサと、ソフトウェアで構成される。これによってPCのGPUだけではできない、色補正やエッジ補正、ブロックノイズの低減(デブロッキング)、液晶の応答速度を高めるデジタルオーバードライブといった処理を行い、TVやDVDの表示品質を高めることが可能になっている。
さらにWindowsを起動しなくともTVやDVDの再生、TV録画が可能になる「Qosmio Player」という機能も備えている。Windowsを必要とせずにTVタイムシフト視聴まで可能にするものは珍しい。