EM64T採用Xeonプロセッサーを2基搭載するx86サーバーの低価格モデル“HP ProLiant ML150シリーズ” |
日本ヒューレット・パッカード(株)は18日、東京・天王洲の本社会議室で記者説明会を開催し、EM64T採用Xeonプロセッサーを2基搭載するx86サーバーの低価格モデル“HP ProLiant(プロライアント) ML150シリーズ”と、同社で初のiSCSIに対応可能(オプションの『HP ProLiant Storage Server iSCSI FeaturePack』の導入が必要)なタワー型ストレージ“HP ProLiant ML350 Storage Serverシリーズ”“同 ML370 Storage Serverシリーズ”を本日販売開始すると発表した。併せて、従来“HP StorageWorks NASシリーズ”として販売していた5モデルを名称変更/価格改定して本日販売開始する。新製品/名称変更製品の価格(新価格)と主な特徴は以下のとおり。
低価格EM64T対応64bit x86サーバー
- HP ProLiant ML150シリーズ
- CPUに64bitコードと32bitコードの混在が可能なメモリー拡張機能“インテル エクステンデッド・メモリ 64 テクノロジ(EM64T)”を採用したNocona(ノコナ)コアのXeonプロセッサー3GHz×2または3.20GHz×2を搭載
- Ultra320 SCSI対応HDDを最大6台まで搭載可能、電源を落とさずにディスク交換が可能な“ホットプラグ”対応モデルも用意
- 遠隔地からネットワーク経由でのリモートメンテナンスを実現する『Light-Out(ライツアウト) 100 リモート マネジメント カード』をオプションで用意
- Xeon 3GHz×2搭載モデル 15万3300円~
- Xeon 3.20GHz×2搭載モデル 17万4300円~
- Xeon 3GHz×2/ホットプラグ対応モデル 17万2200円~
- Xeon 3.20GHz×2/ホットプラグ対応モデル 19万3200円~
ミニタワー型ストレージ“HP ProLiant ML350 Storage Serverシリーズ” | ミニタワー型ストレージ“HP ProLiant ML370 Storage Serverシリーズ” |
タワー型ストレージ
- HP ProLiant ML350 Storage Serverシリーズ
- CPUにXeon-3GHzもしくは同-3.20GHzを1基搭載
- OSにMicrosoft Windows Storage Server 2003プレインストール
- Ultra320 SCSI対応HDDをOS用に2台(36.4GB×2のミラーリング)、データ用に4台内蔵可能
- ディスクコントローラーとして、64bit/133MHzのPCI-Xインターフェースに“Smartアレイ642コントローラ”を搭載(バッテリーバックアップ式キャッシュ128MB付き)。RAID 0/1/0+1/5を設定可能
- Xeon 3GHz搭載ベースモデル(データ用HDDはオプション) 48万3000円~
- HP ProLiant ML370 Storage Serverシリーズ
- CPUにXeon-3.40GHzを1基搭載
- OSにMicrosoft Windows Storage Server 2003プレインストール
- Ultra320 SCSI対応HDDをOS用に2台(36.4GB×2のミラーリング)、データ用に4台内蔵可能
- ディスクコントローラーとして、64bit/133MHzのPCI-Xインターフェースに“Smartアレイ6402コントローラ”を搭載(バッテリーバックアップ式キャッシュ128MB付き)。RAID 0/1/5/10を設定可能
- Xeon 3.40GHz搭載ベースモデル(データ用HDDはオプション) 63万円~
名称変更/価格改定したHP ProLiant Storage Serverシリーズ
- HP ProLiant ML110 Storage Server
- 低価格タワー型ストレージ
- 旧名称:HP StorageWorks NAS 500s
- 17万8500円~(新価格)
- HP ProLiant DL100 Storage Server
- 低価格1Uタイプストレージ
- 旧名称:HP StorageWorks NAS 1500s
- 29万4000円~
- HP ProLiant DL380 Storage Server
- 2Uタイプストレージ
- 旧名称:HP StorageWorks NAS 2000s/同 4000s
- 54万6000円~
- HP ProLiant DL580 Storage Server
- ラッキングタイプストレージ
- 旧名称:HP StorageWorks NAS 9000s
- 312万9000円~
テクノロジソリューション事業統括 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部長の松本芳武氏 | エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリ スタンダードサーバ製品本部 ビジネスプランニング部長の橘 一徳氏 | エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ネットワーク・ストレージ製品本部 ビジネスプランニング部の近藤泰斗氏 |
説明会には、テクノロジソリューション事業統括 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部長の松本芳武(まつもとよしたけ)氏、エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリ スタンダードサーバ製品本部 ビジネスプランニング部長の橘 一徳(たちばなかずのり)氏、エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ネットワーク・ストレージ製品本部 ビジネスプランニング部の近藤泰斗(こんどうたいと)氏らが出席し、エントリーサーバー事業の強化戦略や製品名称(ブランド)変更にともなうNAS製品への新たな取り組みについて説明した。
HP ProLiantシリーズの対前年度売上の推移 | x86サーバーの国内マーケットシェアの変化 | |
サーバー市場の変化とトレンド |
松本氏は、「ヒューレット・パッカードの会計年度は10月締め/11月スタートで、2004年度の会計報告を今週行なったばかりが、今回発表する製品に関連するところでは、ワールドワイドのインダストリーサーバー事業では、台数ベースで18%増加、金額ベースでも16%増加を果たした。日本市場に絞ってみても、2004年度の市場全体の成長は15%程度なのに対して、HPは毎月20~30%の伸びを記録している。x86サーバーの市場では、コンパックとの合併直後(2001年当時)には1位だったものが、その後苦戦を続けてきた。しかし、直近では2位に急接近する3位の座を占めており、遠からず1位に上れると確信している」と自信をうかがわせた。
全世界におけるストレージシステムの出荷台数と前年比 | 国内のディスクストレージの市場規模と推移 | 国内のNAS市場状況。50万円以下のエントリーモデルの出荷が伸びている | ||
ストレージ市場の変化とトレンド |
ストレージ市場についても、「HPはワールドワイドで見るとストレージシステムのNo.1シェアを獲得している。これはエントリーレベルからミッションクリティカルなハイエンドシステムまで、幅広いラインナップを提供していることなどが要因として考えられるが、HPが好調なだけでなく市場全体もストレージを求める声が高まっている」「日本でのNAS(ネットワークアタッチドストレージ)シェアは、2003年上半期には0.6%に過ぎなかったものが、同年下半期に4%、2004年上半期には18.7%へと急成長している。この勢いを続けて、2005年中にはシェア30%を達成したい」と話し、成長市場に新製品投入を投入するとこで、さらなる需要の喚起を促す狙いがあることを示した。
低価格モデルの投入による、製品ラインナップの強化 | 社長の樋口氏が提唱する、HP ProLiantシリーズの“二極化戦略” | |
新たにProLiantシリーズのブランドに加わったストレージサーバーの位置づけ | C.T.O.ビジネスのトレンド | |
x86サーバー/ストレージサーバーの新製品の位置づけ |
続いて橘氏はIM64T対応Xeon搭載サーバーの低価格モデルを投入することについて、「社長の樋口が以前から口にしているように、『HP ProLiantは二極化戦略でいく』ことを今後も推進する。これは、バリュービジネスとボリュームビジネスの2つの領域に分けて攻めるということ。手厚いサポートを必要としない、ハイリテラシーな“新しい顧客層”には、“Directplus/Directpartner”などウェブ販売ビジネスを中心にして、徹底したコスト削減と販売価格への還元、ならびに広告展開による需要喚起を進める。一方、手厚いサポートを必要とする“従来型顧客層”には、ボリュームパートナーとの協業や直販ソリューションを活用して、価格ではなく付加価値で戦う」「前者はまさに“デルと戦う!”ということ。そのためには、C.T.O.(カスタム to オーダー、カスタムメイド)比率を上げていくという戦略が必要になる。実際、昨年11月から今年9月までに、C.T.O.での販売金額は10倍に伸びている。このさらなる成長のために、価格競争力のあるHP ProLiant ML150や、低価格なストレージ製品(ML110 SS/DL100 SS)をダイレクト販売の分野で伸ばしていきたい。ストレージ製品を“ProLiant”ブランドに統一したことで、一貫性のあるビジネス展開、提案・訴求ができる」と、サーバー/ストレージで一丸となってデルと真っ向勝負する意気込みを見せた。
橘氏のプレゼンテーションの最後に紹介された、52年前に始めて米アイ・ビー・エム社が発表した、世界最初のHDD。時代の変化、需要の変化を象徴する1枚の写真として印象的 |
近藤氏は今回ストレージ製品と同時に発表された、同社として初めてiSCSI対応となる機能拡張ソフト『ProLiant Storage Server iSCSI Feature Pack』について、「HPとしてもiSCSIには当初から取り組んできたが、インフラの整備やパフォーマンスの向上が進み、市場からのニーズも高まってきたと判断し、このたび初めて拡張ソフトで対応した。従来(ネットワークドライブ)はファイル単位でのアクセスしかできないが、iSCSIを導入することでブロックレベルのアクセスが可能になり、特にファイル数が多いボリューム(論理ドライブ)のバックアップなどで性能向上が図れる」と、メリットを説明した。なお、iSCSI Feature Packは、今回発表されたストレージ新製品およびリブランドされたストレージ製品(DL580を除く)で利用可能となる。
HP ProLiant Storage Serverシリーズのラインナップ | “ML Storage Server”のターゲットセグメント | |
“DL Storage Server”のターゲットセグメント | 同社初となるiSCSI対応機能拡張ソフト『ProLiant Storage Server iSCSI Feature Pack』 |