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ソニー・コンピュータエンターテインメント、『グランツーリスモ4』の完成披露会を開催――発売は12月3日

2004年11月09日 23時29分更新

文● 編集部 小西利明

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もう1つのBスペックモードは、ドライバーではなくレースチームの監督的なポジションでレースを楽しむモードだ。山内氏による実際のデモでは、自動で走る車に対して“マイペース”や“ハードプッシュ”など走るペースを指定したり、オーバーテイク(追い抜き)やピットインの指示をボタン1つで出したりと、レースの監督気分で車を操っていた。操作も簡単で、レースゲームが苦手でもレースの駆け引きを味わえるのは、腕の鈍った元ゲーム少年たちには嬉しい限りではなかろうか。

GT4のゲームモードは、通常のレースを主体とした“A-Spec”と、レースを外から楽しむ“B-Spec”の2種類が用意されている。これにより、レースゲームマニアではないカジュアルな車好きの取り込みを狙う Bスペックのプレイ中の様子。簡単な操作で車に指示を出すだけで、レース中継のような迫力あるレースを自分で作り出せる
GT4のゲームモードは、通常のレースを主体とした“A-Spec”と、レースを外から楽しむ“B-Spec”の2種類が用意されている。これにより、レースゲームマニアではないカジュアルな車好きの取り込みを狙うBスペックのプレイ中の様子。簡単な操作で車に指示を出すだけで、レース中継のような迫力あるレースを自分で作り出せる

シリーズ累計で3600万本を超えるGTシリーズは、有名自動車メーカーとのコラボレーションによって生まれた派生品(多くは非売品)も多く、海外の自動車ショーでしかお目にかかれないようなものもたくさんある。GT4にもそうしたコラボレーション企画がいくつか盛り込まれている。たとえば現在改修中のレース場、富士スピードウェイの改修後の姿が“富士スピードウェイ2005”として登場したり、BMWが2005年に発売する“BMW 3 Series”が実車の登場より早くゲーム内に登場する。さらには日産ヨーロッパが、GT4の名を冠した『NISSAN 350Z Gran Turismo 4 Limited Edition』という自動車(もちろんゲームにも登場する)を、実際に来春より販売するという前代未聞の試みまで行なわれている。

実車より早く、ゲーム内で新車が体験できるコラボレーションも行なわれた。左はBMW 330i(E90)、右はNISSAN 350ZのGT4版

さらにスポーツ用品ブランドの“ナイキ(NIKE)”とのコラボレーションにより、オリジナルデザインのレーシングシューズ、GT4とナイキのシンボルが描かれたTシャツを、ゲームと一緒にアタッシュケースにパッケージングした、『NIKE/GRAN TURISMO 4 Limited Edition』という商品が、全世界限定1000個で販売(3万3600円)されるという発表もあった。しかもこれに含まれるTシャツを、GT4のゲーム内でPS2につないだ『EyeToy USBカメラ』に認識させると、ナイキのデザイナーがデザインした2020年の車“NIKE ONE”がゲーム中でプレイできるようになるというギミックまでついているというから驚きだ。

これが発表された瞬間、“もしかして世界で1000人しか遊べない車なのか?”という疑問が湧いた人がたくさんいたらしく、会場にざわめきが広がったのだが、山内氏が「プレイしていくうちに(誰でも)ゲーム中に登場します」と発言し、安堵の笑い声が沸き起るという一幕もあった。

『NIKE/GRAN TURISMO 4 Limited Edition』に含まれるレーシングシューズとTシャツ(男性着用)。たまたまナイキを訪れた山内氏が、デザイナーに出した要望を元に制作された、レースだけでなく歩くときも疲れないシューズとのこと TシャツをEyeToy USBカメラに認識させると出現する、オリジナルカー“NIKE ONE”。バイクのようにまたがり操縦する
『NIKE/GRAN TURISMO 4 Limited Edition』に含まれるレーシングシューズとTシャツ(男性着用)。たまたまナイキを訪れた山内氏が、デザイナーに出した要望を元に制作された、レースだけでなく歩くときも疲れないシューズとのことTシャツをEyeToy USBカメラに認識させると出現する、オリジナルカー“NIKE ONE”。バイクのようにまたがり操縦する

非常に盛り上がった披露会の最後に、山内氏はGTシリーズの今後の取り組みとして、子供たちに向けた“グランツーリスモ for Boys”のコンセプトを語った。これには「もっともっと、小さな子供たちに車の楽しさを知ってほしい。ゲームというメディアを使って、20年くらいの射程で、長い目で車好きを増やしたい」という山内氏の願いが込められている。具体的な開発に入っているプロジェクトではないようだが、「なるべく低いコスト(価格)で、できることなら無償で子供たちの元に届けたい」(山内氏)とのこと。どういう形態で登場するのかは分からないが、山内氏は来場していた多数の自動車メーカー関係者や報道関係者に向けて、協力をと訴えた。今後の展開に期待したいアイデアと言えよう。

“グランツーリスモ for Boys”のコンセプトを語る山内氏。「車好きの恩返し」という
“グランツーリスモ for Boys”のコンセプトを語る山内氏。「車好きの恩返し」という

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