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【Macromedia MAX 2004レポート Vol.3】基調講演でも観衆の関心は全米選挙に集中!! 会場で投票結果は……!?

2004年11月03日 22時45分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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基調講演で司会を務めた、米マクロメディア社のCOOのスティーブン・イーロップ氏
基調講演で司会を務めた、米マクロメディア社のCOOのスティーブン・イーロップ氏

2日(2日目)の午前中には、米マクロメディア社のCOO(最高執行責任者)のスティーブン・イーロップ(Stephen A. Elop)氏と上級副社長兼CSA(ソフトウェア設計責任者)のケビン・リンチ(Kevin Lynch)氏のダブル司会による基調講演が開催された。リンチ氏は10月22日に東京・渋谷で行なわれたMacromedia Flash関連製品のユーザーカンファレンス“Macromedia Flash Conference 2004”に続いての登壇で、発表された内容の大筋は東京での内容とほぼ同等だが、全米はもちろん世界が注目している米大統領選挙(予備選)の投票当日ということもあり、大統領選挙を題材にしたプレゼンテーションが多数登場して会場を沸かせた。



人類の進化!? の系図
人類の進化!? の系図(風刺入り)

最初に登壇したイーロップ氏は、人類の進化形として猿(猿人)から立ち上がり、道具を使い始め、さらに進化して背中を丸めながらパソコンを使う現代人へという風刺をこめたスライドを掲示。「人類は今、最高のデスクトップ(パソコンおよびユーザーインターフェースの双方を示す)/最高のモバイル(携帯電話ならびにPDA、家電機器)/最高のウェブ(インターネット全般および人々が情報配信するウェブサイト)を手にした。そして今ベストウェイとしてのRIA(リッチインターネットアプリケーション)が必要だ」とFlash関連製品が果たしてきた(今後も果たす)役割の重要性をアピールした。

イーロップ氏が自分の顔入り切手を作ってご満悦なウェブサイト“Fan Stamps”を紹介
イーロップ氏が自分の顔入り切手を作ってご満悦なウェブサイト“Fan Stamps”を紹介

その後、Flashを使ってインタラクティブな表現力を高めたウェブサイトとして、車や洋服などのメーカーサイト、自分の顔写真を使った切手が作れるという“Fan Stamps”というサイトなどを紹介。さらに、コミュニケーション&教育向けソフト『Macromedia Breeze』が米国で500以上の企業・団体に採用されている実績を強調した。

大統領選関連のFlashアニメ1 大統領選関連のFlashアニメ2 大統領選関連のFlashアニメ3
米大統領の座を争う2人、ブッシュ氏とケリー氏を応援!? するFlashアニメーションを表示しながら携帯電話による投票を待つ

最後にイーロップ氏は、『Macromedia Flex』(データベースシステムとXMLで連携する可視化システム)を用いたリアルタイム集計システムのデモンストレーションを兼ねて、会場に向かって「今すぐセルフォン(携帯電話)を取り出し、SMS(短い文章を送受信できる携帯電話向けメールシステム)を使って投票してください。ブッシュですか? ケリーですか? どちらにも投票しませんか?」と呼びかけた。SMSとの連携は現在開発中の次世代『Macromedia ColdFusion MX』(コードネーム:Blackstone、機能拡張用ツールでフォーム作成などの機能を持つ)の新機能。これにFlexのリアルタイムデータ取得&表示システムを組み合わせたデモンストレーションというわけだ。その投票の最中には、ブッシュ、ケリー両氏を同じように皮肉ったFlashアニメーションを流し続けるといった演出も見せた。

東京のMacromedia Flash Conference 2004でも司会を務めた、上級副社長兼CSA(ソフトウェア設計責任者)のケビン・リンチ氏
東京のMacromedia Flash Conference 2004でも司会を務めた、上級副社長兼CSA(ソフトウェア設計責任者)のケビン・リンチ氏

次に壇上に立ったリンチ氏は、『Macromedia Flash Player』(Flash再生ソフトで、パソコン向けには無料配布され、家電機器や携帯電話などでは一部機種にあらかじめ組み込まれている)の普及率の高さを説明。「新バージョンを発表すると、配布開始から12ヵ月で80%もの人がバージョンアップを果たす。マイクロソフトのOSなどとは普及の早さが違う」といったプレゼンテーションを展開。リンチ氏も続けてFlashを効果的に使った各種ウェブサイトを紹介していったが、中でも注目を集めたのは、やはり大統領選挙にまつわるウェブサイトだ。日本のスタッフに聞いたところ、リンチ氏はこの日のプレゼンテーションに備えて選挙関連のウェブサイトをいろいろ見比べて比較検討したそうだが、もっとも素晴らしい出来栄えなのは、皮肉にも米国のニュースメディア(ABC/CBS/CNNなど)ではなく英国BBCのサイトだった。リンチ氏が会場で紹介したBBCの選挙情報では各州での状況がわかりやすく表示されるのはもちろん、56年前(1948年)までさかのぼって、週ごとの共和党/民主党の支持(予備選の投票結果)をグラフィカルに表現し、遍歴がわかるという仕掛け(Flashコンテンツ)を実現している。



英国BBCの米大統領選挙を報じるサイトを紹介
英国BBCの米大統領選挙を報じるサイトを紹介。下のスライドバーを移動することで、各年ごとの大統領選挙における支持政党の変遷がわかる

その後は、ユーザーインターフェースのあり方や進化の道筋、近々発売予定の『Macromedia Flex 1.5』や、現在2000人以上によるβテスト中という次世代Macromedia ColdFusion MXを紹介。Flex 1.5のデモでは、最初に来場者に投票させた結果を分析するツールを即興でこしらえ、「ほら、ブッシュへの投票者はテキサス州の住人が多いぞ」と分析結果(SMSを送信した電話番号から集計)を示して会場を再び沸かせた。

ユーザーインターフェースの設計の重要性を語る、マイケル・グー氏とマイク・サンダーメイヤー氏 Flash Player 8を説明する、Flashテクニカルプロダクトマネージャーのマイク・ドウニー氏
ユーザーインターフェースの設計の重要性を語る、マイケル・グー(Michael Gough)氏とマイク・サンダーメイヤー(Mike Sundermeyer)氏Flash Player 8を説明する、Flashテクニカルプロダクトマネージャーのマイク・ドウニー(Mike Downey)氏
こちらでは“OCHO”と呼称して紹介したFlash Player 8
日本では“8 ball(エイトボール)”と呼称していたが、地域性を考えてか“OCHO”と呼称しながら紹介したFlash Player 8

午前10時半に始まり、当初は12時のランチタイムまでの予定だったが、大幅に(20分以上)延びた公演の最後には、日本と同様“Flash Player 8”(スペイン語で数字の8を意味する“OCHO(オチョ)”と呼称)を紹介したが、デモの内容は日本で行ったものから特に目新しいところはなかった。


なお、会場での模擬選挙の結果は、ブッシュ氏が42%、ケリー氏が54%、どちらにも投票しないは4%以下で、ケリー氏優勢となったが、現実ははたして? 米大統領選挙の結果は、米国時間の3日深夜には大勢が判明する予定だ。



会場での模擬選挙の結果
会場での模擬選挙の結果

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