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【最新パーツ性能チェック(Vol.28)】いよいよFSB1GHzオーバーへ!DDR2がフルに生きるPentium 4 Extreme Edition-3.46GHzの性能は?

2004年11月04日 19時54分更新

文● アスキープラス編集部 野口岳郎

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2倍の価格に見合う性能は出るか

 さて、Pentium 4 EEシリーズはこれまで「メインストリームのPentium 4の最上位と同クロックで、3次キャッシュ装備によるさらなる性能アップ」をウリに、メインストリームの2倍以上の価格を付けてきたが、今回については、最上位のPentium 4 560は3.6GHz動作であり、クロックで言えばこれよりは133MHz遅い。そのビハインドを、3次キャッシュと1066MHzのFSBでどれくらい補い、プラスにまで持って行けるのかがまずは注目される。
 もう一つは、FSBが1066MHz化することで得られるメモリ性能の実質的な強化だ。従来のPentium 4の800MHzのFSBは毎秒6.4GBのデータしか読み書きできない。DDR 400/デュアルチャネルの最高性能は毎秒6.4GBだからこれでもまあよかったが、DDR2-533をデュアルで使うと、その性能は毎秒8.5GBに達する。せっかくのこの性能が、FSBにクリッピングされてしまう。そのためベンチマーク結果を見ても、925プラットフォームにおけるDDR400とDDR2-533の性能差はあまり大きくない。
 FSBが1066MHzになると、FSBの帯域はDDR2-533にジャストフィットの8.5GB/秒に上がる。これにより、CPUのコアの性能をより大きく引き出せるようになる。実際、初めてFSB 800MHzを達成したPentium 4-3.0CGHzは、FSB 533MHzのPentium 4-3.06GHzよりもはるかに高速だった、という実績もある。



 というわけで、まずメモリ性能を測定したのがグラフ1である。見てのとおり、FSB 800時には超えられなかった5GB/秒の壁をラクラク超え、約5.5GB/秒という性能を実現している。ただ、性能向上率は12.5%にとどまり、クロックの上昇率(33%)に比べるとやや少ないのは気がかりだが、性能向上には大きな援軍だ。

Sandra 2004 Memory
グラフ1 Sandra 2004 Memory

 グラフ2~7は、インテルの“i925XE”マザーボード「D925XECV2」上で、Pentium 4 EE-3.46GHzとPentium 4 550(3.4GHz)とで3D性能がどれほど違うかを計測したものだ。ビデオカードがPCI Expressベースなので、ここではAthlon 64陣営とは対決できないのはご容赦いただきたい。ビデオカードにはATIのRADEON X700 Pro(256MB)を使用、メモリはDDR2-533MHzを512MB装着した。
 3.46GHzのスピードは圧倒的だ。3DMark 03のように、GPU性能だけにほぼ依存するようなソフトで差が少ないものの、他のテストでは7~14%ほども高いスコアが出ている。Commanche 4に至っては35%も高速だ。CPUが1グレード上がっても3D系のベンチマークでは2~3%上がればいい方なので、これだけの大差がつけば、今回計測できなかったPentium 4の最上位、560を使っても追いつける可能性はほぼない。

グラフ2 Final Fantasy XI ver.2グラフ3 Commanche 4
グラフ4 3DMark 2001SEグラフ5 3DMark 03
グラフ6 Unreal Tournament 2003グラフ7 Unreal Tournament 2004

 一方で、CPUパフォーマンスを問われる処理では必ずしも結果は思わしくない。CineBench 2003のレンダリングでは飛び抜けた値を出したものの、Windows Media VideoではPentium 4 560(3.6GHz)に惜敗、TMPGEnc 3、DGCAβ9においてはPentium 4 550(3.4GHz)にも大きくリードを許している。Prescottコアでは2次キャッシュが1MBに拡大しているほか、SSE3をサポートしているので、それらと相性のいいテストの場合、Gallatin(Northwood+3次キャッシュ2MB)コアのPentium 4 EEは不利になる。

グラフ8 Cinebench 2003グラフ9 TMPGEnc 3
グラフ10 Windows Media Video 9グラフ11 DGCAβ9

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