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日本アルテラ、同社の事業戦略についての記者説明会を開催――先端プロセスを使ったASIC、FPGAをアピール

2004年10月29日 21時20分更新

文● 編集部 小西利明

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ロードマップについて解説する、米アルテラ社マーケティング・シニア・バイスプレジデントのエリック・クレイグ氏
ロードマップについて解説する、米アルテラ社マーケティング・シニア・バイスプレジデントのエリック・クレイグ氏

プログラマブルな論理回路(PLD)の設計企業である日本アルテラ(株)は29日、東京国際フォーラムにてハードウェア開発者向けカンファレンス“ALTERA PLD WORLD 2004”を開催、それに合わせて米アルテラ社マーケティング・シニア・バイスプレジデントのエリック・クレイグ(Erik Cleage)氏により、同社の事業戦略や製品ロードマップについて説明する記者説明会を開催した。

初めに同社代表取締役社長の日隈寛和氏により、アルテラ全社の2004年第3四半期(7~9月)の業績について説明があり、前年同期比で26%増、新製品は前年同期比で212%増の成長を遂げたとした。特に同社の低コストFPGA(Field Programmable Gate Array:プログラムによって機能を変更できるLSI)“Cyclone”シリーズは、500万個の出荷を達成したという。

続いてクレイグ氏によるプレゼンテーションが行なわれた。まずクレイグ氏はデジタル家電製品の開発から製品寿命までの期間が1年程度と非常に短くなっているにも関わらず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向けIC)の開発に要する時間が長期化している点に触れ、同社のFPGA製品を利用することで、製品のリリース頻度を3~6ヵ月程度に短縮できるとアピールした。またそのために低コストのCycloneシリーズと、0.13μm~90nmプロセスで製造され高性能を狙う“Stratix”シリーズの2本立てでFPGA製品を提供していくと述べた。またStratixシリーズについては、FPGA市場の最先端に位置する0.13μm~90nmプロセスを使うカテゴリーでは、すでに市場シェアの70%を獲得。同分野では競合企業である米ザイリンクス(Xilinx)社の30%程度を大きく上回っているとした。



アルテラの製品ラインナップ図。FPGA製品のCycloneとStratix、ストラクチャードASICのHardCopyについて言及された 2系統のFPGA製品のロードマップ。高性能を志向するStratixは、2006年には65nmプロセスを使用する
アルテラの製品ラインナップ図。FPGA製品のCycloneとStratix、ストラクチャードASICのHardCopyについて言及された2系統のFPGA製品のロードマップ。高性能を志向するStratixは、2006年には65nmプロセスを使用する

またASIC分野では、ストラクチャードASIC(汎用設計のメタル層とユーザーがカスタマイズ可能な層を組み合わせることで、開発期間とコストを削減するASIC)の“HardCopy”シリーズを提供し、セットトップボックスやデジタル家電から、携帯電話基地局や航空機器まで、幅広い分野で応用されていることをアピールした。HardCopyの将来ロードマップも示され、現在の第2世代が0.13μmプロセスで製造されてゲート数は100万であるところを、2005年登場予定の『HardCopy II』では90nmプロセス、ゲート数220万とさらに高性能化を進めていくという。

ストラクチャードASIC“HardCopy”シリーズのロードマップ。第3世代は2005年に登場予定で、90nmプロセスで製造される
ストラクチャードASIC“HardCopy”シリーズのロードマップ。第3世代は2005年に登場予定で、90nmプロセスで製造される

最後に行なわれた質疑応答でクレイグ氏は、最先端プロセスの活用法について、「リーディングエッジの技術を使う企業は、より複雑な製品に投資をしている。その理由の1つは、高コストであるためなんらかの即時的な回収を臨むからだ。それには過去にない新しい機能・能力を出すことが必要。次世代のプロセスを使うことで、より性能を確保できる。低コスト化のために先端プロセスを使っても、すぐには低コストにはならない」と述べ、最先端プロセスを低コスト製品から活用する米ザイリンクス社との方針の違いを示した。

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