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マイクロソフト、“MSN”事業についてのプレスセミナーを開催――3年でYahoo! Japanに匹敵するユーザー数のサイトに

2004年10月29日 19時52分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は28日、月例のプレスセミナーを開催し、オンラインサービス“MSN”事業に関する事業方針の説明などを行なった。プレゼンテーションを行なったのは、同社執行役でMSN事業部長の塚本良江氏。

マイクロソフト執行役、MSN事業部長の塚本良江氏

マイクロソフトの事業は、

  • Windowsビジネス(Windows OS関連製品群)
  • インフォメーションワーカービジネス(Office関連製品群)
  • サーバープラットフォームビジネス(Windows Server関連製品群)
  • モバイル&エンベディッドデバイスビジネス(Windows CE/XP Embedded/Mobile/Automotiveなど)
  • ビジネスソリューションビジネス(日本では製品未発売。現在展開の準備中)
  • ホーム&エンターテインメント(Xbox関連製品、コンシューマー向けハードウェア、ゲームなど)
  • MSN

の7つのビジネスグループに分類されている。グローバルでの2005会計年度第1四半期のMSNの売り上げは、7ビジネスグループの合計(90億ドル、1兆円弱)の約6%にあたる5億4000万ドル(約600億円)で、前年同期比約10%の成長となったという。

米マイクロソフト社および各地域会社がグローバルで展開しているオンラインサービス“MSN”は、現在39マーケット20言語で展開中で、月間ユーザー数は約3億5000万人。このうち、日本でのサービスは、月間3200万人が利用し、同社サービスに登録しているアクティブユーザーは約1000万人だという。

ポータル総合力ランキング。ブランド別の月間ユーザー数を示した数値で、MSNはYahoo! Japanに続いて第2位プロパティーランキング。MSNは、Yahoo! Japan、楽天に続き第3位ドメイン別ランキング。“msn.co.jp”が6位、“msn.com”が12位に分散してランクインしている

塚本氏によると、サイトの格付けの指標となる数値として、日本ではドメイン別ランキングやプロパティーランキングが利用されているが、海外では“ブランド”別のユーザー数ランキングが主に用いられているという。日本のMSNの場合、ユーザー数が多い“MSN Hotmail”は、米国にサーバーがある関係で“msn.com”ドメインでサービスが提供されているが、このほかのサービス/コンテンツは“msn.co.jp”で展開されている。そのため、ドメイン別の統計では両ドメインにユーザーが分散してしまう結果となっているが、“MSN”というブランド名で統計した場合にはこのような分裂状態はなく、日本でのランキングでは、“Yahoo! Japan”に続く第2位のブランドに位置するとしている。

MSN各種サービスのページビュー比率

現在のMSNのサービス(カッコ内はページビューの比率)は、

  • MSN Hotmail(29%)
  • 検索サービス(25%)
  • ホームページ(18%)
  • ニュース(8%)
  • その他(20%)

となっているという。塚本氏は、同社の基本姿勢を「ソフトウェアをベースとしたイノベーションを行なってきた企業」と説明、MSNの事業もこれに従い、ソフトウェアをベースとしたビジョンの具現化により、コミュニケーションサービスとインフォメーションサービスの提供を行なっていくとした。また、日本のMSNでは、日本ならではの市場環境(世界で最も安く高速なブロードバンド環境や携帯電話をはじめとするモバイル環境の拡大、インターネット広告の伸び、サーチ/コミュニケーションサービスのユーザーの爆発的な増加、モバイル/パソコン環境のシームレスな利用に対する需要の高さ、など)に応じたサービスの提供も不可欠だとしている。

これらの状況を踏まえてMSNでは、今後以下のようなサービス開発/事業戦略を進めていくとし、塚本氏は「3年をめどに“Yahoo! Japan”と肩を並べるユーザー数の獲得を目指す」と述べた。

独自開発の新検索エンジンの導入
従来は他社のエンジンを使用。今年度中の提供開始を目指して、現在開発作業を進行中。将来的には、インターネット/イントラネット/手元のパソコンにあるデータを一括して検索できるようなサービスの提供。
新しいコミュニケーションサービスの導入
“Integrated Communication”を目標に、メール(MSN Hotmail)、メッセンジャー(MSN Messenger)、ブログ(MSN Spaces)などを統合的に利用するサービスなどを展開。
パソコンとモバイル環境の統合
日本で特に重視される展開。パソコンとモバイルを統合したサービスの展開を進める(モバイル向け検索や携帯電話からも書き込み可能なMSN Spacesなどの提供はその一例)。
パートナー戦略の推進
各業界のリーダー的企業との業務提携によるコンテンツの展開。
新市場開拓
エンターテインメント分野を中心とした、新しい市場への進出(音楽販売サービス“MSNミュージック”など)。

MSNミュージックの概要を説明するスライド
特に注目の展開としては、10月20日にスタートした“MSNミュージック”がある。どうサービスは、ポータルサイト“MSN”と『Windows Media Player 10』を入り口とする音楽ダウンロード販売サービス。検索/視聴/ダウンロード購入/CD購入のほか、MSN MessengerやMSN Spaces、検索サービスといったMSNの各種サービスとの連携機能も持つ。ダウンロード販売で購入したコンテンツは、Windows Media DRM(Digital Rights Management)に対応したポータブルデバイスでの再生が可能。登録楽曲数は、現時点で約5万曲、今年度中に10万曲程度を目指すとしている。

MSNの収益の90%以上を占めるという広告事業においては、検索サービス“MSNサーチ”でのリスティング広告や、コンテンツサイズが1MBを超えるようなリッチコンテンツ(動画広告など)の拡大を今後も進めていくという。



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