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デジオン、マルチメディア・ホームネットワーク・ソリューション“DiXiM”の記者説明会を開催

2004年10月28日 20時02分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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代表取締役社長の田浦寿敏氏
代表取締役社長の田浦寿敏氏

(株)デジオンは28日、東京・銀座の時事通信ホールにプレス関係者を集め、同社が開発・普及推進しているマルチメディア・ホームネットワーク・ソリューション“DiXiM(ディクシム)”の記者説明会を開催した。9月28日に同社が発表したパソコン向けAVサーバー/クライアントソフト『DiXiMマルチメディア・ホームネットワーク・スターターパック』(11月中旬発売予定、9800円)の機能説明や開発の背景を説明するとともに、以前からOEM供給を行なっている日本電気(株)/富士通(株)/シャープ(株)がDiXiMの採用の理由などを語った。



インテルの岡本航児氏ら NECパーソナルプロダクツの大町隆夫氏ら
説明会に来賓として出席した、インテル(株)のマーケティング本部コンシューママーケティング部部長の岡本航児(おかもとこうじ)氏らNECパーソナルプロダクツ(株)のPC事業本部デジタルアプライアンス事業部DA基盤技術開発統括マネージャーの大町隆夫氏ら

説明会では、まず代表取締役社長の田浦寿敏(たうらひさとし)氏が、マルチメディア・ホームネットワークの必要性について、「これまでは(音楽や映像などの)デジタルメディアをそれぞれの部屋にある機器で個別に管理し、再生視聴してきた。しかし、高性能なパソコン、ブロードバンドインターネット環境、家庭内LANが普及し、インフラが揃ってきた現在、これら(パソコンやAV機器)をネットワークで接続することでどの部屋にあるコンテンツであっても、意識することなく自分のいる場所から視聴できる。そうしたライフスタイルを提案したい」と切り出した。

Multimedia Home Networkのメリット ブロードバンドインターネット環境や家庭内LAN導入率など、インフラが整備された
Multimedia Home Networkのメリットブロードバンドインターネット環境や家庭内LAN導入率など、インフラが整備されたことを示す
DiXiMのアーキテクチャー
DiXiMのアーキテクチャー

DiXiMは、マルチメディア・ホームネットワークで重要な“異なるメーカー製機器間での相互接続”を図るべく、デジオンが2年前から開発しているプラットフォーム。今年1月にNEC、9月に富士通、10月にシャープからそれぞれDiXiMプラットフォームを採用したAVサーバー/クライアントソフトウェアをプレインストールしたパソコンが発表されている。

OEM供給のほか、家電への組み込み向けに“DiXiM DMA”(デジタルメディアプレーヤー向け)、“DiXiM DMR”(DVD&HDDレコーダーなどデジタルレコーダー向け)をメーカー向けに順次提供するほか、11月中旬にはサーバー/クライアントソフトウェアのパッケージ『DiXiMマルチメディア・ホームネットワーク・スターター・パック』を店頭販売する。



DiXiM DMAを用いたネットワーク対応AV家電機器の基本的なユーザーインターフェース DiXiM for PCの標準的なユーザーインターフェース
DiXiM DMAを用いたネットワーク対応AV家電機器の基本的なユーザーインターフェースDiXiM for PCの標準的なユーザーインターフェース。家電と同様の操作性を実現するという

スターター・パックには、サーバー/クライアントアプリケーションを各3ライセンスとリモコン1個が同梱され、家庭内の3台までのパソコンにインストールして、それぞれのパソコンで録画・管理している動画/静止画/音声データを相互に参照して再生できる。対応OSはWindows XPで、再生可能なファイル形式は動画がASF/AVI/MPEG-1/MPEG-2/WMV、静止画はBMP/JPEG/PNG、音声(音楽)はMP3/LPCM/WAV/WMA。

DiXiMの適応範囲 DiXiMのロードマップ
DiXiMの適応範囲。パソコンだけでなく、家電機器や録画向けストレージなどの周辺機器まで幅広く対応するというDiXiMのロードマップ(2004年後半から2005年前半まで)

また、田浦氏は来年以降の展開として、「2004年は個人が録画/録音した著作権フリーのコンテンツが中心だったが、来年(2005年)にはデジタルTV放送のコピーワンスコンテンツへの対応を進める。さらに2006年はデジタル配信される有料コンテンツの管理・視聴を行なえるように準備している。そのための技術として、2005年にはCPPM(Content Protection for Prerecorded Media、パッケージメディアや再生機器向けの著作権保護技術)/CPRM(Content Protection for Recordable Media、録画メディアや録画機器向けの著作権保護技術)、DTCP or IP(Digital Transmission Content Protection over IP、インターネットプロトコル経由で著作権保護されたコンテンツを配信する技術)などへの対応が、2006年にはSecure Contents Distribution(不正コピーを防止するコンテンツ保護機能)/Micro Payment(小額決済)など、課金・ファイル管理システムが必要となる」と同社の今後の取り組みを説明した。

DiXiM for PCの特徴 DiXiM DMA Solutionの説明
DiXiM for PCの特徴。OEM向け出荷はすでに開始しているDiXiM DMA Solutionの説明
DiXiMがサポートするコンテンツの変化 対応コンテンツに合わせて今後サポートするべき技術トピックを示した
DiXiMがサポートするコンテンツの変化(2004年~2006年)。2005年には著作権保護されたコンテンツに、2006年には課金・決済システムにも対応するという対応コンテンツに合わせて今後サポートするべき技術トピックを示したもの

採用各社の挨拶では、富士通のパーソナルビジネス本部パーソナルシステム事業部 第4技術部部長の山口 剛氏が、「今年1月発表の製品から“FNS(ファミリーネットワークステーション)”としてホームネットワークに取り組み、リモコンでAV視聴が可能な統合メニューソフト“My Media”を搭載している。9月発表の秋冬モデルからこのMy Mediaをリニューアルし、DiXiMの採用を決めた。従来は別の技術を使っていたが、社内コンペの結果、接続性の高さや使いやすいユーザーインターフェースなどが評価されてDiXiMに決まった。先日の“WPC EXPO 2004”では、富士通ブースの中に松下さんやNECさんのパソコンを設置して、相互接続のデモを行ない好評だった。従来は自社ブースに他社製品を置くだけでもとんでもないことだが、(ネットワークAV家電の相互接続という)マルチベンダーの象徴といえるだろう」とDiXiM採用にまつわる裏話などを紹介した。

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