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サン、CMT技術採用のUltraSPARC IV搭載サーバー『Sun Fire V490』『Sun Fire V890』を発表

2004年10月07日 21時37分更新

文● 編集部 内田泰仁

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サン・マイクロシステムズ(株)は7日、ワークグループサーバーの新製品として、“チップ・マルチスレッディング”技術を採用したUltraSPARC IVを搭載する『Sun Fire V490』および『Sun Fire V890』を発表した。UltraSPARC IV搭載製品の投入は2月に続いて2回目で、エントリーカテゴリーとなるワークグループサーバーでは初めて。出荷開始予定は10月中旬、価格は『Sun Fire V490』が446万3000円(税別)から、『Sun Fire V890』が575万9000円(税別)から。

『Sun Fire V490』『Sun Fire V890』

エントリークラスと位置付けられている“Sun Fire V”シリーズのラインナップ
『Sun Fire V490』と『Sun Fire V890』は、UltraSPARC III搭載の従来製品『Sun Fire V480』『Sun Fire V880』の後継となる製品で、『Sun Fire V490』はUltraSPARC IV-1.05GHzを最大4基、『Sun Fire V890』はUltraSPARC IV-1.2GHzを最大8基搭載可能。同社では、この2製品を“エンタープライズ・クラスのスループット性能をワークグループ・サーバーの価格で”実現するものと位置付けており、価格帯性能比は従来のUltraSPARC III搭載製品の2倍近くになるとしている。



『Sun Fire V490』と『Sun Fire V480』の価格帯性能比の比較『Sun Fire V890』と『Sun Fire V880』の価格帯性能比の比較

筐体デザインは従来製品から変更はなく、システムあたりの最大メモリー容量/HDD内蔵台数/Ethernetポート数/PCIスロット数は以下のとおりで、従来製品と同様。

Sun Fire V490
メモリー:最大32GB
HDD:73.4GB×最大2台、FC-ALインターフェース
Ethernetポート:10/100/1000BASE-T×2
PCIスロット:66MHz/64bit×2、33MHz/64bit×4
Sun Fire V890
メモリー:最大64GB
HDD:73.4GBまたは146.8GB×最大12台、FC-ALインターフェース
Ethernetポート:10/100BASE-TX×1、1000BASE-SX×1
PCIスロット:66MHz/64bit×2、33MHz/64bit×7

HDDはホットプラグに、冗長電源はホットスワップに対応し、環境監視/障害探知/自動復旧機能、遠隔監視機能などの管理機能を搭載する。本体サイズは、『Sun Fire V490』が幅44.6×奥行き66.2×高さ22.2cm(ラックマウント対応、5U)/44kg(最大)、『Sun Fire V890』が幅48×奥行き78.5×高さ71.4cm(ラックマウント対応、17U)/131kg(最大)。

対応OSはSolaris 8/9。全モデルに同社の統合サーバー・ソフトウェア製品群“Sun Java Enterprise System 2004Q2”の90日間限定評価版がプレインストールされる。標準で3年間の製品保証が付属。

Sun Fire V490/V890およびUltraSPARC IVの製品説明を行なった製品統括部統括部長の纐纈昌嗣氏
2製品とも、同社の製品カテゴリーとしてはエントリーに含まれ、ワークグループサーバーの最上位2機種と位置付けられている。用途としては、CRM/SCM/ERPなどのアプリケーションサーバーなどが紹介されているが、この日開催された製品発表会でのプレゼンテーションの中で製品統括部統括部長の纐纈昌嗣氏は、全体の性能としてはデータベースサーバーとしても利用可能だとしている。



UltraSPARC III vs UltraSPARC IVの比較(SPECintおよびSPECfp)Lotus Notesによる1プロセッサーあたりの最大サポートユーザー数比較
TPC-Hベンチマークの結果SPEC CPU 2000の結果
製品発表会で紹介された各種ベンチマークテストの結果
UltraSPARC IV

両製品に搭載されるUltraSPARC IVは、同社独自の“チップ・マルチスレッディング”(CMT)技術を搭載するプロセッサー。CMTは、複数のスレッドを同時に実行することによって、プロセッサーがメモリー待機状態になっている時間を減らして処理効率を向上させる技術。1つのスレッドがメモリー待ち状態に入ると平行して即座に別のスレッドの処理を開始、スレッドをずらして処理することで、プロセッサーがメモリー待機状態になる時間を減らすという手法が取られている。

UltraSPARC IVでは1プロセッサーにつき2つのスレッドを同時に処理するが、現在設計/開発中の製品では、さらに多くのスレッドを同時に処理できるようにしていくという。同社は、従来のUltraSPARC IIIに比べ約2倍のスループットを実現可能だとしている。なお、従来のUltraSPARCシリーズと完全なバイナリー互換を持っており、従来のアプリケーションを再コンパイルすることなく実行できる。



プロセッサーのスレッド処理の流れ。実際にプロセッサーが命令を処理する時間よりも、メモリーとのデータのやり取りを“待っている”時間が大部分で、この時間を以下に短縮するかがこれまでの高速化のアプローチ。従来のUltraSPARCでは、およそ75%がメモリー待ち状態だというCMTを用いた場合。1つのスレッドがメモリー待機状態に入っている時間に、別のスレッドでは命令を処理。待ち時間に別の処理を行なうことで、処理効率の向上を図っている
また、マルチコア化によって1プロセッサーが同時に処理できるスレッド数を増やしていくことが今後の展開だという。さらに開発中のUltraSPARC、コードネーム“Rock”の場合は、複数のコアで大量のスレッドを並行処理することで、効率向上を進めるとしている
同社代表取締役社長のダン・ミラー氏

この日の発表会では、冒頭に同社代表取締役社長のダン・ミラー(Dan Miller)氏がサーバー戦略について説明。まず、米本社の2004会計年度(6月末まで)の業績については、UNIX/Linuxサーバー製品、IAサーバー製品、ワークステーション製品のいずれも、台数、シェア共に成長しており、売り上げベースで5%のプラス(米マイクロソフト社との和解に伴う和解金を含まず)となっているという。また、サーバー戦略では、

  • コスト削減と複雑さの排除
  • ネットワークサービスの迅速な展開
  • 機密性を確保した機動性の実現

という3つの柱を軸に、パートナー企業との提携なども含めた展開を行なっていくとし、x86製品に関してはAMD、UNIX製品については富士通、ソフトウェアの相互運用性拡大の面ではマイクロソフトとの提携/協業を強化していくと述べた。また、、「サンはこの先もハードウェアをやっていくのかと質問されることがあるが、来年も再来年も7年先(=“Rock”のリリース予定時期以降)においても答えは“イエス”」だと述べ、UltraSPARCシリーズの開発継続を強調した。

サンのサーバー製品戦略と各社との提携分野UltraSPARC搭載サーバーおよびOpteron搭載サーバーの住み分け

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