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サイバーショット DSC-L1

サイバーショット DSC-L1

2004年10月06日 20時22分更新

文● 行正 和義

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光学ズームと三脚対応で利用シーンが拡大

 実際に使ってみると、最近のサイバーショット“P”シリーズとほとんど同様の機能が詰め込まれているのに驚かされる。シャッターを半押しにするとAF枠が表示されてシャッター速度/絞り値が表示されるなど、基本的なメニューシステムはPシリーズそのもの。Pシリーズの多くに装備されつつあるマニュアル露出モードこそ搭載されていないが、スローシャッターノイズリダクションや撮影時ヒストグラム表示、連写機能(最大4枚)やMPEGムービー撮影機能などは同等だ。

 さすがに本体が小さいため手の中でしっかりホールドというわけにはいかず、指の腹でつまむような持ち方となる。ズームレバーを操作する際に安定感に欠けるきらいがあるので、慣れるまでは指の置き場をちょっと考えてしまうだろう。とはいえ、このサイズで光学ズーム撮影ができるというのはかなり重宝する。単に被写体を大きく写すというよりも、余分な要素をフレームから排除したり、メインの被写体と背景の大きさの比率を調整したりと、街中のスナップ撮影でも重宝するだろう。なお、本体の底部にはネジ穴が用意されており、付属のアダプター(※3)を装着すれば一般の三脚が利用できる。ウルトラコンパクトクラスのデジタルカメラは三脚穴が省略されているモデルが多いが、三脚が使えるだけで対応できる撮影シーンが大きく広がることを考えれば非常にありがたい。

※3 開発中につき、今回の作例では使用していない

最広角側で撮影。日陰なのでコントラストは高くないが、細部の描写もしっかりとしている(左は2304×1728ドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズした。右は元絵の部分をトリミングした)
上記の作例と同じアングルで、最望遠側を撮影。アップにすると細部がややざらついた感じとなる(左は2304×1728ドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズした。右は元絵の部分をトリミングした)
最広角側はf=32mm相当と、デジタルカメラの中ではやや広角に強いため、風景や建物を撮るのに適している(いずれも2304×1728ドットドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズした)

 撮影時には、暗い部分に引っぱられて露出オーバーになりやすいAEがやや気になったものの、カーソル右でワンタッチでAEモードを切り替えられるため、スポット測光を活用するなどして対応したい。測光モードは、マルチパターン測光(画面全体の明るさから露出を決定)と、スポット測光(画面中央部の明るさで露出を決定)の2つが搭載されていて、これらはワンアクションで切り替えられる。後者は、パターンやポイントはなくて画面の中央のみをターゲットにするので、被写体の明るさに絞った露出の出し方になる。撮影画像を見ると、サイバーショットシリーズならではのすっきりした色味が特徴的で、暗部ノイズなどもきれいに処理されている。ウルトラコンパクト機としては、画質はかなり良好だ。

色味は鮮やかながら、極端な彩度強調処理はないので、原色系の色彩でもそれほど不自然な印象にならない(1728×2304ドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズした)
木の緑や青空といった発色に不自然なところは少ない。等寸で見ると暗部(土壁の日陰部分など)にノイズによるざらつきが見られる(左は1728×2304ドットで撮影したものを480×640ドットにリサイズした。右は元絵の部分をトリミングした)
デジタルカメラはラチチュード(階調再現域)の狭いのが難点。コンパクトデジタルカメラは一般的にハイライトが飛びやすく、それに比べれば暗部のディテールのほうが若干残りやすいので、やや暗めに露出補正したほうが仕上がりよく撮れることが多い。サンプルでは、スポット測光モードを用いてカゴの内容物に露出を合わせて固定し、アングルを変えて撮影した(左は2304×1728ドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズした。右は元絵のつるの部分をトリミングした)
暗部に露出を合わせることでシャッター速度を抑えた(1/40秒)作例。暗部質感などはきちんとしているが、右上にあるハイライト部分は白とびしている(左は2304×1728ドットで撮影したものを640×480ドットにリサイズした。右は元絵の中央下寄りをトリミングした)

ポケットに常備しておきたいコンパクト機

 超小型クラスのデジタルカメラは、“サイバーショット Tシリーズ”のように薄型化を図るモデルが多いが、本機やUシリーズのような横長スティックタイプは意外と使い勝手がよいものだ。スティックタイプは薄型機のような大型液晶の搭載は難しいため、撮影した画像を仲間で閲覧するといった用途には向かないものの、本体を前後につまむような薄型カメラでありがちな持ち方よりも、安定した構え方ができる。また、カバンやポーチ、ポケットなどに、携帯電話の横に突っ込んで持ち歩けるのも魅力のひとつだろう。

 機能や操作系はサイバーショットの上位機種の流れを汲んで作り込まれているので、上位機種のユーザーがサブ機として買い増しをした場合にも、違和感は少ないはずだ。普段から持ち歩いて頻繁にスナップ撮影する人には、かなり強力な1台となるだろう。

「DSC-L1」の主なスペック
撮像素子 1/2.7インチ有効410万(総420万画素)Super HAD CCD
レンズ f=5.1~15.3mm(35mmフィルムカメラ換算時:32~96mm相当)
記録画素数 最大2304×1728ドット
動画記録 最大640×480ドット(約30fps)
ディスプレー 1.5インチTFT液晶パネル(7万6800画素)
記録媒体 メモリースティック デュオ(16MB付属)/PRO デュオ
インターフェース USB2.0(専用端子)/DC入力
電源 専用リチウムイオン充電池
本体サイズ 95(W)×25.7(D)×44.3(H)mm
重量 約122g(本体のみ)/約152g(装備重量)

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