業務提携に当たって固い握手を交わすエレコムの代表取締役社長の葉田順治氏(右)とソースネクストの代表取締役社長の松田憲幸氏(左) |
エレコム(株)は4日、東京・丸の内の丸ビルコンファレンススクエアで記者説明会を開催し、同社のフラッシュメモリー事業へ参入、およびソースネクスト(株)と業務提携し、事前にソフトウェアを書き込んだUSBフラッシュメモリー“ソフト付き! USB2.0&1.1フラッシュメモリ”シリーズ3製品を10月29日に発売すると発表した。今回発表された製品と希望小売価格は以下のとおり。
“ソフト付き! USB2.0&1.1フラッシュメモリ”シリーズ3製品 |
ソフト付き! USB2.0&1.1フラッシュメモリ
- 『「いきなりPDF Professional」バンドルタイプ』
- 型番:MF-FU2064AGT(64MB) 3780円
- MF-FU2128AGT(128MB) 5040円
- MF-FU2256AGT(256MB) 6825円
- MF-FU2512AGT(512MB) 1万1550円
- ソフトウェアの対応OS Windows 2000/XP
- USBフラッシュメモリーの対応OS Windows 2000/XP
- 『「ウイルスセキュリティ 2005」バンドルタイプ』
- MF-FU2064BGT(64MB) 3780円
- MF-FU2128BGT(128MB) 5040円
- MF-FU2256BGT(256MB) 6825円
- MF-FU2512BGT(512MB) 1万1550円
- ソフトウェアの対応OS Windows 2000/XP
- USBフラッシュメモリーの対応OS Windows 2000/XP
- 『「StarSuite7 パーソナルパック」バンドルタイプ』
- MF-FU2256CGT(256MB) 6825円(※1)
- MF-FU2512CGT(512MB) 1万1550円
- ソフトウェアの対応OS Windows Me/2000/XP
- USBフラッシュメモリーの対応OS Windows 2000/XP
※ StarSuite7 パーソナルパックのファイル総容量が128MBを超えるため、128MB以下の製品は用意せず
エレコムの掲げる成長戦略。既存事業から、パソコン領域以外への展開、そして海外展開を図る | さらに、既存事業であるパソコン関連領域事業においても、新たにメモリー事業への参入を行ない、成長戦略を立案しているとアピール |
会見にはエレコムの代表取締役社長の葉田順治(はだじゅんじ)氏、商品開発部部長の梶浦幸二氏、ソースネクストの代表取締役社長の松田憲幸(まつだのりゆき)氏らが出席し、フラッシュメモリー事業への参入の背景、両社の提携の狙いなどについて説明した。
最初に葉田氏がフラッシュメモリー事業に参入する理由について、「現在エレコムは、“LAN関連事業”“ケーブル事業”“入力機器事業”“ファニチャー(椅子や机、ラックなど)事業”“サプライ品事業”というパソコン関連領域の5本柱に特化した事業展開を行なっている。いずれも業績は好調だが、パソコンの出荷台数の鈍化にあわせるように、成長の鈍化が見えている。そこで、次への成長ステップとして、ひとつは海外への進出を図り、昨年は韓国/イギリスに、今年は中国・上海とドイツへ進出を果たした。そしてもうひとつのステップとして、メモリー事業への参入を決め、現在進めている」と同社の最近の業績や海外進出などの事業拡大を踏まえて、背景を説明した。
メモリー事業への参入の背景 | ソースネクストとの業務提携によるメリットやターゲットユーザーを具体的に示す |
さらに、「大阪弁で言えば、“単に参入するのではおもろない”ということです。ユーザーフレンドリーなことが何かできないかと考えた末に、ソースネクストと提携し、ソフトウェアを最初から組み込んだ製品にたどりついた。現在、ソフトウェアはCD-ROMかダウンロードでの販売形態が多いが、初心者にはこれらの敷居が高い。インストールするのにコスト(時間や手間)がかかる。利便性を考えると、今後はこうしたデバイスが必要とされるだろう」と、アプリケーション入りのUSBフラッシュメモリーという新事業への強い期待感を示した。
同社のソフトウェア入りUSBフラッシュメモリーを掲げて、提携の狙いを説明する松田氏 |
続いて松田氏が、「昨年から“PCのコモディティー化戦略”を標榜してきた。そのために、まずソフトの値段を1980円にする、パッケージを小さくする、販売店を2000店規模から1万店以上に拡大する、という3つの目標を掲げ、いずれも実践してきた。現在は、書店やコンビニエンスストア、ホームセンター、ドラッグストアなどでもパソコンソフトが扱われるようになり、取扱店は2万5000店までに広がった」と同社のこれまでの実績を説明。さらに今回の提携について、「従来のソフト売り場での展開に加えて、USBフラッシュメモリーを扱うパソコン周辺機器売り場でもソフトが販売されることになる。これが我が社の普及促進の狙いにぴったり合致すると考え、提携に至った」と背景を説明した。
ソースネクストが掲げてきた“PCのコモディティー化戦略” | 販売チャネル拡大の成果 |
最後に梶浦氏が、エレコムのメモリー事業全般への取り組みと売上目標について、「エレコムでは今年7月に増設メモリー、いわゆるメモリーモジュールの発売を開始した。これは法人顧客向けで、パソコンとのセット売りを前提に入力機器やネットワーク機器などとの総合提案を推進している。一方、今回発売するUSBフラッシュメモリーは法人とコンシューマー(個人)の双方の市場を目指す。バンドルするソフトも、この市場に合わせてビジネスシーンで必要とされるソフトを中心に選択した。USBメモリー市場はバッファローとアイ・オー(アイ・オー・データ機器)の2社が2強で市場を形成している。これら2社と価格面で肩を並べつつ、ソフトウェアをバンドルすることでお得感を出して、攻めていきたい」を意気込みを語った。さらに、「USBフラッシュメモリー全体の市場規模が2003年どで年間435万セット、215億円と言われている。エレコムでは初年度40万セット、売上5億円を目標とする」と、具体的な数値目標を掲げた。
USBフラッシュメモリーに書き込まれたソースネクストのPDF作成ソフト『いきなりPDF Professional』。単体では2980円で販売中 | 同じくソースネクストのセキュリティー対策ソフト『ウイルスセキュリティ 2005』。単体では1980円で販売中 | 同じくソースネクストの統合オフィスソフト『StarSuite7 パーソナルパック』。単体では2079円で販売中 |
会見後のQ&Aで、3タイトル以外への展開について「現在未定」と話し、USBフラッシュメモリー以外への展開については「USBメモリーは、ユーザーへのメリットが大きいことから始めた。(ソースネクストとして)これまでもパソコンへのバンドル事業は行なってこなかったし、最初から入っていてもユーザーが自分から積極的に使いたいというイメージが沸くような製品にこそバンドルを検討していきたい」(松田氏)と答えた。
なお、エレコムは同時に、40倍速の高速タイプCFメモリーカード3製品(128MB/256MB/512MB)、転送速度が毎秒7MBの高速タイプSDメモリーカード4製品(64MB/128MB/256MB/512MB)、メモリーカードリーダーライター9製品を10月中旬以降順次発売すると発表した。詳細は同社ウェブサイトを確認いただきたい。