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ソニー、水銀を使わないボタン形酸化銀電池を発表――2005年1月から販売

2004年09月29日 22時29分更新

文● 編集部

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ソニー(株)は29日、水銀を使わないボタン形酸化銀電池を世界で初めて製品化し、2005年1月から順次発売すると発表した。ラインアップは、容量が28mAhの『SR626SW』(直径6.8×高さ2.6mm)や160mAhの『SR44』(直径11.6×高さ5.4mm)など10機種。

ロゴマーク 酸化銀電池
無水銀ロゴマーク酸化銀電池『SR626SW』

酸化銀電池などのボタン形電池については、現在、欧州議会/欧州環境理事会において仕様要求の改訂の検討がなされているが、無水銀化が事実上不可能として例外的に水銀の継続使用が認められる見込みという。

図1
酸化銀電池の構造

今回、同社が開発した無水銀電池は、無水銀化だけでなく、鉛の添加も行なわないのが特徴。酸化銀電池では、負極の活性物質の亜鉛が、アルカリ水溶液中で腐食反応を起して溶解するとともに、電解液が分解し水素ガスを発生する。これまでは、この水素ガスにより電池の内圧が上昇しないように、亜鉛の腐食反応を抑制する効果の高い水銀を添加していた。

図2
従来型酸化銀電池での水銀の役割

同社では、亜鉛の腐食を抑制(=水素ガスの発生を抑制)するために、負極材に微量金属の配合比率を最適化して耐腐食性を約10倍に高めた亜鉛合金粉を採用したほか、負極合材に腐食抑制剤を添加して亜鉛の耐腐食性を約2倍に高めた。併せて、電子デバイス製造に利用されている独自の表面処理技術を利用して、集電体に防食処理を施したという。

さらに、同社が使用している独自の正極活物質が、水素ガスの吸収能力が高いという特性も見出され、配合組成を最適化したことで、無水銀化で水素ガスが発生しても電池が膨れる問題が低減され、安全性も維持されることになったとしている。

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