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サン・マイクロシステムズ(株)は21日、東京・大手町のアーバンネット大手町で記者説明会を開催し、1000人規模のユーザーを抱える大企業向けの統合ID運用ソフトウェア『Sun Java System Identity Manager』を今月中に出荷開始すると発表した。導入先の運用形態に応じてシステム構築を行なうとしており、3000ユーザーでの標準価格は984万5000円(税別)から。同時に、従来『Sun Java System Identity Server』として販売していた、ID情報に対してアクセス権限やシングルサインオン環境を提供するID管理システムを『Sun Java System Access Manager』に名称変更することも発表された。
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営業統括本部常務取締役本部長の末次朝彦氏 | 製品統括部統括部長の纐纈昌嗣氏 |
発表会には、営業統括本部常務取締役本部長の末次朝彦(すえつぐともひこ)氏、製品統括部統括部長の纐纈昌嗣(こうけつまさつぐ)氏らが出席し、新製品投入の背景や同社のセキュリティーソリューションへの取り組みなどを説明した。
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年々高まるセキュリティーリスクに比例して、増大を続けるセキュリティー対策コスト | Sun Java System Identity Managerと、名称を変更したSun Java System Access Managerを同時発表 |
最初に末次氏が壇上に立ち、「近年、企業でのセキュリティーへの意識が高まり、リスクに対するコスト(投資)が増大してきている。特に日本企業においては、来年4月に全面施行される“個人情報保護法”に向けて、分散して配置されているサーバーの管理、ID/パスワードやアクセス権の正しい運用などが重要なテーマになってきている。例えば、会社を辞めた人についてすべてのアクセス権を完全に排除しているか、部署を異動した人が旧部署のデータベースにアクセスできる権限を持ち続けているといった事態がないか。1000人規模の大企業ではこれを行なうのが難しいのが現状だ」とセキュリティーソリューションの必要性を説明した。
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Sun Java System Identity Managerの特徴 |
その上で、サンの考えるセキュリティー対策のポイントとして、
- データ保管の安全性確保
- ――Directory Server
- 個人認証とアクセス権管理
- ――Java Card/Access Manager
- IDの正しい管理と運用
- ――Identity Manager
の3つを挙げた。データ保管の安全性確保のためには、ユーザーごとにアクセス権やロール(役割)に応じた運用が可能なストレージサービス“Directory Server”と、ファイルをローカルに置かないシンクライアント“Sun Ray”の利用により、データが保存されて外部に持ち出される心配がない。しかし、これを導入してもIDやパスワードが盗用されたり、人事異動などでアクセス権限の変更が正しく反映されなければ意味がない。そのため、IDやパスワードを一元管理し、定期的な変更などのセキュリティーポリシーの徹底を行なう新たなソリューションが必要と、新製品投入の背景を示した。
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IdMの導入により、ID管理とサービスを一元管理できる | サンが展開するIDソリューション支援サービスの具体的なメニュー構成 |
サンでは、このIdentity Manager(IdM)を、
- “IdMアーキテクチャ・ワークショップ”
- 導入によってもたらされる費用対効果(ROI)を提示
- “IdMクイックスタート・サービス”
- 導入・運用開始に必要な知識を習得するセミナーを実施
- “IdMロードマップ・サービス”
- 既存システムからの移行に必要な要件の解析や導入後の長期計画を策定
- “カスタム・サービス”
- 上記メニューに含まれない、顧客個別のサービスを展開
という4つの支援サービスを通じて提供する。導入事例として、国内企業では伊藤忠テクノサイエンス(株)が全従業員向けにIdMの導入を決定しており、年内の運用開始が予定されている。
