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【特集】システム最適化ツールでパソコンを快適に

【特集】システム最適化ツールでパソコンを快適に

2004年09月17日 00時37分更新

文● 伊藤 裕也

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【特集】システム最適化ツールでパソコンを快適に

パソコンは使うほど遅くなる?

 パソコンを買った当初はそうでもなかったんだけど、使っているうちにどうも反応が悪くなってきたような気がする……。これは毎日パソコンを使う人であれば、程度の差はあるにしても誰もが感じることではなかろうか? かくいう私も、以前からそう感じているひとりで、そろそろどうしようかと悩んでいるところだったりする。記事を読んでいる方の中には「気のせいじゃない?」と思う方もいるかもしれないが、多くの場合は気のせいではなく実際にパフォーマンス(レスポンス)は本当に低下しているし、また多くの場合、低下するものなのだ。それはナゼか?

HDDの空きスペースが少なくなると表示される警告メッセージ
HDDの空きスペースが少なくなると表示されるおなじみのメッセージ。このメッセージが表示されてしまう時点で、可及的速やかに対応をしないとシステムの運用上非常にマズイことになる。

 パソコンはさまざまな処理を実行するうえで、メインメモリやHDDに数多くの作業用ファイルを状況に応じて作成する。使用者がこれらを普段意識することはなく、ほとんどの場合は作業が終わった段階で(アプリケーションの終了時に)キレイさっぱり消えてしまう。ところが中にはそのままHDDの中に居残るものがある。その積み重ねが原因でHDDの空きスペースは徐々に圧迫され、また空き領域や新たに作成したファイル(後からインストールしたアプリケーション)の断片化も起こってしまう。結果、ファイルアクセスの速度低下に繋がる。「そんなの大げさじゃない?」と思われるかもしれないが、塵も積もれば……であり、意外にバカにできない影響があるのだ。

 また、WindowsにはOSやアプリケーションの設定情報などを集中的に管理する“レジストリ”と呼ばれるデータベースがあるが、レジストリもパソコンを使い続けていると次第に肥大化していく。レジストリはOSの起動時に必ず読み込まれるので、このファイルが大きくなれば、起動に要する時間も当然長くなってしまう。

 ――とまあこのように、使い続けていればパソコンのパフォーマンスは自然と低下してしまうわけだ。では低下したパフォーマンスをなんとか改善できないものだろうか?

 実は解決方法はカンタンで、不必要なファイルを随時削除し、ファイルが断片化したら最適化すればいい。レジストリについても余計な項目を削除し、必要に応じてデータベースを再構成すればOKだ。とは原理を言うは易いが、実際に行なうのはなかなか難しい。Windows XPやWindows 2000では不必要なファイルの削除やHDDの断片化解消(デフラグ)、バックアップ・リストアのためのツールなどが標準で付属しているものの、例えばファイルの削除は特定のフォルダ内のファイルを一括消去できるのみで適用範囲が狭く、レジストリの操作はOSに関する高度な知識を使用者に要求してくる。初心者に敷居が高いだけでなく、パソコンに詳しい人であってもバックアップして、関連事項を検索して……と面倒このうえなく、機能面でも「なにかが足りない感」は否めない。

 そこで注目したいのが、簡単な操作でシステムのパフォーマンスアップを見込める“システムの最適化ツール”だ。



各社から販売されている最適化ツール

エー・アイ・ソフト「DiskX Tools Ver.10」 ソースネクスト「驚速xp 3」 ライブドア/プロジー「XPturboIII」
エー・アイ・ソフト「DiskX Tools Ver.10」(写真をクリックすると当該ニュース記事に移動します)ソースネクスト「驚速xp 3」ライブドア/プロジー「XPturboIII」(画像をクリックするとライブドア/プロジーの当該製品情報サイトに移動します)
インターコム「SuperXP Utilities Pro」 ライフボート「Fix-It Utilities Pro」 メディアカイト/マグノリア「XPアクセル」
インターコム「SuperXP Utilities Pro」ライフボート「Fix-It Utilities Pro」メディアカイト/マグノリア「XPアクセル」(写真をクリックするとメディアカイト/マグノリアの当該製品情報サイトに移動します)

 システムの最適化ツールと一口にいっても、低下したパフォーマンスの回復に重点を置くもの、OSのチューンを得意とするもの、それらの機能を併せ持つ多機能型など、ショップで販売されているパッケージにはさまざまある。

 そこで現在ショップで販売されている最適化ツールをリストアップ(表1)し、さらにカタログ資料などから搭載機能を比較してみた(表2)。この2つのリストを見ると、HDDに存在する不必要なファイルの消去が基本機能で共通し、あるものは価格設定を大きな魅力にしており、別のものはシステムのリカバリ機能を搭載していたりと、メーカーごとに異なる方向性の味付けをしていることがわかるだろう。

表1 現在入手可能な各社のWindows最適化ツール
ソフト名実売価格メーカーURL
【A】DiskX Tools Ver.104935円(ダウンロード版)エー・アイ・ソフトhttp://www.aisoft.co.jp/
【B】驚速xp 32079円ソースネクストhttp://www.sourcenext.com/
【C】XPturboIII2940円(ダウンロード版)ライブドア/プロジーhttp://pro-g.livedoor.com/
【D】SuperXP Utilities Pro5250円(ダウンロード版)インターコムhttp://www.intercom.co.jp/
【E】Fix-It Utilities Pro1万円前後ライフボートhttp://www.lifeboat.jp/
【F】XPアクセル1554円メディアカイト/マグノリアhttp://www.media-kite.co.jp/
表2 各Windows最適化ツールの機能比較一覧表
【A】【B】【C】【D】【E】【F】
システムの確認PCの性能計測(ベンチマーク)
PCの調査・状態確認(システムチェック)
パフォーマンスの回復システムに不必要なファイルの削除
HDDの断片化解消
システムに不必要なレジストリの削除
レジストリの再構成
パフォーマンスの向上システム設定の見直しによる高速化支援
自動起動(常駐)プログラムの解除
セキュリティ復活不可能な形でのファイル完全削除
Webブラウザが作成した一時ファイルの消去
暗号化によるデータ保護
ネットワーク接続時のセキュリティ向上
そのほかアプリケーションのアンインストール支援
システムのバックアップ・リストア
HDDの障害検出

 さて、話を戻そう。私自身もパソコンのパフォーマンス低下をそろそろなんとかしようと今まさに考えていたのだが、システムフォルダのファイル探索やらレジストリの操作といった作業で(社会人にとっては特に)貴重な休日を潰してしまうのはあまりにも悲しい。そこでリストの中から、エー・アイ・ソフトの「DiskX Tools Ver.10」(以下DiskX 10)を導入してみることにした。5000円以下で入手できる手ごろな価格ながらも機能豊富で、これひとつあればさまざまなことに使えるだからだ。



DiskX Tools Ver.10とは

「DiskX Tools Ver.10」のメインウィンドウ
「DiskX Tools Ver.10」のメインウィンドウ。ウィンドウ上部には最新のクリーン度とパフォーマンススコアが表示され、パソコンの状態を意識させるような構成になっている。各ツールへのアクセスはウィンドウ左のメニューから行える。

 「DiskX Tools Ver.10」は9月17日に発売されたばかりのシリーズ最新バージョン。このソフトは

  • メモリやOSのカスタマイズ状態を確認できる“パフォーマンスチェッカー”
  • HDDの空きスペースやレジストリにおける不必要な情報を調査する“クリーン度チェッカー”

といった確認プログラム、

  • HDDから無駄なファイルを消去する“ファイルクリーナー”
  • レジストリから不必要な情報を削除する“レジストリクリーナー”
  • OSのチューンなどによりパフォーマンスアップを試みる“システムクリーナー”
  • デスクトップ上のアイコン整理などを行なう“デスクトップクリーナー”
  • ActiveXコントロールのダウンロードを監視してWebブラウジング終了時に削除する“インターネットクリーナー”

という5つの最適化プログラム、さらには

  • 暗号化によりデータの保護を実現する“ファイルロック”
  • データをHDD上から完全に消去する“パーフェクトクリーナー”

――といったツールで構成されており、システムのパフォーマンスを改善できると同時にシステムのチューンによるパフォーマンスアップが期待でき、なおかつプライバシーの保護にも対応する。それでは、実際に使用してみよう。

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