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レックスマーク、多くの“同社初”を取り入れた家庭用インクジェットプリンター/複合機およびビジネス向け複合機を発表

2004年09月16日 23時16分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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マーケティング ゼネラル・マネージャーの木下 聡氏
デモンストレーションを交えて新製品を紹介するマーケティング ゼネラル・マネージャーの木下 聡氏

レックスマーク インターナショナル(株)は16日、東京・水天宮のロイヤルパークホテルで記者説明会を開催し、同社として初めて“PictBridge”に対応した新デザインの家庭用インクジェットプリンター『Lexmark P915』、PictBridge対応のほか同社で初めてパソコンを介さずに単体でのコピーが可能なインクジェット複合機『Lexmark P6250』、同社で初めて前面給排紙機構を採用するSOHO/中小企業向けインクジェット複合機『Lexmark X7170』の3製品を発表した。価格はすべてオープンプライスで、発売時期と編集部による予想実売価格は以下のとおり。

家庭向けインクジェットプリンター『Lexmark P915』
9月下旬発売予定/2万円弱
家庭向けインクジェット複合機『Lexmark P6250』(プリンター/スキャナー/コピー)
9月下旬発売予定/2万円台前半
SOHO/中小企業向けインクジェット複合機『Lexmark X7170』(プリンター/スキャナー/コピー/ファクス)
10月下旬発売予定/3万円台

米レックスマーク インターナショナル社の会長兼CEOのPaul J.Curlander氏 コンシューマ・プリンタ事業部代表のNajib Bahous氏 日本法人の代表取締役社長の雨宮俊朗氏
米レックスマーク インターナショナル社の会長兼CEOのPaul J.Curlander氏コンシューマ・プリンタ事業部代表のNajib Bahous氏日本法人の代表取締役社長の雨宮俊朗氏

発表会には米レックスマーク インターナショナル社の会長兼CEO(最高経営責任者)のPaul J.Curlander(ポール・J・カーランダー)氏、コンシューマ・プリンタ事業部代表のNajib Bahous(ナジブ・バフース)氏、同日本法人の代表取締役社長の雨宮俊朗氏、マーケティング ゼネラル・マネージャーの木下 聡氏らが出席し、同社のプリンター市場へのアプローチや新製品の特徴などを説明した。

米レックスマーク インターナショナルの全世界での売上比率 アジア地域における出荷台数比率と売上比率
米レックスマーク インターナショナルの全世界での売上比率アジア地域における出荷台数比率(左)と売上比率(右)

最初にカーランダー氏が同社の現況について、「2003年度の売上はワールドワイドで48億ドル(約5280億円)にのぼる。これは内部でプリンターに関するすべての技術、すなわちインクジェット/モノクロレーザー/カラーレーザーを開発しているから達成できた数字。地域別に見ると、日本を含むアジア地域が25%、米国が36%、欧州をはじめとしたそれ以外の地域が39%とバランスが取れている。アジアの中では日本の比率が極めて高く、台数ベースで32%、金額ベースでは49%を占める」と述べた。さらに、「インターネットとデジタルカメラの普及、さらにインクジェット複合機の大衆化によって、ユーザーの印刷経験(プリンターエクスペリエンス)が変化してきている。印刷クオリティーの高さや出力の速さ、さらにシンプルで使いやすいものが求められている。レックスマークでは、従来から顧客の声を真摯に受け止め、開発目標に取り入れてきた。紙とデジタルの世界を簡単に行き来できること。デジタルカメラで撮影した重要なデータを管理できること。それらの操作が楽にできることを目指して、今回の新製品を開発した」と、新製品かける思いを熱く語った。

“顧客主導の革新”を主張するバフース氏のプレゼン資料 同社が初めてパソコンなしに印刷/コピーが可能な家庭向け複合機を手がけた理由
“顧客主導の革新”を主張するバフース氏のプレゼン資料同社が初めてパソコンなしに印刷/コピーが可能な家庭向け複合機を手がけた理由

それを受けてバフース氏は、「レックスマークは今、“顧客主導の革新”が重要だと考えている。顧客の求める声を聞いて、それをどう製品に反映していくかが大事だ。実際に日本・東京でユーザーの家庭に出向いて、使っている様子を確認してみた。その結果、デジタルカメラからの印刷をもっと簡単にする必要があるとわかった。例えば、従来の方法では、ユーザーは撮影したフィルムをプリントショップにもって行き、しばらく待っていればきれいな印刷出力が得られる。しかし、デジタルカメラとプリンターが普及し始めた途端、このシンプルな世界が崩れてしまった。もちろん、家での印刷をあきらめて“写真キヨスク”などから印刷する人もでてきている。このユーザーについても調べてみると、30%程度の人が拡大して印刷している。拡大印刷の需要が潜在的に大きいということだ。今回の新製品は、簡単な使い勝手を基本コンセプトに開発したもの。簡単に使えて高品質な印刷出力を得られる。さらに拡大印刷しても安く上がる」と述べ、新製品のメリットを具体的に示した。

家庭向けインクジェットプリンター『Lexmark P915』
家庭向けインクジェットプリンター『Lexmark P915』

続いて木下氏が、新製品をデモンストレーションしながら機能や特徴を説明した。まず、家庭向け2製品の本体デザインについて、「従来は家庭向けのプリンター/複合機も、ビジネス向けのX7170と同じく黒とグレーを基調にしたデザインで統一していた。しかし、家に置くには浮いてしまうカラーリングだったので、新製品ではオフホワイトとメタリックブルーのカラーリングを採用した。操作ボタンやメモリーカードスロットも前面に配置することで、部屋の事情から高い場所におくことが多い日本の家庭でも、上面にボタンがある他社製品より使いやすくなっている」と、ユーザーの使い勝手を考慮した新デザインを説明した。さらに、複合機P6250では「コピーを取る際に、カバーを開けてスキャナーに原稿を載せるときに、どこに置けばいいのか迷ってしまうという声を聞いたので、カバーをあけると自動的に本体右手前の角に青色LEDが線上に光る機構を設けた。これで、いちいちマニュアルを読まなくても自然にその角に原稿を合わせればいい、ということがわかってもらえるだろう」と独自の工夫を紹介した。



家庭向けインクジェット複合機『Lexmark P6250』
家庭向けインクジェット複合機『Lexmark P6250』

そのほかの家庭用プリンター/複合機に共通する特徴として、前面に2.5インチのカラー液晶ディスプレーを装備。インク交換のためにカバーを開くと、自動的に液晶ディスプレーにインクの交換手順を表示するヘルプ機能を搭載する。インクはCMY(シアン/マゼンタ/イエロー)+BkLCLM(ブラック/ライトシアン/ライトマゼンタ)の6色インクを採用し、モノクロ印刷などでフォトインクを使わない場合は、カバー内側にストック用のポケットを搭載。インクの紛失やクリーニングにおける無駄な消耗を防ぐ機構を備える。本体前面右側には、CF/マイクロドライブ/SDメモリーカード/メモリースティック/メモリースティックDuo/xDピクチャーカード/スマートメディアの7種類のメモリーカードに対応するカードスロットと、パソコンなしにデジタルカメラと接続して印刷実行が可能なダイレクトプリントの統一規格“PictBridge(ピクトブリッジ)”に対応したUSB 2.0を搭載。



Lexmark P6250のスキャナー部右手前にある青色LED列
Lexmark P6250のスキャナー部右手前にある青色LED列

プリントエンジンも共通で、印刷解像度は4800×1200dpi、印刷速度はモノクロ毎分22枚/カラー毎分15枚。インクタンクは従来同様ヘッド一体型機構で、ノズル数はCMYカラーとフォトカラーが160×3、オプションのブラックインクは640。対応用紙サイズはA4/B5/A5/A6/ハガキ/L/2L/レター/リーガル(スタンドアロン印刷時)、およびA4バナー/封筒(長形3・4・40号、角形3・4・5・6号)/ユーザー指定サイズ(パソコン経由)。L版やハガキからA4サイズでの4辺フチなし印刷が可能で、従来同様、セットした用紙種別を自動判別する“メディアセンサー”も備える。給紙枚数は普通紙100枚/ハガキ30枚/フォト用紙25枚など。

P6250のスキャナー機能は光学1200×2400dpiのCISタイプで、読み取り階調はカラーが48bit入力/24bit出力、モノクロが16bit入力/8bit出力。最大スキャン範囲は幅297×奥行き216mm。コピーモードの出力速度は、カラーが毎分3枚(1枚目)もしくは毎分8枚(2枚目以降)、モノクロは毎分5枚(1枚目)もしくは毎分15枚(2枚目以降)。連続コピーは99枚まで、拡大縮小は25~400%まで指定可能となっている(スタンドアロン/パソコン経由とも)。

本体サイズと重量は、単機能プリンターのP915が幅428×奥行き237×高さ150mm/約2.9kg。複合機のP6250は幅435×奥行き334×高さ178mm/約4.8kg。消費電力はP915が動作時14W以下/待機時6.6W、P6250はプリント時14.1W以下/コピー時14.2W以下/スキャン時11.46W以下/待機時約8W。稼働音はP915が44dB以下、P6250はプリント時49dB以下/スキャン時36dB以下/カラーコピー時39dB以下。

対応OSは2機種共通で、Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.1.5/10.2.3~10.2.8/10.3.0~10.3.5。パッケージには、ユーザーの目的を選択することで必要な機能/ソフトウェアが起動するアプリケーションランチャー『ソフト打ち上げ台』、画像編集&管理ソフト『Lexmarkフォトエディタ』、ファクス通信ソフト『Lexmark FAXナビ』(Windows用、P6250のみ)などが付属する。




SOHO/中小企業向けインクジェット複合機『Lexmark X7170』
SOHO/中小企業向けインクジェット複合機『Lexmark X7170』

ビジネス向け複合機X7170は、単機能プリンター/複合機を通じて同社で初めて前面給排紙機構を採用したモデル。SOHOなどの限られたオフィスでスペースを有効活用するために、背面を壁にピタリくっつけて配置できるように変更したという(従来は給紙トレイを立てるために、ある程度の空間が必要だった)。

プリントエンジンはP6250/P915と同じ、印刷解像度4800×1200dpi、印刷速度がカラー毎分22枚/モノクロ毎分15枚で、4辺フチなし印刷にも対応。スキャナー機能は、被写界深度が高くて厚みのある本の綴じ代部分など、撮像面に密着しない場合でも黒つぶれしないで取り込めるCCDタイプ(光学解像度は1200×4800dpi)を採用する。入出力階調やスキャン領域、連続コピーの枚数や拡大縮小率の指定はP6250と同一。コピーモードの出力速度はカラーが毎分6枚(1枚目)もしくは毎分10枚(2枚目以降)、モノクロは毎分8枚(1枚目)もしくは毎分18枚(2枚目以降)となる。

家庭向けの2機種とは異なり、モニター用の液晶ディスプレーやメモリーカードスロットは持たないが、PictBridge対応USBポートを前面右下部に搭載。33.6kbpsのファクス通信機能も本体に内蔵する。また、本体上部には50枚までセットできるADF(オートドキュメントフィーダー)を備え、複数枚原稿のファクス送信やコピーが可能。ファクス送信時の最高解像度は400×300dpiで、短縮ダイヤルの登録件数は“ワンタッチダイヤル”5件/“スピードダイヤル”79件/“グループダイヤル”20件の合計104件。

本体サイズと重量は、幅491×奥行き423×高さ305mm/約9.3kg。消費電力はプリント時19W以下/コピー時22W以下/スキャン時17W以下/待機時約8W。稼働音はプリント時55dB以下/スキャン時41dB以下/カラーコピー時44dB以下。

対応OSは、Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.3~10.2.8/10.3.0~10.3.5。パッケージには、ファクス送受信ソフト(Windows用)、OCRソフト(Windows用)のほか、スキャン結果をサムネールとファイル名で一覧表示する文書管理ユーティリティーソフト『Lexmark ビジネスセンター』などが付属する。



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