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コニカミノルタ、レンズ交換式デジタル一眼レフ『コニカミノルタα-7 DIGITAL』を発表――手ぶれ補正機能を本体に内蔵!

2004年09月16日 23時26分更新

文● 編集部 美和正臣

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コニカミノルタフォトイメージング(株)は15日、デジタルカメラの新製品として、レンズ交換式一眼レフ『コニカミノルタ α-7 DIGITAL(アルファーセブンデジタル)』(以下、α-7 DIGITAL)を発売すると発表、都内のイベント会場で記者会見を行なった。また、一眼レフ用ズームレンズ『コニカミノルタ AF ズーム17-35mm F2.8-4(D)』、『コニカミノルタ AF ズーム28-75mm F2.8 (D)』、外付けグリップ『コニカミノルタ 縦位置コントロールグリップ VC-7D』、RAW現像ソフト『コニカミノルタ ディマージュ マスター』を同時に発表した。『コニカミノルタ ディマージュ マスター』は11月下旬に発売予定で、それ以外はすべて11月中旬に発売予定。価格は本体がオープンで、編集部による予想販売価格は20万円前後。本体以外は希望小売価格が発表されており、レンズは『コニカミノルタ AF ズーム17-35mm F2.8-4(D)』が6万8500円(税別)、『コニカミノルタ AF ズーム28-75mm F2.8 (D)』は5万6000円(税別)、外付けグリップ『コニカミノルタ 縦位置コントロールグリップ VC-7D』は2万5000円(税別)。RAW現像ソフト『コニカミノルタ ディマージュ マスター』は1万8500円(税別)。

今回発表された『コニカミノルタ α-7 DIGITAL』。価格はオープンで、予想販売価格は20万円前後
本体背面本体上部
背面上部からの様子。ほかのレンズ交換式一眼レフデジタルカメラに比べて、ボタン類の数が多い本体前面の左側には、オートフォーカスのモード選択スイッチが配置されている

α-7 DIGITALは、CCDシフト方式の手ぶれ補正機構である“Anti-Shake(アンチシェイク)”をボディーに内蔵しているため、ミノルタAマウントのすべてのレンズ(『AF マクロズーム 3X-1X』を除く)で手ぶれを抑えた撮影が可能になるのが特徴。コニカミノルタフォトイメージングのカメラ事業部副事業部長である石塚 啓一氏によれば、同機能を搭載するためにαシリーズの一眼レフデジタルカメラの登場が遅れたという。すでに同社のAシリーズなどのコンシューマー機に搭載されている“Anti-Shake”は、小さなCCDを動作させるため障害が少なかったが、同機に採用されている“Anti-Shake”は「CCDの重量が3倍、動かす距離が4倍、スピードが4倍以上必要になり、これを解決するのに時間がかかった」(値は非公表)と説明。シャッタースピードに換算して2~3段分の効果が得られるという。今まで暗くてあきらめていたような状況でも撮影が可能になると解説した。また、『AF マクロズーム 3X-1X』だけ手ブレ補正機能が使用できない理由は、高倍率のマクロレンズの特性として水平方向への“ぶれ”が起きるためと解説。同機の手ぶれ補正機能は水平と垂直方向の動きを感知して動作するため、これに対応できないと説明した。

コニカミノルタフォトイメージングのカメラ事業部副事業部長である石塚 啓一氏。“Anti-Shake”の機能などを中心に機能を説明した
“Anti-Shake”のセンサー部分。これで水平・垂直の動きを検出する“Anti-Shake”のユニット部分。センサーを動作させると、CCDを搭載する部分が上下左右に動作する
CCDシフト方式の手ぶれ補正機構“Anti-Shake”の動作原理。CCD面が水平/垂直に動作する

オートホワイトバランス機能は、新たに色温度を推測するアルゴリズムを改良した画像処理技術“CxProcess III(シーエックスプロセス スリー)”を搭載。また、α-7 DIGITAL用に開発した画像処理エンジン“SUPHEED II(サフィード ツー)”により、画像処理を高速化。RAWとJPEG画像を同時に書き込む“RAW+JPEGモード”を選択した場合で毎秒約3コマ連続9枚、JPEGの最高画質である“JPEGラージ・ファインモード”で毎秒約3コマ連続15枚までの撮影が可能。また同エンジンは、高感度の撮影時でもノイズの少ない画像を出力できるという。

画像処理エンジン“SUPHEED II”の基板

APS-Cサイズの有効約610万(総約630万)画素CCD(23.5×15.7mm)を搭載し、レンズマウントにミノルタAマウントを採用。液晶ディスプレーは2.5インチ/20万7000画素を使用し、絞りやシャッタースピード、撮影モードなど、撮影時にカメラの設定状況などが表示される“ナビゲーションディスプレイ”機能を内蔵する。

本体に使用されているAPS-CサイズのCCD“ナビゲーションディスプレイ”に表示された様子。絞りやシャッタースピード、撮影モードなどが表示される

ファインダーは新規に設計した光学ガラスペンタプリズムを採用し、視野率95%/倍率0.9。ファインダースクリーンは交換式を採用しており、標準でマニュアルフォーカス時も合焦位置がわかりやすいという『スフェリカルアキュートマット(G型)』が装備される。オプションで全面マット式の『スフェリカルアキュートマット(M型)』、方眼マット式の『スフェリカルアキュートマット(ML型)』などを用意する。ピント合わせには“中央クロス9エリア8ラインAFセンサー”を採用。背面に配置されている十字ボタン“ダイレクトフォーカスフレームセレクタ-”でAFエリアを選択できるほか、“AF/MFコントロールボタン”でAF/MF切り替えが可能。また、複雑な動きを先読みしてピントを合わせる“動体予測”機能や、ユーザーが選択したフォーカスエリアに合焦されている被写体の動きに合わせて自動でAFエリアを切り替える“追尾表示”機能なども搭載。記録媒体にはCFカード/マイクロドライブを使用し、CFアダプターを利用すれば、SDメモリーカード/MMCも使用できる。パソコンとのインターフェースはUSB 2.0(High Speed対応)を使用する。

露出モードは、プログラムAE(P、Pa、Ps、フルオートモード)/絞り優先AE/シャッター速度優先AE/マニュアルから選択可能。ホワイトバランス機能は、オート/プリセット(6種類)/カスタムのほかに、100K単位で設定できる“色温度設定機能”も搭載する。画質調整は、コントラスト/彩度/シャープネス/色合いを5段階で微調整可能。撮影時に露出のコントロールと増感(Highモード)/減感(Lowモード)といった画像処理を行なう“ゾーン切り替え機能”も搭載しているため、白とびや黒つぶれしてディテールの階調表現ができない画像の再現性を高めることもできるという。カラープロファイルは“Adobe RGB”のほか、柔らかな描写を行なう“ナチュラル(sRGB)”、画像に締まりがあり、より印象的に仕上げられるという“ナチュラル+(sRGB)”を搭載する。

シャッター速度は30秒~1/4000秒(バルブ機能搭載)で、ストロボ同調は“手ぶれ補正機能”をOFFにした場合には1/160秒、ONにした場合は1/125秒。測光には“14分割ハニカムパターンSPC”素子を利用し、14分割ハニカムパターン測光/央重点的平均測光/スポット測光に切り替えることも可能。記録解像度は、3008×2000画素(Lモード)、2256×1496画素(Mモード)、1504×1000画素(Sモード)。記録形式は、JPEG/RAW/RAW+JPEG (Exif 2.2準拠/DCF 2.0準拠/DPOF 1.1対応)で、PRINT Image Matching IIとPictBridgeに対応。JPEGの画質はエクストラファイン(低圧縮)/ファイン(標準圧縮)/スタンダード(高圧縮)のほか、RAW(非圧縮)、RAW+JPEG(JPEGは“ファイン”相当)での保存を選択できる。電源は、充電式リチウムイオンバッテリー『NP-400』を使用。撮影可能枚数は、ストロボ発光なしで約600枚、ストロボ50%発光で約400枚(CIPA規格準拠)。

ファインダー内には、スクリーンの右側に手ぶれの度合いを示す5段階のレベルメーターが設置されており、現在の手ぶれの状態がわかるように表示される機能も装備。5段階のうち2段程度ならば、手ぶれを補正できるという。本体サイズ/重量は、幅150×奥行き77.5×高さ106mm/約760g(バッテリー、記録メディア含まず)。前カバーと底面にはマグネシウム合金を使用し、そのほかの部分は炭素繊維入りのエンジニアリングプラスチックを採用している。

マグネシウム合金で成型されているボディー部分

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