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F5ネットワークス、トラフィック管理OS『TM/OS』を搭載したアプリケーションスイッチ“BIG-IP v9”を発表

2004年09月08日 00時00分更新

文● 編集部

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F5ネットワークスジャパン(株)は8日、ネットワークトラフィック管理装置“BIG-IP”の新製品として、トラフィック管理OS『TM/OS』を搭載したアプリケーションスイッチ“BIG-IP v9(バージョン9)”を発表した。ラインアップは、エントリーモデルの『BIG-IP1500』、ミッドレンジモデルの『BIG-IP3400』、ハイエンドモデルの『BIG-IP6400』の3製品。同日付けで発売し、価格については、顧客が必要とするシステムにより構成が異なるため、個別見積もりになるという。

『BIG-IP6400』 『BIG-IP1500』
『BIG-IP6400』『BIG-IP1500』
“BIG-IP v9”

“BIG-IP v9”は、全製品が管理用のプロセッサーを搭載しており、『BIG-IP3400』と『BIG-IP6400』では、レイヤー4処理専用のASIC(特定用途向けIC)“Packet Velocity ASIC 2”を搭載することにより処理能力を高めたのが特徴。

従来製品との最大の違いは、トラフィック管理OS『TM/OS』を採用した点。従来のネットワークでは、一般に、アプリケーションが置かれたサーバーなどと、ユーザー(パソコンや携帯電話など)との間に、トラフィック管理と負荷分散を行なうロードバランサーを置き、SSLアクセラレーションやファイアーウォール、帯域制御、コンテンツアクセラレーションなどの処理を、アプライアンスなどに分散処理させるようになっている。それに対して『TM/OS』では、サーバーとクライアント(ユーザー)との間のデータの流れをアプリケーションフローとしてとらえ、『TM/OS』の新“ユニバーサルインスペクションエンジン(UIE)”により、双方向でフルペイロードのインスペクションが行なえるアプリケーションプロキシーとして動作させるという。

ティム・グッドウィン(Tim Goodwin)氏
新製品発表会の冒頭、F5ネットワークスジャパン(株)代表取締役社長のティム・グッドウィン(Tim Goodwin)氏が挨拶。3年間かけて革新的な技術を開発したことを強調

同日都内で開催された記者向けの新製品発表会で、米F5ネットワークス(F5 Networks)社シニアプロダクトマネージャーのジェイソン・ニーダム(Jason Needham)氏は、従来の“パケットベース”の方式は“手紙”であり、1つの通信/1つの方向に対してのアプローチであり、それが新製品の“フローベース”の方式になると、リアルタイムで双方向通信が行なえ、さらに翻訳機能も持つ“電話”になると説明した。

ジェイソン・ニーダム(Jason Needham)氏
米F5ネットワークス社シニアプロダクトマネージャーのジェイソン・ニーダム(Jason Needham)氏が製品を紹介

新機能として提供されるのは、インテリジェントHTTP圧縮/TCPの最適化/レイヤー7帯域制限(レートシェーピング)/コンテンツ変換などの最適化や、リソースクローキング/拡張クライアント認証/コンテンツの暗号化/Cookieの暗号化/コンテンツ防御/パケットの無害化などのセキュリティーのほか、IPv6ゲートウェイなど。IPv6ゲートウェイでは、IPv6とIPv4のネットワーク間のIP変換とロードバランシングの機能を利用できることから、IPv6とIPv4の混在した環境での運用や移行が行ないやすくなるとしている。

『BIG-IP1500』は、10/100/1000BASE-T(Ethernet)×4ポートとUSBポートを装備し、オプションでGigabit Ethernet(光ファイバー)×2ポートを搭載できる。プロセッサーの動作クロック周波数は2.3GHz。HDDを内蔵し、PCIスロット×1にはSSLアクセラレーターカードが装着されている。本体サイズは1Uで、本体前面に液晶ディスプレーと操作キーが備わっている。ファンユニットはホットスワップに対応。

『BIG-IP3400』は、10/100/1000BASE-T(Ethernet)×8ポートのモデル。プロセッサーはハイパー・スレッドに対応し、動作クロック周波数は2.8GHz。“Packet Velocity ASIC 2”も搭載する。HDDのほかコンパクトフラッシュも搭載している。

『BIG-IP6400』は、10/100/1000BASE-TX×16ポートとGigabit Ethernet(光ファイバー)×2ポートを標準装備したモデル。プロセッサーはデュアル構成になり、32bit/64bitのハイパートランスポートに対応し、動作クロック周波数は1.6GHzとなる。オプションでGigabit Ethernet(光ファイバー)×2ポートを追加できる。PCIスロット×3を搭載し、電源ユニットもホットスワップ対応で冗長化されたものを搭載する。本体サイズは2U。

機能の追加はソフトウェアモジュールで対応し、“SSLアクセラレーション”(1000~1万5000TPS)、“圧縮”(5Mbps~1Gbps)、“レートシェーピング”“アドバンスクライアント認証”“IPv6ゲートウェイ”“ルーティングモジュール”(RIP、OSPF、BGP)などが用意される。価格は20万円からで、ライセンスによる購入となる。

なお、『TM/OS』については、その機能を最大限に利用するには“BIG-IP v9”製品が必要だが、従来の“BIG-IP”製品でも利用可能。従来製品と組み合わせた場合の価格は395万円からで、既存ユーザー向けのアップグレードサービスも提供するとしている。

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