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“ウォークマンレジェンド”の正統なる継承者
「NV-XYZ77」はこちらから購入いただけます。画像をクリックするとアスキーとソニースタイルのコラボレーションサイト“SONY Flash on ASCII”に移動します。 | 録音・再生機能搭載“Hi-MDウォークマン”のユーザーレポート Vol.1 ソニーマーケティング「MZ-NH1」レビュー |
今回のHDD内蔵ネットワークウォークマン「NW-HD1」は、メディアこそ違えども、1979年にCカセット採用の「TPS-L2」から始まった“ウォークマンレジェンド”の正統なる継承者である。これはすなわち、ウォークマン・カルチャーの“3つのこだわり”が正しく受け継がれているということを意味する。
NW-HD1 | TPS-L2 |
小さくて、軽くて、優れた操作感で、優れたデザイン
ソニー 業務執行役員 常務、パーソナルオーディオカンパニー プレジデント 福島貴司氏。1992年より初代MDウォークマンの企画・開発に携わり、現在は同社のウォークマン部隊の総指揮をとる |
こだわりのひとつが、“小さくて、軽くて、優れた操作感で、優れたデザイン”。このHDD内蔵ネットワークウォークマンは、幅89.0×奥行き13.8×高さ62.1mm。重さは約110gと、世界一小さくて、軽い。なぜウォークマンは、そうなのか。ウォークマン事業を統括するパーソナルオーディオカンパニー プレジデントの福島貴司氏は言う。
「それは携帯するのだから、小型で軽く、バッテリ寿命が長いことが絶対のポイントです。我々は,必ず世界最小・最軽量というものをつくります。ユーザーさんがウォークマンに最も期待していることですからね」
ウォークマンは、しかし単に小さく、軽いだけのものではない。使いやすく、使って楽しく、持つ喜びがある……と、“もの”としての価値観がなければならない。例えば、ボディの触感。ボタンの質感と動作のスムーズさ。そんな感覚的な設計のノウハウこそ、1979年より連綿と続く、ウォークマンの長い間のものづくりの蓄積の賜物であり、最新のHDD内蔵ネットワークウォークマンは、その典型だ。単に世界最小・最軽量なだけでなく、例えば本体素材の頑丈でハイセンスなマグネシウム合金が、人の気持ちにフィットした感触を醸し出している。
スタミナ度は世界最高
2番目のウォークマンのこだわりが、“スタミナぶり”――つまり“電池長持ち”だ。過去の例を挙げると、15周年モデル「WM-EX1」(メディアはカセット)は、36時間連続再生が大いにうけ、1994年7月に発売されてから2年半で約60万台と、ウォークマン史上最大のヒットを記録している。そんな伝に倣い、今回のHDD内蔵ネットワークウォークマンは、30時間スタミナ再生が自慢だ。もちろんHDD機では、“スタミナ度”は世界最高だ。
クリヤーで、軽やかに伸び、しっかりとした芯がある音
付属USBクレードル(USB 2.0 Hi-Speed対応)に本体をセットし、「SonicStage Ver.2.1」(CDDB対応)を使って、パソコンとの間で楽曲のデータをやり取りできる |
ウォークマンの第3のこだわりが、ズバリ“音質”だ。256kbpsのATRAC3plusで、ジャズヴォーカル(ニーナ・シモン「FIRST RECORDING(ファースト・レコーディング)」(※1))とオーケストラ音楽(グスタフ・ホルスト「THE PLANET(惑星)」(※2))を付属のヘッドホンにて試聴したところ、音の肉付きがやや薄くなり、締まりがやや甘くなるといった僅かに圧縮の痕跡はあるもの、そんなエクスキューズを思わず忘れそうな、優れたサウンドが聴けたのである。
※1 ニーナ・シモン(Nina Simone)「FIRST RECORDING」レーベル:BETHLEHEM※2 作曲:グスタフ・ホルスト(Gustav Holst)、指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)、演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団「THE PLANET」レーベル:Deutsche Grammophon
その対極の典型的な圧縮音声(MP3など)とは、まさに音情報を”圧縮”したようなもので、音の芯がヤワになり、音の構造が空洞のような空虚な響きになり、硬く、ほぐれないという音だ。しかし、HDD内蔵ネットワークウォークマンの音は、意外なほど良い。クリアーで、軽やかに伸び、音にしっかりとした芯があり、中空現象もほとんど認識されないのである。周波数レンジが制限を受けるとか、ダイナミックレンジが狭くなるとか、音がふらつくとか……というかつての典型的な圧縮音的な感じは、ない。
ジャズではヴォーカルのニュアンスも、それなりに聴くことができる。さすがに、大オーケストラでのクレッシェンド(※3)やフォルテッシモ(※4)になると、音のスケール感の再現がリニアに追随していかない嫌いはあるものの、弦のしなやかさ、柔らかさという感覚的な音情報も、なかなか巧みに聴かせてくれる。演奏の勢い、エネルギー感なども、楽しんで聴ける。歪み感が少ないのが特にいい。
※3 クレッシェンド(Crescendo、cresc.):「次第に強く」という意味の音楽記号※4 フォルテッシモ(fortissimo、ff):「ごく強く」という意味の音楽記号
技術的には、圧縮オーディオ・プレーヤーの音質を左右する要素は3つある。圧縮ソフトウェア、デジタル信号処理、アナログ信号処理――である。圧縮ソフトウェアの原理は、人間の聴覚が感じにくい音(例えば、高い周波数や、時間的に強い音の近辺で鳴る弱い音など)のデータを必要ないものとしてカットし、総データ量を削減するというものだが、まずはその巧拙が第一のポイントだ。
NW-HD1ではソニー独自の、従来からのATRAC3とATRAC3plusが採用されているが、単にATRACであれば、音がいいというわけではない。同じフォーマットであっても、圧縮時(エンコード)のアルゴリズムが異なれば、当然、音質は異なる。デジタル信号処理にはDSP(デジタル処理専用IC)が使われるが、その動作方法、ハードウェアの構造も音質に関わってくる。さらにアナログ音声の回路設計によっても、音質は大きく左右される。ローパスフィルターの特性、コンデンサーの種類、基板の設計、アースのとり方、デジタルノイズの影響ををいかに和らげるかなどのノウハウの蓄積が、トータルな音質を最終的に決定するのだ。実際に耳で感じ取れるほどのHDD内蔵ネットワークウォークマンの音質の優秀さは、この3つの要因の総合力の成果といえよう。
誰でもつくれる時代に、誰にも真似できないもの
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HDDオーディオは、HDDという記憶媒体と駆動回路と電源さえあれば、一応のものは誰(どこのメーカー)でも作れる部類のものである。市場には同類製品の数も多い。しかしデザインや触感、操作感、音質という感覚的な部分になると、誰もがうまく作れるわけではない。
今回のHDD内蔵ネットワークウォークマンは、誰でもつくれる時代に、しかし誰にも真似できないものをつくったな、と思う。
HDD内蔵ネットワークウォークマン「NW-HD1」 | |
製品名 | NW-HD1 |
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記録媒体/容量 | 1.8インチHDD/20GB |
音声圧縮方式 | ATRAC3plus/ATRAC3(付属ソフトのSonicStage上で対応可能な音声圧縮方式はATRAC3plus/ATRAC3/WAV/MP3(32-320kbps)/WMA) |
記録できる曲数の目安 |
ATRAC3plus 48kbps:約1万3000曲 ATRAC3plus 64kbps:約1万曲 ATRAC3plus 256kbps:約2500曲 ATRAC3 66kbps:約1万曲 ATRAC3 105kbps:約6000曲 ATRAC3 132kbps:約5000曲 |
液晶ディスプレー | ELバックライト搭載、1.5インチモノクロ液晶ディスプレー(131×140ドット、ドットピッチは0.235mm) |
表示言語 | 日本語/英語/フランス語/ドイツ語/イタリア語/スペイン語 |
入出力端子 | 本体:ヘッドホン/リモコン(7極)、USBクレードル接続用端子 USBクレードル:USB端子(USB 2.0 Hi-Speed対応)、DC入力端子 |
バッテリー | 内蔵リチャージャブル・リチウムイオンバッテリー |
充電/連続再生時間 | 約3時間(完全充電)/約30時間(ATRAC3plus 48kbpsモード時) |
本体サイズ/重さ | 幅89.0mm×奥行き13.8mm(最薄部12.6mm)×高さ62.1mm(突起部含まず)/約110g |
関連製品 | NW-HD1用“吉田カバン”オリジナルケース、NW-HD1専用車載キット(いずれもオンラインショップ“ソニースタイル”オリジナル製品) |