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NV-XYZ77

NV-XYZ77

2004年09月03日 18時28分更新

文● 月刊アスキー編集部・小林

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NV-XYZ77

ソニー/ソニーマーケティング

オープンプライス

本記事は月刊アスキー2004年7月号の“Kininal Digital”記事をWebサイト向けに再編集して掲載したものです。

そうか! カーナビはボーナス商戦時期を見据えて、発表が梅雨にさしかかる時期だから雨模様なんだ。てっきり雨男かと思った。

パソコンと連携しているところ 3Dビュー
3Dビュー
パソコン連携可能なソニーのカーナビゲーションシステム「NV-XYZ77」の主なスペック。●GPSアンテナ:マイクロストリップ平面アンテナ●自律航法:振動ジャイロ●画面サイズ:6.5V型ワイド●本体外見寸法:204(W)×49(D)×104(H)mm●重量:約720g●カーステーション、ホームステーション、拡張ステーション付属
“SONY Flash on ASCII”
「NV-XYZ77」はこちらから購入いただけます。画像をクリックするとアスキーとソニースタイルのコラボレーションサイト“SONY Flash on ASCII”に移動します。
ソニーマーケティング「NV-XYZ77」レビュー
もはや“カー用品”ではない! パソコン連携で地図更新/AVファイル蓄積が可能 ソニーマーケティング「NV-XYZ77」レビュー(写真をクリックすると当該レビュー記事に移動します)。

 ある意味パソコンよりエキサイティングで、パソコンっぽい先進的多機能さを追求しているのがカーナビゲーションシステムだ。

 2001年にパイオニアが先鞭をつけて市場投入したHDDタイプのカーナビは、成熟の時を迎えつつある。音楽CDをリッピングしてHDDに保存するAVサーバ機能や、ビルや街路を3D表示する機能などは、どの機種も当たり前のように搭載する。今年のモデルはそこからさらに進んで、カーナビはクルマとは切り離せない関係を脱却して、プロセッサパワーを別の用途に応用する方向に変わってきている。パイオニアは「ブレインユニット」と呼ばれるプロセッサとHDDのユニットをカーナビ本体から取り出して、自宅のTVに接続したリビングキットに差し込むことで、順路の予習ができたり、インターネットに接続する機能を持たせている。



ボクの行く道は
見た目そのままの3D動画

まだ明けやらぬ大手町日比谷通り
まだ明けやらぬ大手町日比谷通り。ビルばかりで味気ないが、ナビには方面看板が出ているのを見てほしい。

 そんな各社のラインナップの中で目に付いたのが、街並みを3Dでリアルに再現するというソニーのナビゲーションシステム「XYZ(ジィーゼット)」。通常はなんらかの測量方法を用いて測ったデータから、ビルの高さや形を3Dで表示する方法をとる。ところがXYZでは、交差点に差し掛かると、ビルの大きさ形はおろか、取り付けられている看板の文字などがそのまま3Dで、しかも動画で表示されるというのだ。

主要な交差点で表示される3D方向表示
こちらは動画ではないが、主要な交差点で表示される3D方向表示。地図のスクロールは高速で気持ちいい。

 これはどうしても実際に見てみたい! デモモードでは納得できん!

 ということで無理を言って、一晩、XYZが設置されているデモカーを借り出した。


 しかしどうしてこう、カーナビの取材では雨にたたられてしまうのだろう。今回私の体験で3回目にあたるカーナビ実車搭載取材のどれもが小雨まじりのあいにくの天気。

 夜半を過ぎてからやおら街に繰り出す。なるべく大きめの交差点を通るようにルート設定をし、クルマを走らせてゆく。おそらくビジュアル的に最も効果的と思われる「渋谷道玄坂下」の交差点を通りたかったのだが、タクシーの行列で混雑するわ地下鉄工事の影響で車線規制があるわで、うまいこと3D動画を画面に呼び出すことができない。渋谷駅終電終了後のタクシー渋滞に掴まって時間だけが過ぎていき、カメラマンとの待ち合わせの時間が迫る。デモカー返却の時間も迫る。背中に冷たい汗が流れ、焦りに焦る。

HDDに保存してあるATRAC3/ATRAC3plus/MP3フォーマットの音楽や、MPEG-2動画の再生が可能
ナビ使用中でもHDDに保存してあるATRAC3/ATRAC3plus/MP3フォーマットの音楽や、MPEG-2動画の再生が可能。

 聞けばこの「XYZモーションストリートガイド」という3D動画機能は、実際に街をクルマで走って、それを2台のカメラで収めた3D実写映像データ(ゼンリンが開発)を利用しているという。XYZには現在、東京23区および全国13政令指定都市の中心部、約5000カ所の交差点のデータが入っている。

 カメラマンを後席に乗せ、夜明けが近づく頃に秋葉原、銀座、大手町界隈を流す。なかなかいい具合には3D動画が表示されない。そして掴まえたベストショットが本ページタイトル脇のメインカット、東京駅丸の内の駅舎である。東京駅には広告看板がないのが残念ではあるが、駅舎も木々も一致していることがお分かりだろう。

メモリースティックとCFスロットを装備
メモリースティックとCFスロットを装備。CFに通信カードを挿せば、Webのブラウジング、E-mailのやりとりもできる。

 ホッと一服入れ、編集部のある信濃町までの帰路につくや、今度は出るわ出るわ、二重橋前、祝田橋、青山一丁目と3D表示されまくりなのだった。タイミングの悪いときというのは、こんなもんなのかもしれない。

 本機はタッチパネルを採用していて、パネル上でポイントするとその場所へ地図がスクロール(これの動きが素早い)、さらにパネル上を指でクルリと円を描くと地図の縮尺の拡大縮小がワンタッチでできる。そういった機能もあるし、MPEG-2動画やATRAC3/ATRAC3plus/MP3の音楽フォーマットをパソコンから本機に転送しておき、再生する機能もある。それらはナビ本体をはずして家に持ち帰り、パソコンとUSBで連携するのが前提となっている。家に持ち帰っても、GPS受信以外のほとんどの機能が使える。インターネットで本機の地図データをパソコンにダウンロードして、更新することも予定されている。

ハードウェア的にはLinuxミニPCライク
ハードウェア的にはLinuxミニPCライク。3D表示技術はソニー木原研究所との共同開発。独自開発の3D処理チップを搭載。

 やはり3D動画は自分の進む道が感覚的に掴みやすい。ソニーのXYZ担当者氏は「究極のナビというのは、この3D動画でずっと案内することです」と言っていた。全国津々浦々、全街路が3Dになる日が待ち遠しい。

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