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アイリバー・ジャパン、ペンダントタイプのオーディオプレーヤー『N10』やHDD内蔵マルチメディアプレーヤー『PMP-100』などを発表

2004年09月02日 23時25分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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出席者
アイリバーのポータブルオーディオプレーヤーの最新ラインナップと、新価格/新カラーモデルの一覧表

アイリバー・ジャパン(株)は2日、東京・後楽園の東京ドームホテルで記者説明会を開催し、ペンダントタイプのコンパクトオーディオプレーヤー“N10シリーズ”(256MB/512MB)、コンパクトボディーにカラー液晶パネルを内蔵するポータブルオーディオプレーヤー“iFP-900シリーズ”(512MB/1GB)、3.5インチのカラーTFT液晶パネルと1.8インチHDDを内蔵し、動画/音楽/静止画ファイルの再生・表示が可能なポータブルマルチメディアプレーヤー“PMP-100シリーズ”(20GB/40GB)の3シリーズ6製品を発表した。価格はすべてオープンプライスで、編集部による予想実売価格と発売時期は以下のとおり。なお同時に、既存製品についても7000~2万5000円の値下げが行なわれ、カラーバリエーションの追加が行なわれた。価格改定やカラーバリエーションの詳細については、同社ウェブサイトを参照いただきたい。



ネックレスタイプのオーディオプレーヤー“N10” カラー液晶ディスプレー搭載のコンパクトオーディオプレーヤー“iFP900” LinuxベースOSを採用したポータブルマルチメディアプレーヤー“PMP-100”
ネックレスタイプのオーディオプレーヤー“N10”カラー液晶ディスプレー搭載のコンパクトオーディオプレーヤー“iFP900”LinuxベースOSを採用したポータブルマルチメディアプレーヤー“PMP-100”

ネックレスタイプのフラッシュメモリータイプ
ポータブルオーディオプレーヤー“N10”シリーズ

N10[256MB]
ボディーカラー:ブラック+アプリコット
2万1800円/3日発売
N10[512MB]
ブラック+ゴールド
2万7800円/3日発売

コンパクト&大容量のフラッシュメモリータイプ
ポータブルオーディオプレーヤー“iFP900”シリーズ

iFP995(512MB)
シルバー+グレー
3万2800円/3日発売
iFP999(1GB)
シルバー+ブラック
3万7800円/3日発売

動画や静止画の表示も可能 LinuxベースOS搭載
ポータブルマルチメディアプレーヤー“PMP-100”シリーズ

PMP-120(20GB)
シルバー+ブラック
4万9800円/10日発売
PMP-140(40GB)
ゴールド+ブラック
5万7800円/10日発売
3日、アイリバー・ジャパンより価格訂正の連絡があり、PMP-120が5万2800円、PMP-140が6万2800円にそれぞれ修正された。

発表会にはアイリバー・ジャパンならびに韓国アイリバー(iriver)社らの親会社である韓国レインコム(Reigncom)社のセールス&マーケティング担当バイスプレジデントのヘンリー・キム(Henry Kim)氏、アイリバー・ジャパンの代表取締役の遠藤信久氏らが出席し、同社のデジタルオーディオプレーヤーに関する今年後半から来年にかけての戦略、および各製品の特徴などを説明した。



フラッシュメモリーの値下がりをいち早く還元
独自のサポーター制度でサポート体制を充実

韓国レインコム社のセールス&マーケティング担当バイスプレジデントのヘンリー・キム氏
韓国レインコム社のセールス&マーケティング担当バイスプレジデントのヘンリー・キム氏

まず、キム氏が韓国アイリバーをはじめとしたレインコムのグループ企業の概要を説明した。それによると、レインコムは1999年1月に設立され、R&D、グローバルオペレーションなど4つの組織、韓国iriver Koria/香港iriver HK/米国(カリフォルニア)iriver AM/日本アイリバー・ジャパン/欧州iriver Europeと地域別に販売を担当する5つの子会社、ならびに韓国のiriverユーザー向けに音楽配信事業を行なう韓国Yurion社、技術研究を行なう韓国Reigncom Tech社を束ねている。同社の戦略の鍵は“テクノロジー/マーケティング/製造・開発のバランス”で、これを見極めつつ舵取りを行なって競争力を維持しているという。



韓国レインコム社と世界6地域に展開するiriver社およびグループ各社の関係
韓国レインコム社と世界6地域に展開するiriver社およびグループ各社の関係

iriver各社の出荷台数の内訳は、韓国が約40%と最も多く、次いで北米(20%)、香港(17%)、欧州(15%)と続き、日本は8%となる。地域別のシェア獲得率は、北米ではフラッシュメモリータイプがトップ(19.5%)、HDDタイプは米アップル社、シンガポールCreative Technology社、米Digital Network North America社(Rio)に次ぐ第4位(2.8%)。韓国と欧州では、両者(フラッシュメモリータイプとHDDタイプ)を合わせたシェア率だが、韓国でトップ(49%)、欧州ではアップル、Creativeに続く3位(7%)となっている。

この現状についてキム氏は、「デジタルオーディオを楽しむスタイルが、かつてのCDプレーヤーからフラッシュメモリータイプ、HDDタイプ、さらに動画や静止画も1台で楽しむマルチメディアプレーヤーと変革し、カテゴリーも多様化しつつある。これは市場が拡大を続けていることを示し、2002年には出荷台数が800万台(全世界)だったものが、2003年には1200万台、今年は2000万台、来年は3000万台と右肩上がりに成長すると見込まれている。iriverの出荷数も比例して伸び、2002年の50万台(シェア率6.3%)から2003年には150万台(12.5%)、今年は300万台(15%)、来年は500万台(17%)の出荷見込みと、順調に推移している」と分析した。

世界6地域のiriver各社の出荷台数比較 米国でのiriver AMのシェアをフラッシュメモリータイプとHDDタイプで比較
世界6地域のiriver各社の出荷台数比較米国iriver AMの市場のポジション(シェア)をフラッシュメモリータイプとHDDタイプで比較したもの
韓国および欧州での位置づけをシェア比率で比較 ポータブルオーディオプレーヤー市場は今後も成長を続けると見込まれる
同じく韓国および欧州での位置づけをシェア比率で比較したものポータブルオーディオプレーヤー市場は今後も成長を続けると見込まれる

さらに同社の今後の戦略については、「フラッシュメモリー本体の価格が下がりつつあることから、これをいち早くユーザーに還元するべく大幅な値下げを断行する。さらに、フラッシュメモリータイプの市場は、現在128MBタイプと256MBタイプが45%ずつで大半を占めているが、これを512MBと1GBに置き換えていきたい。128MBタイプのラインナップを集約して大容量フラッシュメモリータイプを多数投入することで、急速にデジタルオーディオプレーヤーの認知度を上げているA社のHDDタイプの牙城を切り崩すことができると考えている。1GBモデルが成功すれば、来年にはフラッシュメモリータイプの2GBモデルも投入し、さらなる拡大を目指す。そのためには、“iriver(アイリバー)”ブランドの知名度を上げ、独自の“サポーター制度”(※1)によるサポート体制の充実ぶりを積極的に告知していく必要があるだろう」と述べた。

※1 サポーター制度 応募者の中から選ばれた“iriver製品好きの一般ユーザー”が同社製品をいち早く貸与される代わりに、使用感などのレビューを行なうほか、公式ウェブサイトに寄せられるユーザーからの質問に答えるというユーザー同士のサポートシステム


アイリバー・ジャパンの代表取締役の遠藤信久氏
アイリバー・ジャパンの代表取締役の遠藤信久氏

続いて、遠藤氏が日本市場の戦略について、購入者のアンケート結果を紹介しながら、「ユーザー像は、男性が86%を占め、年齢は20~40代が多く、職業は会社員が65%。購入のきっかけとしては、店頭で初めてこの製品を知った人と、インターネットを通じて知った人が41%ずつと多数を占める。この結果を踏まえると、販売店での知名度アップや商品をより多くの顧客にiriverブランドの製品をアピールしていく必要がある」と語った。



アンケート結果をベースにまとめたアイリバー・ジャパンのユーザー像 アイリバー製品の認知経路のアンケート結果
アイリバー・ジャパンのユーザー像をアンケート結果をベースにまとめたアイリバー製品の認知経路を調査した

その上で、「実機に触れる機会を増やすため、現在小川町にオープンしているショールーム“iriverプラザ”を、10月1日に新宿にもオープンし、年内には大阪・梅田にも3号店を開く予定になっている。今回の大容量モデルによって、フラッシュメモリータイプをポータブルオーディオプレーヤー全体の37%(現在)から50%に引き上げ、その半分をアイリバー製品が占めるのが目標」と、新製品への意気込みを語った。

日本市場に置けるポジショニング(フラッシュメモリータイプ) 日本市場に置けるポジショニング(HDDタイプとポータブルオーディオプレーヤー全体)
日本市場に置けるポジショニング(フラッシュメモリータイプ)日本市場に置けるポジショニング(HDDタイプとポータブルオーディオプレーヤー全体)

なお、会見後に記者からの質問に答える形で、音楽データの配信サービスへの対応について、「WMA DRM(著作権保護機能付きWMA)ファイルは、本日(2日)配信開始した『iriver Music Manager V3.16』をインストールすることで、Windows Media Playerを経由してアイリバー製品(フラッシュメモリータイプ)の全モデルに転送可能となる」と答えた。

iriver製品とライバル機種との価格比較 10月1日にオープン予定の新宿iriverプラザのイメージ
iriver製品とライバル機種との価格比較10月1日にオープン予定の新宿iriverプラザのイメージ

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