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日立、総合サービスプラットフォーム『BladeSymphony』を発売

2004年09月02日 23時15分更新

文● 編集部 美和 正臣

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(株)日立製作所は1日、統合プラットフォーム『BladeSymphony(ブレードシンフォニー)』を発売すると、都内で記者会見を開催した。BladeSymphonyは、ブレード仕様のサーバー部、ストレージ部、ネットワーク部を1つの筐体にコンパクトに収めたプラットフォーム。新しく開発したシステム管理ソフトウェア『BladeSymphony Manage Suite(ブレードシンフォニー マネージ スイート)』により、集中管理ができるのが特徴だ。発売日は、Xeonを搭載した“IA-32”モデルが12月10日、Itanium 2を搭載したIPF(Itanium Processor Family)モデルが2005年3月を予定している。

今回発表された『BladeSymphony』。拡張性を重視したラックマウントサーバーだ『BladeSymphony』のコアとなるブレード部分

ブレードサーバー部”はモジュール化されており、1モジュールあたりXeon、またはItanium 2を2基搭載(1筐体に最大8モジュール)搭載可能。チップセットは独自に開発しており、“サーバーモジュール間SMP機能”により最大8wayのSMP構成としても利用できる。サーバーシャーシの電源冷却ファンもモジュール化されており、ホットプラグにより電源を入れたまま取り外し・取り付けも可能。筐体上部には“ネットワーク部”が配置され、Gigabit(ギガビット)スイッチとして同社で定評のある“GS4000シリーズ”ベースのLANスイッチを搭載。下部には“ストレージ部”が配置されており、ストレージモジュールには“SANRISE9500Nシリーズ”ベースのRAIDディスクを使用する。ストレージ部はラックの増設により最大449台のディスクモジュールを接続可能だ。

サーバーの筐体は3つに分かれている。

OSはWindows Server 2003, Standard Edition(32bit)/Enterprise Edition(32bit/64bit)、Red Hat Enterprise Linux AS3から選択できる。会見では“部門システム”、“高性能DBシステム”、“データセンター”向けの構成別に、仕様と価格が発表された。詳細は以下の通り。

部門システム向け構成例(417万円~)
ブレードサーバー部
  IA-32サーバーモジュール:(Xeon-3DGHz×1/メモリー1GB/HDD160GB×2)×1台
  サーバーシャーシ:(電源×2、スイッチ&マネージメントモジュール×2) ×1台
  Windows Server 2003, Standard Edition(32bit)
ネットワーク部
  スイッチ&マネージメントモジュール
ラック筐体
  ハーフラックキャビネット(16U)
高性能DBシステム向け構成例(4560万円~)
ブレードサーバー部
  IPFサーバーモジュール:(Itanium 2-1.50GHz×2/メモリー4GB/HDDなし)×4台
  サーバーシャーシ:(電源×3/スイッチ&マネージメントモジュール×2/I/Oモジュール×2)×1台
  Windows Server 2003, Enterprise Edition日本語版(64bit)
ストレージ部
  HDDモジュール(HDD73GB×3)×2台/内蔵RAIDコントローラー/HDDモジュール1146GB/
  ファイバーチャネルスイッチ(8ポート)×2台
ネットワーク部
  スイッチ&マネージメントモジュール
ラック筐体
  ハーフラックキャビネット(16U)
データセンタ向け構成例(8140万円~)
ブレードサーバー部
 (1)IA-32サーバーモジュール:(Xeon-3DGHz×2/メモリー2GB/HDD160GB×2)×8台
   サーバーシャーシ:(電源×5/スイッチ&マネージメントモジュール×2) ×1台
   Windows Server 2003, Standard Edition(32bit)
 (2)IA-32サーバーモジュール:(Xeon-3.40GHz×2/メモリー4GB/HDD160GB×2)×4台
   Windows Server 2003,Enterprise Edition(32bit)
   IPFサーバーモジュール:(Itanium 2-1.50GHz×2/メモリー8GB/HDDなし)×4台
   Windows Server 2003, Enterprise Edition日本語版(64bit)
   サーバーシャーシ:(電源×5/スイッチ&マネージメントモジュール×2/I/Oモジュール×2)×1台
ストレージ部
  内蔵RAIDコントローラー/HDDモジュール2292GB/ファイバーチャネルスイッチ(8ポート) ×2台
ネットワーク部
   内蔵LANスイッチ/スイッチ&マネージメントモジュール
ラック筐体
   フルラックキャビネット(38U)

今回発表されたBladeSymphonyには、システム管理ソフトウェア『BladeSymphony Manage Suite』が付属。これはハードウェアの設定や監視、操作などをサーバーの負荷に合わせてリソースの変更を可能にするもので、同社の統合システム管理ソフト『JP1』と組み合わせることにより、運用ポリシーに合わせた自動運転も可能となる。また、このソフトは同社のデータベースマネージメントシステム『HiRDB(ハイ・アール・ディービー) Version 7』やウェブアプリケーションサーバー『Cosminexus(コズミネクサス) Version6』を一元的に運用可能。BladeSymphonyと組合わせることにより、同一プラットフォーム内でウェブサーバーやアプリケーションサーバー、データベースサーバーなどを構築できる。従来にない拡張性の高いサーバー運営が可能になるのが特徴だ。日立製作所執行役専務情報・通信グループ長&CEOの古川一夫氏は、「既存のサーバーは実際に動作しているサーバー以外にバックアップ用のサーバーが必要で、システムの運用コストがかかった。『BladeSymphony Manage Suite』を導入することにより、システムの状況に応じてハードウェアリソースを変更することや、サーバーの増設が簡単になる」と解説した。

日立製作所執行役専務情報・通信グループ長&CEOの古川一夫氏従来のサーバーシステムでは、専用のサーバーのほかに、予備のサーバーなどが必要だった
BladeSymphonyの構成要素。ネットワークやストレージ部といったハードの部分と既存のミドルウェアを集中管理するのが『BladeSymphony Manage Suite』の役目だBladeSymphonyは拡張性が高いため、導入時には最小構成でもよく、投資する額が少なく済む

BladeSymphony導入のメリットとしては「サーバー、ストレージ、ネットワーク、ミドルウェエアを統合できるため、初期投資が少なく、TCO(Total Cost of Ownership)の大幅削減が可能」(同氏)と説明。また、日立製作所情報・通信グループエンタープライズサーバー事業部長の北野昌宏氏は「従来のサーバーシステムに比べ、統合運用効果が50%、開発効率化が33%、リソース効率化が33%削減できるので、全体として40%ほどの費用を削減できる」と強調した。

日立製作所情報・通信グループエンタープライズサーバー事業部長の北野昌宏氏 同社の調査ではTCOが約4割削減できるとしており、BladeSymphony導入のメリットを強調した

サーバーは統合化される

会見ではBladeSymphonyの戦略的位置づけも語られた。古川氏は「本格的なユビキタス社会になってきており、7月にわが社は“uVALUE”というユビキタス社会がもたらすポジティブスパイラルの社会を提唱したが、その基盤を支えるのが、“Hamonious Computing”と呼ばれる強力なプラットフォームで、その製品が『BladeSymphony』だ」と力説した。また、サービスプラットフォームの変遷にも触れ「サーバーには、ネットワークやミドルウェア、ストレージなどの種類があるが、運用管理やシステム拡張が複雑化している。これらは年々統合化されてきており、最終的には『BladeSymphony』のような複数のサーバーを運用できる“統合サービスプラットフォームになる」と説明した。

同社が考える“uVALUE”コンセプト。“uVALUE”の“u”はユビキタスを表わす。サービスプラットフォームに、BladeSymphonyのような統合化されたサーバーが位置し、生活やコミュニティー、ビジネスを強力にサポートするという思想サービスプラットフォームは2005年を過ぎたあたりから、ネットワークやミドルウェア、ストレージサーバーなどが統合された“統合サービスプラットフォーム”になると同社は予想する

ロードマップでは、BladeSymphonyはWindowsとLinuxの主力サーバーとして市場に投入し、将来的には小型メインフレームも取り込み、エミュレートなどの方法でサポートするとのこと。また、CPUにPA-RISCを採用している“H9000V”はItanium 2を採用している“HA8500”に徐々に移行されるという。BladeSymphonyの今後の展開に関しては「サーバーやストレージなどの統合化が行なわれたのが今回の製品で、これが最初のフェーズにあたる。1年ごとに次のフェーズに移行して、第2フェーズでは動的ポリシー制御やスイッチ機能を強化して、“自動化/自律化”を目指したい。第3フェーズでは、CPUの使用率に合わせた従量課金に対応したり、データの重要度やアクセス頻度に合わせて適切なデータ管理を行なう“DLCM(Data Life Cycle Management)”への対応を強化し、ユーティリティー化をしていきたい」と北野氏は語った。

シェアに関しては「2006年の段階で国内のシェアは25%、BladeSymphonyを3000台販売し、関連事業を1000億円まで伸ばしたい。統合プラットフォームの分野ではNo.1を目指したい」(古川氏)と意欲を語った。

同社のサーバー分野のロードマップでは、BladeSymphonyをWindowsとLinuxの主力サーバーとしていく予定だBladeSymphonyで新たに“統合プラットフォーム”という市場を確立し、国内トップシェアの25%を実現したいという

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