【遠藤諭のケータイ出たとこレポート】台湾で『AH-K3001V』フル活用(後編)
【遠藤諭のケータイ出たとこレポート】台湾で『AH-K3001V』フル活用(後編)
2004年07月28日 19時54分更新
世界のマザーボードの約90%、ノートパソコンの約70%のシェアを持つといわれる台湾。パソコンに続いて、“新三種の神器”、つまり、薄型テレビ、DVDレコーダー、デジカメで、日本に猛チャージをかけてきている。
私見だが、この先10年のデジタルに関しては、中国よりも台湾が、日本にとって脅威であり、かつ良きパートナーとなりうると思う。なんとなれば、新三種の神器が必要とする技術の帯域が台湾が制したパソコンに近いからだ。今回の“COMPUTEX TAIPEI 2004”は、それを象徴するような展示内容だった。
例年にもまして強烈なCOMPUTEX TAIPEI 2004の会場風景(台北世界貿易センター)。昨年のSARS禍を逆にバネにしたかっこうで、展示面積は前年比16%増。出展社数1347社、総ブース数2828は、過去最高を更新した。メイン会場はパソコンではなくデジタル家電やデバイスが占める(左)。パソコンは第2会場(右) |
建物の中であろうが、ビルの外壁であろうが、ちょっと大きめのスペースがあれば飾られていたインテルのスローガンは“Digital Home, Digital Life”。このコピーの意味するところは、パソコン陣営が家電の世界を侵略をすると宣戦布告しているということだ(左)。パソコンケース型人間出現(右) |
COMPUTEX会場でも国内と同じ使い勝手!
日本や米国のショウでも同じなのだが、会場をまわっていてインターネットを使いたくなることがある。“取材関係者”の登録をしているので、いわゆるプレスルームに行けば、自由にネットが使えるはず。ところが、なんとこの日は、プレスルームのネットワークが“落ちていた”のだ。そんなとき、平気でスルっとネットワークが使えてしまうのが、『AH-K3001V』の凄いところである。事実、プレスルームで有名パソコン系ジャーナリストのH田氏と遭遇したが、ネットできないでいる彼に対して、私は、AH-K3001Vでスカスカとネットアクセスして見せたのだった。
ここであらためて、この端末の特徴を整理してみよう。
- パソコン用サイトが見られる(Opera搭載/2.2インチQVGA液晶パネル搭載)
- パソコンのネットアクセス手段となる(USB接続)
- 自宅や会社のメールアドレスが使える(POP3/SMTP対応メーラー搭載)
- PHS本来の高品位な音声通話
海外ローミングであっても、これらの特徴がすべて使えてしまうというのが凄い。
国際ローミングサービス中では、AirH” PHONE向け公式コンテンツ(ニュース/交通など)のポータルサイト、“CLUB AirH” for AirH”PHONE”にアクセスができないほか、Eメールの自動受信機能も利用できない。しかし、台湾でインターネット接続するための通信インフラという見方をすれば、「ローミング中だからここはガマンしてね」という印象はない。
これで、国内ではデータ通信の定額制が使えるというのだから、モバイルユーザーが飛びつくのも無理はないというものだ。彼らは、マニュアルに出てこない情報を交換、メーカー開発陣さえ考えていなかった“Bookmarklet”(※1)のようなテクニックも登場している。
※1 Bookmarklet ブックマークレットと読む。JavaScriptで記述されたプログラムで、Opera(ウェブブラウザー)のブックマークメニューから利用できる。例えば、03-XXXX-XXXXのようにテキストで書かれた電話番号を“tel:”リンクに変換して、クリックすると発信できるようになるものなどがある。スクリプトをホームページで紹介するユーザーも多い“@nifty”のトップページ。写真ではゴチャゴチャしているが、表示を50%~200%の7段階に拡大/縮小することも可能。AH-K3001Vでは、iモードで使う“@niftyモバイルメール”などと違い、通常のウェブメールが使える | アスキーのデジタルAV機器情報サイト“mmm by ASCII”のトップページの画像。台湾出張中も“案内人日記”を更新した |
さすがにOpera搭載の威力は凄い。何しろ、COMPUTEXのショウ会場を歩いてまわりながら、その場でGoogleをゴリゴリ引いて事実関係を確認したり、日本へメールが送ったりできるわけだ。要するに、プレスルームにいちいち戻って端末を使うのとはまるで別次元の使い勝手。ちなみに、国際ローミング中のデータ通信の利用料金は40円/分である。
実は、台北世界貿易センターのまわりには、ショウを訪れた人たちが屋外で休める場所や、すぐ隣にはマレーシアの“ペトロナス・ツインタワー”を抜いて地上508メートルの世界一の高層ビル“TAIPEI 101”(台北国際金融ビル)がある。今回、中まで散策している時間はなかったのだが、アジアでは珍しい科学系雑貨屋“Discovery Channel Store”なんかも入っているらしく、お薦めスポットである。
COMPTEX TAIPEIの会場のすぐ横にあるTAIPEI 101(左)。TAIPEI 101の外壁に貼りついた“チビ雲”のアップ(右)。写真ではちょっと分かりにくいが縦に張り出したチビ雲もある。“銭”をデザインした張り出している部分は窓になっている。つまり、銭の中に入って台北市内を一望できるわけだ |
会場で見かけたモバイルもの2点。まるでギロチンか貞操帯のようなPDA用のケンジントンロック用専用PDA固定金具(右)。コンパクトのように閉じたケースを開けるとキーボード部がやんわりと前のほうに出てくるPDA用キーボード(左)。開いたケースがPDAの背中の支えになり安定する |