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日本HP、企業戦略記者説明会を開催――「合併を重ねることで強くなり、顧客重視の体制作りが進んだ」

2004年07月21日 02時32分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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HPの全世界的なキャッチコピー“+hp=everything is possible”
説明会の最初に、HPの全世界的なキャッチコピー“+hp=everything is possible”が紹介された。樋口氏は「これは“企業とHP”“顧客とHP”という具合にHPが前面にでしゃばるのではなく、後ろから小文字で控えめに支えていることが重要なんです」と種明かしをした

日本ヒューレット・パッカード(株)は20日、東京・六本木の六本木ヒルズ内のホテル“グランドハイアット東京”にプレス関係者を集めて企業戦略記者説明会を開催した。会場には代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の樋口泰行氏、取締役副社長 営業統括の小田晋吾氏、営業執行役員 テクノロジーソリューション事業統括の石積尚幸氏、取締役副社長 パーソナルシステムズ事業統括の馬場 真氏、執行役員 イメージング・プリンティング事業統括の滝澤 敦氏、営業取締役 営業統括本部長の鈴木邦夫氏らが出席し、同社の企業理念や経営方針などを説明した。

会場には、米アップルコンピュータ社との提携ならびに“iPod”をベースにした携帯型デジタルオーディオプレーヤーの発売(※1)に関して、何らかの新情報が聞かれるものと期待して会場に詰め掛けたプレス関係者も多かったが、樋口氏からは「個人向け製品の展開については現在米国本社で鋭意検討中で、内容が確定次第、改めて発表の機会を設ける」とのみ説明された。

※1 今年1月に米国ラスベガスで開催された家電機器の総合展示会“2004 CES”のキーノートスピーチで、米ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)社の会長のカーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)氏が発表。日本HPのニュースリリースはこちら



日本HPの代表取締役社長兼CEOの樋口泰行氏
日本HPの代表取締役社長兼CEOの樋口泰行氏。1957年生まれの46歳

樋口氏は、「(2003年5月の)社長就任から1年3ヵ月。合併された側(旧コンパックコンピュータ(株))から来た私が社長を任せられ、“(会社内の意思統一や経営の変革を)やれるものならやってみろ”を言われているようだった。就任当初は景気低迷、合併、市場価格の下落という三重苦から始まった」と切り出し、就任からこれまでの足跡を振り返った。“顧客の要望に迅速に対応できる企業になること”をスローガンに社員全体の意識を統一して、合併後の各種プロセスの統一化、運営基盤の強化、営業基盤の一本化を図っていったという。具体的には、社員の声に積極的に耳を傾けるために専用のメールアドレスを設けたり、若手マネージャーの抜擢やリーダー教育の実践、組織への風穴作りなどで一人ひとりの意識改革に努めたことなどを語った。

また、社内改革の一環として、部門を横断して時代を先取りする新しい切り口、案件作りなどを行なう“タスクフォース”を6チーム(合計200人)結集する新たな取り組みも行なっている。このチームでは、“.NET”“オープンアーキテクチャー”など市場の新たな流れを敏感に読み取り、ビジネスチャンスを見つけていくという。

日本HPの四半期ごとの成績をグラフで図示 日本HPの改革後(現在)の組織体制
日本HPの四半期ごとの成績をグラフで図示し、確実に成長を続けていることをアピールした“顧客中心主義を具現化した”という日本HPの改革後(現在)の組織体制

現在同社の組織はセグメント優先主義をモットーに、

  1. ハード・ソフト・サービス担当の“テクノロジー&ソフトウェア事業部”
  2. デスクトップ/ノートパソコンおよびワークステーション担当の“パーソナルシステムズ事業部”
  3. プリンターやイメージスキャナー、オールインワンプリンターなどを担当する“イメージング&プリンティング事業部”
  4. 営業統括

の4つで構成されている。

例えばアダプティブ・エンタープライズでは、ビジネス環境の変化、システム統合などに俊敏に対応できることが特徴。一昔前ならコストダウンが叫ばれ、次いで情報漏洩対策やセキュリティーの確保が重要視されてきたが、今の経営者は投資を無駄なく先々にも有効に利用できる“システムの柔軟性”が今一番求められている。そのために、専任コンサルタントを300人育成、ITIL(Information Technology Infrastructure Library、ITサービスの管理運用に関する規格集)認定取得エンジニアを100人用意し、さらに各社のCIO(最高情報責任者)へのヒアリング、同社主催のワークショップやセミナーでの説明などを踏まえて、企業への提案を進めているという。その結果、「顧客との間でビジョンの共有化が図れている」と自信を見せる。

アダプティブ・エンタープライズを模式的に示した図 アダプティブ・エンタープライズの構成図
アダプティブ・エンタープライズを模式的に示した図。ビジネスにITを活用する提案を行なうだけでなく、そのメリットを可視化することが重要と語るアダプティブ・エンタープライズの具体的な構成図

この新たなソリューション展開は、日本HP社内でも実践しており、これまで7000種類あった業務用アプリケーションを約4000種類に(目標は1500種類)、サーバーの稼動台数を約2万5000台から約1万9000台に(同1万台)、利用するデータセンターを約300ヵ所から85ヵ所に(同11ヵ所)に、それぞれ削減を果たし、今もなお継続中だという。また、費用対効果を高めるため、投入するITコストを売り上げの4.5%から3.5%に(目標は3.0%)、先行投資的な役割を果たす“革新的IT投資”は逆にIT費用の28%から34%(目標は50%)へと引き上げている。

日本HP自身もアダプティブ・エンタープライズを導入
日本HP自身もアダプティブ・エンタープライズを導入し、改革を進めているという

“スマートオフィス”は、企業内の個人や部門が求める機能・仕様を洗い出し、そこに日本HPの持つコアコンピタンス(主力技術)を当てはめていきながら、将来を見据えたソリューション提案を行なっていくというもの。こちらは個々の機能・仕様を満たすコンポーネント単位で導入できるため中小・中堅企業でも導入しやすいのが特徴。ただし、20日時点ではそのフレームワークの発表にとどまり、各機能の提供は今年後半、ソリューション提案は来年と段階を追って完成していくことになるという。

中小・中堅企業向けという“スマートオフィス”の構成図 2004年後半、2005年へと続くスマートオフィスの進化計画
中小・中堅企業向けという“スマートオフィス”の構成図2004年後半、2005年へと続くスマートオフィスの進化計画

最後に日本HPの目指す方向として、「合併を重ねてきたことで、スタンダードでオープンな技術の必要性を痛感した。この経験を基にグローバルな視点で標準化、オープン化、次世代アーキテクチャーをリードしていけるだろう。いわば合併を重ねることで日本HPは強くなり、顧客重視の姿勢を実践できるようになってきた。さらに技術者を重視する社風もある。顧客に先々のロードマップを示しながら、システムを丸抱え(非公開、独占化)するのではなく、顧客とともに顧客の理解を得ながら進めていく。社内(日本HP)では2010年までに1兆円の売り上げを目標として掲げ、宣言している。2003年の売上高が3700億円なので、かなり高い目標ではあるが、第一歩として2005年の売り上げ5000億円達成を目指して着実に歩を進めて行きたい」と述べた。

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