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【NetWorld+Interop 2004 Tokyo Vol.3】無線LAN+ワイヤレスIP電話で“IP携帯電話”!?――NTTコミュニケーション“IP電話”ソリューション

2004年07月02日 20時19分更新

文● 編集部 内田泰仁

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ビジネス分野でのIP電話関連市場は大手通信/ネットワーク機器メーカーが多数市場に参入してくるなど、現在高い成長の期待できるジャンルとして注目を集めている。“NetWorld+Interrop 2004 Tokyo”のNTTコミュニケーションズ(株)ブースでは、同社のVPNに関するハードウェアから管理/運用までを一元的に提供する“統合VPN”ソリューションをベースとしたIP電話システムの展示が行なわれていた。

“.Phone IP Centrex”のサービス構造図

同社の企業向けIP電話サービス“.Phone IP Centrex”は、同社が提供するネットワークサービスの“Arcstar IP-VPN”(IP-VPNサービス)、“e-VLAN”(広域Eternetサービス)、“OCN”(インターネット接続サービス)の3つをベースに、NTTコミュニケーションズのVoIP基盤網を利用するサービス。PBX機能をネットワーク側にアウトソーシングすることで、拠点ごとに必要だった保守/管理/運用のコストを低減し、音声通話とデータ通信を統合することで業務アプリケーションなどとの融合を進めるという。VoIP基盤網を利用する他社のIP電話サービスや携帯電話、一般電話との通話ももちろん可能だ。

日立電線(株)『WIP-5000』『WIP-5000』の利用イメージ図

ブース展示で注目を集めていたのは、ストレート型携帯電話スタイルの“ワイヤレスIP電話”。この日立電線(株)『WIP-5000』は、インスタントメッセージ機能やプレゼンス機能(通話する相手のログイン状況確認の機能)を備えたIP電話機。無線LANを経由してVoIPを利用できるので、“.Phone IP Centrex”が導入されている環境であれば、無線LANのアクセスポイントとこの端末があれば導入はあまり難しくないという。また、“Hot Spot”などの無線LANスポットサービスからの使用も考えられているとのことだ。

インスタントメッセージ機能のしくみプレゼンス機能の仕組み

基本的なスペックは、無線LANの規格はIEEE 802.11b準拠で通信速度は11/5.5/2/1Mbps、呼制御プロトコルはSIP、ディスプレーは全角文字で8文字×10桁、通話時間は連続通話が約2時間20分、待ち受け時間が約35時間(オプションバッテリーを使用すると、それぞれ約3時間10分、約55時間となる)、サイズは幅43×奥行き19.2×高さ127mm、重量約93g(オプションバッテリー装着時は約102g)。セキュリティー機能としては、64bit/128bit/256bitのWEP、IEEE 802.1xを備える。日本語表示対応。IP電話端末としての機能は、電話帳(200件)、着発信履歴(各20件)、通話時間表示、番号表示といった電話の基本的な機能のほか、

  • パソコンでの電話帳編集
  • 内線番号への発着信
  • IP電話のPBX機能と連携した保留や転送
  • 識別リンギング
  • コールバック転送/保留/ピックアップ
  • 電話会議

などに対応する。

現段階のIP電話サービスは“いつでもどこでもIP電話”とまではいかないものの、携帯電話がこれだけ普及した現在のライフスタイルを考慮すると、社内でも社外でも、無線LANと“.Phone IP Centrex”の利用できる環境であれば携帯電話と同じようにIP電話が使えるというのは魅力的。正式な発売時期はまだ決まっていないというが、会場での説明では「現時点では年内をめどに」とされていた。端末の価格は3万5000円前後になる見込みだという。

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