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「モバイルはエンタープライズのコアとなる」――ノキアがエンタープライズソリューション戦略を説明

2004年07月01日 22時09分更新

文● 編集部 小板謙次

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ノキア・ジャパン(株)は1日、都内で同社のエンタープライズソリューションに関する記者会見を開催。2日に“NetWorld+Interop 2004 Tokyo”で基調講演を行なうノキアコーポレーションのエンタープライズ・ソリューションズ上級副社長兼ジェネラルマネージャーであるメアリー・T・マクドウェル(Mary T. McDowell)氏が出席し説明にあたった。氏は「モバイルはエンタープライズのコアとなる」と力説した。

エンタープライズ・ソリューションズ上級副社長兼ジェネラルマネージャーのメアリー・T・マクドウェル(Mary T. McDowell)氏

ノキアとエンタープライズ・ソリューションはなじみがないように思えるが、実はエンタプライズソリューションズの前身であるインターネットコミュニケーションズという事業部が企業向けのファイヤーウォールビジネスを展開してきた。昨年10月に新設されたこの事業部は、ファイヤーウォールのビジネスで培ったノウハウをベースにセキュリティーを核としてエンタープライズ向けにモビリティーのソリューションを展開していくことが目的だ。

マクドウェル氏は他メーカーと比較した場合の同社の強みについて「ハンドセットとインフラの両方のアプローチを行なっていること。また、それらを組み合わせている」ことだと話している。企業インフラへの展開では、セキュリティー製品のラインナップとしてファイアウォール/VPNアプライアンス“IPセキュリティー”シリーズを投入している。最近では、大規模企業やサービス・プロバイダ向けにセキュリティープラットフォームの『Nokia IP1220』やデータ・センター向け『Nokia IP2250』を発表。1日には同社のSSL-VPNソリューション『Nokia Secure Access System 2.0』を発表した。

氏は「日本は諸外国に比べてモバイルワーカーの比率が高くこの数はますます増えてくだろうが、企業のアプリケーションに完全にアクセスしなければいけないパワーユーザーは5%だ」とし、全従業員をモビライズしていくのが目的だと話した。これまで障害となっていたのは3つの視点だ。つまり、コスト効率のよさをしっかり提示していく経営者の視点、直感的でどこからでもアクセスできるというユーザーの視点、クリティカルなデータがセキュリティーで対応できるというIT管理者の視点だ。これらの障害を解決し、同社はソリューションを提供していく。

『Nokia One Business Server』は日本市場向けにローカライズ中。ウェブコンテンツをリフォーマットとして、どんなモバイルデバイスでも見れるようにする
海外では企業向けにさまざまなデバイスを提供済みだ

すでに海外で提供されている企業向けのモバイルデバイスのなかで、氏はバックオフィスのアプリケーションへのアクセスを可能にするコミュニケーターとして『Nokia 9500』を取り上げた。「このデバイスはGSM、GPRS(General Packet Radio Service)の機能があり、さらにワイヤレスLAN(IEEE 802.11b対応)の機能にも対応している。データのアプリケーションを処理するために最適化された大型のカラースクリーンを持っているし、フルキーボードを搭載している」。また、デバイスに最適化された米IBM社のウェブアプリケーションサーバー『WebSphere』によってバックエンド・システムへのアクセスが可能になっている。続けてウェブコンテンツをリフォーマットとして、どんなモバイルデバイスでも見られるようにする『Nokia One Business Server』についても触れ、現在日本市場向けにローカライズ中であると話した。

ワイヤレスLAN(IEEE 802.11b対応)の機能にも対応。『Nokia 9500』
『WebSphere』によってバックエンド・システムへのアクセスが可能になっている

「日本市場へのとっかかりとなったのが、インフラストラクチャーのアプライアンス製品だ。ここでもっとユーザーの要求を学び、モバイルのデバイスを開発するときに要件を設計に盛り込んでいく」と氏は話す。氏によるとVPNクライアントを端末に組み込むことも可能だという。

「現在のモビリティーは10年前にPCが企業に導入された時に似ている。今後は音声、Eメール、カレンダーなどのパーソナルマネージメントアプリケーションから次のフェーズへと発展していく。つまりSAP、オラクル、ロータスなどのアプリケーションをユーザーは求めるようになるだろう」と見通しを語った。

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