- スムーズな早送り早戻し。DivXをようやくDVDと同じ感覚でトリック再生できるようになった。
- 価格もそこそこ安い。
- ネットワーク未対応はやはり大きい。
- DivXと言えどDVDに入るファイル数は限られている。メディアを入れ換えて再生するのは面倒だ。
●【通常のDVDプレーヤと外観は同じ】 見た目はごく一版的なDVDプレーヤ。逆に言うとそれなりにサイズは大きい。/●【DVDドライブはDVD±R/RWに対応】 DVD-RAM以外の記録型DVDメディアに対応し、その中に含まれる映像ファイルや音楽ファイル、画像ファイルを再生可能である。(撮影とテストには試作機を利用したため、外観および操作画面は実際の製品で変更になる場合があります) |
TVに接続したハードでDivXをデコードし、再生する周辺機器は「MediaWiz」(バーテックスリンク)に始まり、アイ・オー・データ機器「AVeL LinkPlayer」など盛り上がりを見せている。
今回登場したカノープス「MultiRDVD」もその流れにあるDVDプレーヤだ。同社のMTVシリーズで作成したMPEG-2ファイルはもちろん、DivXNetworks社の認証を受け、正式にDivXファイルの再生にも対応している(MP3、WMAなどの音楽ファイルも再生可能)。先述した2製品との最大の違いは両者がSigmaDesign社製デコーダを搭載していたのに対し、MediaTek社製デコーダを採用した点。前者の製品ではトリック再生が弱く、映像のパーセンテージを指定してのジャンプやガタガタな早戻し/早送りしかできなかった。
●【トリック再生がスムーズ】 できて当たり前のようなスムーズなトリック再生が、これまでのDivXプレーヤではまともにできなかった。これをMultiRDVDは実現したのだ。 |
一方、このMultiRDVDでは早送り/早戻しとも間を置かずスタートし、2/4倍ではスムーズに動画が動く。8/16/32倍ではコマ送りになるものの通常のDVDプレーヤと同じ感覚だ。逆に欠けているのがネットワーク経由の再生機能。高速書き換えDVDメディアの普及が進み、DVDへの書き出しは以前ほど面倒には感じないが、それでもPCにファイルを入れたまま再生できるのとでは大きな差がある。
●【シンプルなメニュー画面】 今回使用したのが試作機だったため日本語の表示などは十分テストできなかったが、もちろん製品では対応する。 |
今回テストした個体は評価機だったため、120fpsのAVIファイルの再生や日本語表示が不可能だったりと、実際の製品の能力を見極めることはできなかったが(編集部注:現在発売されている製品版でも、日本語表示には未対応)、普通にトリックプレイできる点は極めて大きな美点だ。価格も結構安いので、ネットワーク対応機能について優先度が低いユーザーなら買いになるだろう。
MultiRDVDの主なスペック | |
製品名 | MultiRDVD |
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ビデオ出力 | S-VIDEO、コンポジット、コンポーネント映像 |
オーディオ出力 | RCA(ステレオ)×3、光デジタル(角型)、同軸デジタル |
対応フォーマット | MPEG-1、MPEG-2、DivX、DVD-Video、VideoCD、SVCD、MP3、WMA、AC3、JPEG |
対応メディア | DVD-ROM、DVD-R/RW、DVD+RW/R、CD-ROM、CD-R/RW |
サイズ | 430(W)×310(D)×48(H)mm |